福井県坂井市 移住者座談会「地域の人柄 温かい」・「歓迎してくれている」

市長「なぜ移住したの?」と迫る

坂井市役所

「移住」をテーマに池田市長(左)と、対話に臨む未来創造座談会の出席者たち=9月25日、坂井市役所

池田市長 自然や食など市の魅力アピール

 福井県坂井市の池田禎孝市長と市民の対話による未来創造座談会が9月末から、10月7日にかけて3回にわたり開かれた。このうち、9月25日には坂井市がUターンや移住政策に力を入れていることもあって、市内に移住してきた男女8人が集まり、坂井市に来てよかったこと、困っていること、今後どのように対外アピールしたら市への移住が増えるか…など人口増対策について市長を交え話し合った。出席者からは「自然の豊かさ」や「食の美味しさ」をほめる一方で、「公共交通の不便さ」、「冬場の気候」の住みづらさを挙げる意見が目立った。一方で、近所や地域の人に「温かい人が多い」、「外からの人間が歓迎されている」との声が相次ぎ、坂井市民の温かさや人の魅力を挙げる移住者も多数いた。

40代男性「福井の教育事情の良さも発信を」

 未来座談会は池田氏が就任した2022年度から毎年行われている。招かれる市民は、自治会長であったり、一般市民であったり、幅広い層から選ばれる。今年は秋のシーズンに、9月25日、同30日、10月7日の3日間行われた。初日の座談会に集まった8人は、10~40代の男女で、最近、県外から坂井市への移住(Uターンを含む)してきた人たち。移住前はそれぞれ北陸の石川、富山のほか長野、それに関東の東京都、埼玉県、千葉県に住んでいた。

 座談会は、市長を取り囲むように8人が着席、冒頭、池田市長が「縁があって坂井市にお出でになった方々、どうか気軽な感じで、何でも意見や提案を述べてください」とあいさつ。8人は就職先や職場の関係、フットサルチームへの加入や子育て環境など坂井市への移住理由はさまざまで、仕事関係を理由に挙げた人が多く、移住フェアで「福井を知り、坂井市を選んだ」という例はたった1人だった。

 坂井市に移住してよかったことでは、「自然が豊か」、「海や山が近い」、「水と空気がきれいで、おいしい」、「星空がとてもきれい」など、都市圏からの移住者は自然環境の豊かさをベタ褒め。ほかには、「とにかく人が温かい」、「地域が排他的でない」、「どの人もフレンドリー」という声をはじめ、「三国町にはいろんな住民団体があって、いろいろ(地域のことを)教えてくれたり、交流ができて楽しい」、「坂井町は地元のおばちゃんがすぐに野菜をくれたりする」、「夜に近所を『火の用心~』と夜回りする習慣が残っているのはすごい」などの具体例を挙げ、移住間もない中、地元民とのコミュニケーションがスムーズに取れている様子がうかがえた。

 さらに40代の男性は「都会では塾ありきが当たり前になっているが、福井の教育は、なるべく取りこぼしを出さないように先生や学校が一生懸命で熱心と聞いた。その辺りをもっと対外アピールしたら、都市圏の子育て世代には響くのではないか」など教育態勢の充実度をもっとアピールすべきとの意見もあった。

座談会終了後、池田市長とともに記念撮影に納まった参加者たち

30代女性「移住増やすなら、キーワードは仕事」

 その一方で、困ったこと、不便なことでは、やはり関東など都市圏から移住した人らが、「公共交通態勢が十分でなく、移動が不便」「夜は歩道に街灯が少なく、治安面でも不安」など暮らしに直結する交通網やインフラの未整備を指摘する声が上がった。

冬場の雪の暮らしに慣れていない人も多いため、「大雪にならないか、冬場が心配」、「冬場は洗濯物が乾きにくい」との声も。さらに移住の前提となる住宅事情で、こんな意見も。「空き家の一軒屋を探すのに非常に苦労した」、「空き家はあっても、賃貸で貸してくれないから、経済的に空き家を購入するのはきつい」など三国町を中心に空き家が増えているにも関わらず、移住者が借りやすい状態にない実態なども明らかになった。

