会社の周年記念イベントによる社員のモチベーション向上に関する調査

~「感動」につながる成功要因と「退屈」を招く失敗要因~

JTBコミュニケーションデザイン

【まとめと提言】

  • 周年記念イベントは社員への強力なメッセージ、イベントを通して社員との絆を強める

  • 運営のスムーズさは鉄則、感動は一体感と参加している実感、サプライズから

  • 日頃の理念浸透、コミュニケーション、ワーク・エンゲージメントは周年記念イベントと地続き
    事前・事後の一貫した取り組みで組織活性化を

  • ホスピタリティと学びとリアルで創る周年記念イベントを

 近年、企業などの組織においては「創立○○周年」「設立○○年記念」などの節目を祝うイベントや式典、パーティなどが開催されています。周年記念イベントや創立記念イベントと呼ばれるこれらの催しは、社員全員で会社の歴史を振り返ったり未来のビジョンを共有したり、また社員と会社、あるいは社員同士の交流を深めたりすることで、組織運営によい影響をもたらそうとするものです。しかしその実施に際しては、節目であるがゆえに前回の開催から年月が経過しマニュアルが残っていないあるいは社会環境の変化に応じた新たな企画設計が必要になるなどの課題もあります。組織にとって重要な記念行事であり、成功すれば良い効果が見込めるものの、失敗の可能性も秘めているのが実情であり、その企画や運営に担当者が悩みを抱えることも多いと考えられます。

 このたび、JTBグループで様々なコミュニケーションサービスを提供する株式会社JTBコミュニケーションデザイン(以下JCD)は、ワーク・モチベーション研究所にて、「会社の周年記念イベントによる社員のモチベーション向上に関する調査」の報告書をまとめました。本調査では、「会社の周年記念日のイベントやパーティ」に参加した人にアンケート調査を行い、周年記念イベントの効果や成功要因・失敗要因を探りました。また自由記述による回答を複数設定し、生の声に近い内容を収集し把握にも努めました。本調査は、今後の企業経営における周年記念イベントの意義と方向性、具体的な方法などを定める上での指針となり、企業内のコミュニケーションデザインを考える上での資料となることを目的としています。

【調査概要】

調査方法

インターネットリサーチ

調査地域

全国

調査対象者

20歳以上の会社員(会社規模500名以上)

「会社の創立記念日のイベントやパーティ」に参加した人を対象に、「印象に残った創立記念イベントやパーティ」を1つ思い出していただき、回答を求めました。質問票では調査対象者にとっての理解しやすさの面から「創立記念」の表記を用いましたが、本集計においては同種の節目行事の総称として「周年記念」の表記に統一しています。

有効回答者数

819サンプル(男性:624サンプル、女性:195サンプル)

実施期間

2026年7月3日~7月6日

<主な調査結果>

 周年記念イベントに参加した経験があると回答した人に対して、「印象に残った周年記念イベント」を1つ思い出していただき、回答を求めました。以下、回答の集計結果を示します。いくつかの項目については、2016年の「社内イベントに関するコミュニケーション調査」の結果(以下、2016年調査結果と表示)、2022年の「社内イベントのコミュニケーション効果に関する調査」の結果(以下、2022年調査結果と表示)を引用しつつ解説します。2016年調査と2022年調査は社内イベント全般についての調査であり、今回の周年記念イベントについての調査との単純比較はできませんが、参考としてご覧ください。

1.周年記念イベントの63.1%がリアル参加中心の開催

 周年記念イベントに参加した819人に、その実施形式を聞いたところ、「すべてリアル」(37.0%)や「リアル多めハイブリッド」(26.1%)などリアル参加中心の回答が合計63.1%を占めました。参考値として2022年調査結果を見るとリアル参加中心の回答は31.8%ですので、倍以上に増えていることになります(図1)。単純比較はできませんが、コロナ後のリアルや対面へのシフトの動きが反映されていると考えられます。

