【医師 441 名に「賃上げ・年収」に関するアンケートを実施】診療報酬改定による賃上げ実施は全体の 1 割以下

勤務医の 2 人に 1 人が、年収アップのために転職を検討

株式会社エムステージグループ

2024年9月18日 10時00分

医療人材総合サービス、事業場向け産業保健支援を提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』の登録医師のうち 441 名に「賃上げ・年収」に関するアンケート調査を実施しました。

■調査背景

労働人口の減少や物価高が進むなか、各業界で賃上げの動きが加速しています。医療業界においても、

6 月に施行された診療報酬改定により、賃上げを目的とした「ベースアップ評価料」が新設されまし

た。厚生労働省は、24 年度に 2.5%、25 年度に 2.0%のベースアップを目標に掲げています。この流

れを受け、医師の給与にはどのような変化が起きているのでしょうか。医師の賃上げの実態や年収に対

する考えを調査しました。

■調査結果のサマリー

○診療報酬改定について

・診療報酬改定による賃上げ実施は、全体の 1 割以下

○医師の年収事情について

・年収 2,000 万円以上は 2 割超、36.1%は年収に納得せず

・勤務医の 2 人に 1 人が、年収アップのために転職を検討

・9 割以上が、転職によって年収アップを実現

・89.6%がエージェントによる年収交渉をプラスに感じる

■診療報酬改定について

1. 診療報酬改定による賃上げ実施は、全体の 1 割以下

診療報酬改定により、給与の賃上げが「すでに実施された」と回答した医師は 3.4%、「これから実施される予定」と回答した医師は 6.1%となり、診療報酬改定により実際に賃上げが実施される医師は全体の 1 割以下という結果になりました。一方で「実施される予定はない」は 8 割近くにのぼる結果となりました。

○診療報酬改定による、医師の「賃上げ」についての意見(フリーコメント)

・世の中は値上げラッシュですが、医療現場は全くその動きがないです。当然、経営側も診療方針が厳しいので、困難であることも理解しています。[60 代/整形外科/勤務医(診療所・クリニック)]

・世の中は給料が増えていく一方で、医療従事者だけが減額で国が動いているのが不愉快。[50 代/一般内科/勤務医(民間病院)]

■医師の年収事情について

2. 年収 2,000 万円以上は 2 割超、36.1%は年収に納得せず

年収 2,000 万円以上の勤務医が 2 割以上の高収入である一方、自身の働きぶりや貢献度に対して年収額が「妥当ではない」と回答した医師は 23.4%、「どちらかといえば妥当ではない」と回答した医師は 12.7%となり 36.1%の医師は年収に満足していない結果となりました。

○年収が妥当ではない理由(フリーコメント)

・休日の大部分を潰しバイトをして、やっと 2000 万を超える[60 代/内分泌科/勤務医(民間病院)]

・結構働いているつもりなので、バイトでいいのでもう少しお給料上げたい[60代/一般外科/勤務医(私立の大学病院)]

3. 勤務医の 2 人に 1 人が、年収アップのための転職を検討している

年収を上げることを目的に転職を「検討したことがある」医師は 52.6%となり、勤務医の 2 人に 1 人が年収アップのために転職を検討したことがある結果となりました。

4. 9 割以上が、転職によって年収アップを実現

転職によって「希望の年収を実現できた」と回答した医師は 49.5%、「希望額ではないが、以前より年収が増えた」と回答した医師は 45.3%となり、9 割以上の医師が転職によって年収アップに成功した結果となりました。

5. 89.6%がエージェントによる年収交渉をプラスに感じる

実際に転職活動で年収が増えた勤務医のうち、年収交渉において転職エージェントを活用してよかったと「大いに感じた」と回答した医師は 33.3%、「どちらかといえば感じた」と回答した医師は 56.3%となり、89.6%の医師が、転職エージェントの活用が年収交渉にプラスに働いていると感じている結果となりました。