 これに対し、池田市長は「公共交通の不便さは、すぐに解決は難しいが、市が市内を走らせているオンデマンド型交通イータクなどもあるのでぜひ利用してみてほしい」などと回答、街灯や道路改良なども努力を約束していた。空き家のマッチングにも、現在、三国町にあるUDCS(アーバンデザインセンター坂井)が中心となって推進している。

 また、移住者を増やすための対外アピールでは、SNSでもっと若い世代にアピールすることや、教育など子育て世代に訴えるなどの意見のほか、30代女性からは「(移住者を増やすなら)仕事がキーワード。こんな魅力的な仕事があるから、人生の中で移住してまでも、やりたい仕事がある。それも大事」と魅力度アップへ助言していた。

 出席者からの多岐に渡る意見を聴きながら、池田市長も坂井市の食の良さや、遊び場が多く子育てに向いている生活環境、東尋坊や丸岡城だけでなく、観光施設もまだまだあることを、丁寧に紹介。「坂井市職員は、新しいことにチャレンジしており、(移住受け入れに)努力しているので、ぜひ皆さんも長く坂井市で住んでいただきたい」と呼び掛けていた。

 市長を囲んでの未来創造座談会は、このほか9月30日はスポーツ少年団など生涯スポーツ関係者7人と、10月7日は市商工会青年部のメンバー7人を招いて行われた。

【出席者の主な発言】

40代女性 実家が坂井町にあり、石川県からUターン 

 「私の場合は実家にUターンしたカタチ。実家なので今、子育てが大変助かっている。地域の人がやさしい。ご近所がトマトなど地野菜をくれるので家計的にもいいし、ご近所付き合いがあると子どもの教育面でもプラス。子どもの遊び場がやや物足りないかなと思うので、来春近くにできる全天候型の室内遊び場には期待している」

社会人1年目埼玉県出身の10代 フットサルの福井チームに誘われ丸岡町に移住 

 「坂井市は食べ物は何でもおいしい。ソースかつ丼は私の好物なので毎日食べたいぐらい。海鮮も美味しいですが生ものが苦手な私にはもったいないのでしょうね。あと、もう少し大きなショッピングモールがあると、ファッションなど好きなものが買えるからいい」

市内の会社に途中入社した40代男性 東京都から丸岡町内に単身赴任

 「地方にある会社には珍しく、なかなかアクティブさにあふれた会社で、それに惹かれて転職。都内でも車は持っていなかったが、近くのカーシェアを使っていたので便利だった。こちらは、車がないと生活に制約がある」

30代女性 長野県から丸岡町に移住

 「もともと専門の資格があって、さらに今の仕事や研究のレベルを高めたいと思っているところへ、こちらの大学から誘いがあった。やりたい仕事や研究ができるので移住してよかった。あと出張から帰った時に、電車で駅までかえってもタクシーがないのは困った」

豪州出身の夫と長野県から移住した30代夫婦 三国町で子育て中

 「自分が理想と考える保育をしている園を日本国中探して、ここの三国町の保育園が見つかった。在宅育児手当という助成制度もあってありがたい」「僕は静かなところが好きなので、三国町はとっても気に入っている。福井は海もあって、山もあって、永平寺とかいろいろと行きたいところが多い」

20代女性 千葉県出身。埼玉県から春江町に移住

 「地方移住してみたいと岐阜県や石川県とか実際に訪れてみたこともある。福井はたまたま東京であった移住フェアで、福井がいいなと思ったところ、坂井市を紹介された。車の免許を取るなど苦労はあったが、今住んでいる春江町は、いろんなお店も多く買い物にも困らない。市のゆるキャラ・坂井ほや丸がかわいい」

富山県出身の20代女性 大学時代から坂井市で空き家問題などにタッチ。 三国町在住

 「私自身は、三国町が大好きで、地域にいろんな住民団体があり、そことの濃厚な交流が楽しい。今は移住者同士で、まちおこしのイベントなども企画している。移住者に対して、一生住まないといけない、という固定概念があるような気がして。一生じゃなくて、気楽に移住できるよ、という雰囲気づくりも大事と思う」

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会社概要

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
福井県坂井市坂井町下新庄1-1
電話番号
0776-66-1500
代表者名
池田禎孝
上場
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資本金
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設立
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