【選択肢について】

(1)    ほぼすべてオンラインで行われ、参加者は一人一人別の場所からオンラインで参加した

(2)    主にオンラインで行われたが、一部の参加者はイベントの会場(ホールや会議室など)に実際に集合して参加した

(3)    オンラインで参加する人と、イベントの会場(ホールや会議室など)に実際に集合して参加する人とが、半々くらいの割合だった

(4)    イベントの会場(ホールや会議室など)に多くの参加者が実際に集合したが、一部がオンラインの形(一部の参加者がオンラインで参加したり、会場と会場をオンラインでつなぐなど)が取り入れられた

(5)    イベントの会場(ホールや会議室など)にほぼすべての参加者が実際に集合する形で行われた

2.社員の7割以上参加が64.8%、アルバイト、パート社員含めてすべての勤務者が参加も38.8%

 周年記念イベントについて、参加した社員の割合を聞いたところ、「全社員の7〜8割」(35.9%)と「全社員の9〜10割」(28.9%)を合わせた「7割以上」が64.8%を占めました(図2-1)。

また、参加対象者については、「正規雇用の社員やフルタイム勤務の社員のみ参加できた」が51.3%と過半数を占めた一方で、「アルバイトやパート社員含めて、勤務する人すべてが参加できた」も38.8%と、雇用形態にかかわらず全員が参加できる形式も全体の約4割に上りました(図2-2)。

3.社員以外も参加できるケースが7割
パートナー企業・取引先企業の社員の参加51.4%、社員の家族や親しい人の参加38.9%(複数選択による回答の結果を集計)

 周年記念イベントにおける社外の参加対象者を聞いたところ、「パートナー企業・取引先企業の社員」が参加したケースが51.4%、次いで「社員の家族や親しい人」が38.9%、「一般のお客様」が29.5%となりました。

 一方、「企業・団体外の参加対象者はいない」は 30.9% にとどまり、約7割の企業で周年記念イベントに社外の関係者が参加していることが示されました(図3)。

4.周年記念イベントに含まれる内容は、社長や経営陣からのメッセージ72.0%、料理や飲み物の提供65.4%、社員の表彰60.2%、会社の歴史や理念を表す映像の投影も52.0%(複数選択による回答の結果を集計)

 周年記念イベントに含まれる内容を聞いたところ、「社長や経営陣からのメッセージ」が 72.0%と最も高く、7割以上のケースでトップのメッセージが含まれることがわかりました。次いで「料理や飲み物の提供」が 65.4%、「社員の表彰」が 60.2%、「会社の歴史や理念を表す映像の投影」が 52.0% という結果でした。いずれも5割以上の高い数値であり、周年記念イベントの多くにこれらの内容が含まれることが示されました。

 また、「社員の様子を撮影した映像やビデオメッセージなどの投影」(45.5%)や「社員が参加するクイズなどのゲーム」(41.6%)といった、社員参加型・エンターテインメント要素のあるコンテンツも4割台で実施されています(図 4)。

5.「感動した」と回答した人が参加したのは、社外の参加対象者がいる、社員の表彰がある、会社の歴史や理念を表す映像などが含まれる周年記念イベント

 周年記念イベントに参加して「感動した」と回答した人の傾向を把握するため、「感動度」別の集計を行いました。すると、「感動した」に肯定の回答をした人(以下、【感動した】肯定者)では、参加対象者の中に「パートナー企業・取引先企業の社員」(63.2%)や「社員の家族や親しい人」(49.1%)が含まれる割合が全体に比べて顕著に(全体比+10pt以上)高いことがわかりました。一方、「感動した」に否定の回答をした人(以下、【感動した】否定者)では「企業・団体外の参加対象者はいない」が全体平均を大きく上回っています(図5-1)。社外関係者を巻き込んだイベントに参加した人ほど感動度が高いことがわかります。

 さらに、「感動度」別にイベント内容を集計しました。すると、【感動した】肯定者では「社員の表彰」(67.5%)、「会社の歴史や理念を表す映像の投影」(60.7%)をはじめ、映像演出や参加型コンテンツを含む多くの項目で全体比+5pt以上高い数値が示されました。これらの内容が参加者の感動に関連する可能性が示されました。一方、「社長や経営陣からのメッセージ」は「感動度」による差は見られませんでした(図5-2)。

