中央アフリカ共和国:スタッフ殺害に抗議――政府と武装勢力に虐殺行為への公式非難を要求

国境なき医師団

紛争続く中央アフリカ共和国の北西部に位置するボギラで4月26日、国境なき医師団(MSF)のスタッフ3人を含む16人の民間人が病院内で殺害された事件をうけ、MSFは、同国の暫定政府と紛争に関わる全ての武装勢力に対し、この虐殺行為を非難する公式声明を出すよう要求する。また、この虐殺に抗議して、中央アフリカ国内および周辺国で行っている緊急医療以外の医療援助活動を本日から1週間停止する。この間、MSFは、活動現地の安全性調査、および今後の医療援助活動への影響の評価などを行っていく。

首都バンギで支援先の病院に向かうMSFチーム(2014年1月11日撮影)首都バンギで支援先の病院に向かうMSFチーム(2014年1月11日撮影)



<立場を明らかにし、虐殺行為の非難求める>

MSFのアルヤン・ヘヘンカンプ事務局長は 「暫定政府とすべての武装勢力に、この恐ろしい虐殺行為を公式に非難し、自らの立場を明らかにするよう求めます」

「武装勢力は支配地域の住民の安全に責任を持ち、自らの部隊を統制し、民間人および人道援助活動を尊重すると公言すべきです。また国際部隊の後ろ盾を持つ暫定政府は、自らに課せられた責務を自覚し、国民の安全確保に努めなければなりません」と述べている。

MSFは暫定政府、武装勢力の代表者のいずれもが、ボギラでの虐殺や、国内で起こったその他暴力行為に対し、公式の非難声明をなんら出していないことに衝撃を受けている。紛争に関わる以上、こうした攻撃に対し、組織としての立場を明らかにする責任があると考えるからだ。

ヘヘンカンプは 「MSFに対する攻撃は、この国で今も活動する主な医療団体に対する攻撃であり、地域によっては、そこで活動する唯一の医療団体に対する攻撃を意味しています。MSFは引き続き中央アフリカの人びとへ医療提供を行っていきますが、武装勢力側も彼らの責務を果たさなければなりません」と訴える。

過去18ヵ月にわたり、MSFのスタッフは繰り返し暴力行為の犠牲者となってきた。それらの事件はボギラのあるウハム州で特に多く発生している。中央アフリカ保健省の職員や、他の国際人道援助団体も攻撃の対象にされてきた。1年以上に及ぶ紛争で、人びとは戦闘に巻き込まれ、家を捨てて避難を余儀なくされ、かつてないほど生命の危機にさらされ続けている。国際社会と平和維持軍からの援助は十分とは言えない。

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MSFは2006年から、ボギラで病院(115床)を運営し、推定4万5000人の地域住民を対象に1次・2次医療を提供している。また、域内7ヵ所の診療所を支援し、マラリア治療と重症患者の病院紹介を中心とした1次医療を提供している。毎月の一般診療は9000件~1万3000件、治療を受けるマラリア患者は5000人~1万人に上る。

MSFは中央アフリカで1997年から活動。同国には現在300人以上の外国人スタッフと2000人の現地スタッフがおり、バタンガフォ、カルノー、カボ、ンデレ、パウア、ブリア、ゼミオの7ヵ所で定常の援助プログラムを、バンギ、ベルベラティ、ボギラ、ボサンゴア、バンガッスー、ボカランガで合計6件の緊急援助プログラムを、また北西部地域で移動診療を運営している。チャド、カメルーン、コンゴ民主共和国でも中央アフリカ人難民を援助している。

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会社概要

国境なき医師団(MSF)日本

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業種
医療・福祉
本社所在地
東京都新宿区馬場下町1-1  FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号
03-5286-6123
代表者名
村田慎二郎
上場
未上場
資本金
-
設立
1992年12月