6.「参加してよかった」71.3%、「ワクワク感や興奮があった」69.2%、「楽しかった」68.5%

 周年記念イベントに参加した感想について、楽しかった、感動したなどの情緒面に絞って聞いたところ、「参加してよかった」が 71.3% で最も高く、次いで「ふだんの生活とは違う、ワクワク感や興奮があった」が 69.2%、「楽しかった」が 68.5%となりました。また、「エモい」*瞬間があったと回答する人も44.4%いました。7割前後の参加者が満足感や高揚感を持ち、また「エモい」などの心に響いたケースも4割以上あったことがわかりました(図 6)。

 グラフにはありませんが、性別や役職別、年代別に見ると、性別では全般に大きな差異はなく、役職が高いほど「参加してよかった」「ワクワク感や興奮があった」「楽しかった」などの数値が高く、20代、30代で「エモい」の数値が高い傾向がありました。

*「エモい」はemotional(感情的な) に由来し、感情が揺さぶられる状態を示す言葉で、近年若者を中心に使われています。2016年および2022年調査にはありませんが、本調査より新しく設問に入れたものです。

7.「会社としてよいこと」75.8%、「目的が伝わった」66.4%、「他の部門と交流できた」65.2%

 周年記念イベントに参加した感想を、目的や効果に対する評価に絞って聞きました。その結果、「会社としてこうしたイベントを行うのは、良いことだと思った」が75.8% で最も高く、イベントの開催が会社への評価につながっていることが示されました。次いで「イベントや式典の目的が伝わってきた」が66.4%、「他の部門と交流できた」が65.2%、「自分たちは会社から大切にされていると感じた」が65.1%と続き、目的の理解や他部門との交流、会社とのつながりの実感が得られたことがわかりました。

 また、理念・戦略浸透や組織へのエンゲージメントに関する項目を含め、提示した全15項目において過半数(54.9%〜75.8%)の肯定的回答が得られました(図 7)。

 グラフにはありませんが、性別や役職別、年代別に見ると、性別では大きな差異はなく、役職が高いほど全般的に数値が高く、年代では50代で全般に低く、60代で全般に高い傾向がありました。

8.周年記念イベントの3大事後効果、1位「職場の中でコミュニケーションが増えた」、2位「他の部門と仕事がしやすくなった」、3位「仕事に対するモチベーションが上がった」

 社内イベント実施後の職場の変化について聞いたところ、「職場の中でコミュニケーションが増えた」(62.3%)が最も高く、以下、「他の部門と仕事がしやすくなった」(60.9%)、「仕事に対するモチベーションが上がった」(60.0%)が続きました(図8)。参考値として2016年および2022年調査結果を見ると、上位3項目は本調査と同じでした。「コミュニケーション増加」「部門間交流促進」「モチベーションアップ」は周年記念イベントにおける3大事後効果と考えられます。

9.成功要因は、1位「食べ物や飲み物」、2位「進行がスムーズ」、3位「会場内の環境」

「感動」につながるのは、「社員全員が同時に同じ体験」「会社や、同僚・上司の理解促進」(複数選択による回答の結果を集計)

 周年記念イベントの良かった点について、あてはまる選択肢をすべて選んでもらいました。全体を集計すると、「食べ物や飲み物」が最も高く、次いで「会場内の環境が快適だった」、「進行がスムーズだった」が上位を占め、運営・環境面の重要性が示されました。

 一方、イベントに対する「感動度」別で比較すると、「感動した」に肯定の回答をした人(【感動した】肯定者)では、「社員全員が同時に同じ体験ができたこと」(38.0%)や「会社や同僚・上司について知ることができたこと」(34.8%)において、スコアが全体を大きく上回り(全体比+10pt以上)、【感動した】否定者とのギャップが顕著に示されました(図 9)。

 これらの結果から、全般的な成功要因としては飲食や進行などの運営・環境面が重要であり、さらに感動に関連する成功要因としては「社員全員での体験」や「同僚・上司との交流」などのソフト面が重要であることが推測できます。

10.自由記述から見える周年記念イベントの「よかった点」

 「社員同士の親睦が深まった/他部署との交流」が群を抜いて高く、次に「楽しかった/和気あいあいとしていた」  

 周年記念イベントの良かった点について、自由記述の内容に基づいて分類を行いました。すると、「社員同士の親睦が深まった/他部署の人とも交流できた」(17.9%)が最も高く、2位以下に10pt以上の差をつけて最多となりました。次いで、「楽しかった/和気あいあいとしていた」(7.3%)、「会社の歴史を知れた・振り返ることができた」(6.3%)、「食事が良い・美味しかった/食べ放題・飲み放題だった」(6.1%)が続いています(図 10-1)。

 具体的な記述を見ると、「上の偉い人とフランクにしゃべれたこと。」や「違う部署の人と会うことができ、仕事内容などを聞けて、とても勉強になったし息抜きになった。」など、職位や部署の垣根を越えた交流に満足する意見が多く見られました(図 10-2)。

 自由記述の分析では、前項の9のように選択肢から選ぶ形式の回答とは違った結果が示され、親睦や交流の重要性が強く示されました。

11.「うちの会社って良いことをやってるんだ」「うちの会社って、そういう歴史があったんだ」などが「感動度」と関連

 周年記念イベントで抱いた気持ちについて、あてはまる選択肢をすべて選んでもらいました。「うちの会社って、そういう歴史があったんだ」「うちの会社って、なかなか良いことをやってるんだ」が上位を占め、会社への認識をあらたにした参加者がいたことがわかります。

 回答を「感動度」別に集計すると、「感動した」に肯定の回答をした人(【感動した】肯定者)では「うちの会社って、なかなか良いことをやっているんだ」(44.5%)の割合が最も高く、次いで「うちの会社って、そういう歴史があったんだ」(42.7%)、「うちの会社の社員の人たち、いいな」(40.2%)、「この会社に入ってよかった」(38.4%)と続き、これらの項目はいずれも他の層と比べて顕著に高い数値を示しました。

 一方、【感動した】否定者では「疲れた」(37.6%)や「つまらない」(29.1%)といったネガティブな所感が約3〜4割と、他の層と比べて明確に高い結果となりました(図 11)。

12.自由記述から見える「印象に残っている内容」

「ビンゴ大会」が最多、その他「ギネス世界記録™への挑戦」、「開催場所にちなんだコスプレ」、「経営陣のやらかし告白」など

 周年記念イベントで印象に残っている内容について自由記述で回答を求めました。その内容を分類すると、「ビンゴ大会」が 5.4% で最多となりました。次いで「食事/食事会(食べ放題・特別メニュー)」が 3.5%、「会社の歴史を振り返る企画(スライド・ムービー)」が 3.4%、「社長・経営陣のスピーチ/経営陣のトークセッション」が 3.1% と続いています(図 12-1)。

 自由記述の内容を見ると、「会社の創立50年の歴史をスライドで振り返ったコーナーでは感慨深いものがあった。」等の記述に加え、「出席者全員によるかき氷を時間内に食す事でギネス世界記録™に挑戦して、見事に達成しました。」や、「会場が結婚式場だったので、ウェディングのコスプレ大会があった。」のほか、「経営陣が過去にやらかした「今だから言える大失敗」などをユーモア交じり告白するトークセッション」など、ユニークな企画を挙げるコメントも見られました(図 12-2、12-3)。

失敗要因やオンラインとリアルの違い、自由記述から浮かび上がった不満点、そして企画・運営への提言まで、調査の全体像はJCD NOW!でご覧いただけます。

◆株式会社JTB コミュニケーションデザイン (JCD) 会社概要

所在地:東京都港区芝3-23-1 セレスティン芝三井ビルディング12階

代表者:代表取締役 社長執行役員 藤原 卓行

設  立:1988年4月8日

URL:https://www.jtbcom.co.jp/

◆ワーク・モチベーション研究所

所在地:株式会社JTBコミュニケーションデザイン内

所  長:菊入みゆき

URL:https://hr.jtbcom.co.jp/work_motivation/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

URL
https://www.jtbcom.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区芝3-23-1 セレスティン芝三井ビルディング 12階
電話番号
03-5657-0600
代表者名
藤原 卓行
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2016年04月