IBMがWatson Discoveryに自然言語処理の新しい拡張機能を追加

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・追加予定の新しい機能は、ビジネス・ユーザーが、データサイエンス・スキルがなくとも、より少ないトレーニング時間ですばやくAIを活用し、より的確なインサイトを導き出せるように設計されています。
・金融サービス、保険、および法務サービス業界の企業は、プロセスの自動化を促進し、カスタマー・ケアをより強化するためにWatson Discoveryを活用しています。
[米国ニューヨーク州アーモンク - 2021年11月10日(現地時間)発] IBM(NYSE:IBM)は本日、IBM®︎ Watson Discovery向け( https://www.ibm.com/cloud/watson-discovery )の新たな自然言語処理(NLP)の拡張機能を発表しました。今回予定されている追加機能は、金融サービス、保険、法務サービスのお客様が、複雑な書類や文章の中からインサイトを見出し、情報を統合することで、カスタマー・ケアを強化し、ビジネス・プロセスの加速化を支援するために設計されています。

多種多様なフォーマットや文書、そしてデータが増え続ける中、企業は、そのチェック作業の効率化に向け、NLPや機械学習を活用するようになってきました1。AIを活用し、文章を含めた様々なデータから、ビジネスの意思決定に有用な情報を取り出すドキュメント・インサイトを得ることにより、保険金請求の処理、財務分析の実施、法的な取り決めや契約のレビューなどといった複雑かつ時間的制約のある業務において、調査にかける時間が短縮され、より事実に基づいた意思決定が行えるようになります。

今回発表した追加予定の新機能は、Watson Discoveryのユーザーが、それぞれのビジネス特有の言葉や言い回しに対して、基本的なNLPモデルをより容易に、そしてスムーズにカスタマイズできるように設計されています。IBM Researchによって開発されたNLP拡張機能では、ビジネス・ユーザーが高度なデータサイエンス・スキルを有していなくても、大量かつ複雑な業界特有の文書を読み込み、理解し、そしてより的確なインサイトを可視化するようにWatson Discoveryをトレーニングできます。
  • トレーニング済み文書構造理解:現在Plus、Enterprise、およびPremiumプランにおいて利用可能なWatson DiscoveryのSmart Document Understanding機能には、開発者やデータ・サイエンティストによる追加トレーニングをすることなく、文書の持つ視覚構造とレイアウトを自動的に把握するよう設計された、新たなトレーニング済みモデルが含まれています。これにより、複雑なテーブル構造や画像の中にあるテキストのような、以前は隠れていた、あるいは見つけにくかった回答を、ユーザーがすばやく見つけることにつながります。
  • 自動テキスト・パターン検出:IBMは、Plus、Premium、およびEnterpriseプランにおいて、ユーザーが文書内で各ビジネス特有のテキスト・パターンをすばやく特定できるよう設計された、ベータ版の新たな拡張されたパターン作成機能をリリースしています。この機能は、収益の増減などといった同じタイプの情報がそれぞれ異なるフォーマットや異なる言い回しで報告される場合のある、膨大な量の契約書や財務報告書を分析する際に重要な鍵となります。IBM Researchによって開発されたこの機能は、データのラベル付けやモデルのトレーニングの効率化に役立ちます。この機能は、わずか2つの事例からその根底にあるテキスト・パターンの学習を始めるように設計されており、ユーザー・フィードバックに基づきさらにパターンを研ぎ澄ましていきます。これによってユーザーは、規則や表現の定義といった非常に時間のかかる手作業をすることなく、より迅速にモデルのトレーニングを行うことができます。
  • 拡張NLPカスタマイズ機能:NLPモデルをトレーニングして、高度にカスタマイズされた各ビジネス特有の言葉や言い回し(例:保険金請求書に含まれる特有の請求理由や影響を受けた製品名など)を識別できるようにすることは、相当量のデータの準備、ラベル付け、およびオーケストレーションが必要とされる、時間のかかる作業です。一般的なデータ・セットを用いてトレーニングされたモデルは、しばしば正しい情報を取得できないことがあります。現在Watson Discovery Premiumユーザー向けにベータ版で利用可能な新たなカスタム・エンティティー抽出機能により、IBMは、データ準備のための労力の削減、アクティブ・ラーニングおよび大量注釈機能によるラベル付けの簡略化、ならびにトレーニング時間を短縮できるシンプルなモデル配備の実現によって、このプロセスを簡素化しています。

本日発表されたこれらの追加機能は、IBM Researchによる開発パイプラインの一部です。例えば、最近Watson DiscoveryおよびWatson AssistantのSearch Skill( https://jp.newsroom.ibm.com/2021-09-15-Add-new-AI-and-automation-features-to-IBM-Watson )において、Answer Finding機能が正式版として利用できるようになりました。これは、多忙なプロフェッショナルやお客様が、それぞれに必要な洞察を的確に特定できるよう支援するためのものです。

IBMのデータおよびAI担当ゼネラル・マネージャーのダニエル・エルナンデス(Daniel Hernandez)はこのように述べています。「IBM ResearchからIBM Watsonへと向かうイノベーションの流れこそが、金融サービス、保険、および法務サービス分野のグローバル企業が、新たなビジネス動向を検知し、業務効率を高め、従業員が新たな洞察を見つけ出せるようにするために、IBMへとその関心を向け信頼を寄せる理由です。私たちがWatson Discoveryに追加した自然言語処理のイノベーションのパイプラインは、引き続き企業に対して、より容易にノイズからシグナルを抽出し、顧客や従業員に対して一段と優れた対応力を提供することができます」

本日発表された新機能に加えて、IBMは、法務サービス、金融サービス、および保険業界の組織がビジネス・プロセスの自動化および変革を促進するために、Watson Discoveryの既存の機能をどのように活用しているかを紹介しています。

契約管理は、手作業で時間のかかる、複雑なプロセスになることがあります。AIを利用した契約書ライフサイクル管理(CLM)主導ソリューションの「One Legal Platform」を提供する、受賞歴のあるプロバイダーでIBMのビジネス・パートナーであるContractPodAi( https://contractpodai.com/?utm_source=news&utm_medium=press-release&utm_campaign=ibm-watson-discovery )は、数あるプロバイダーの中でも特に、IBM Watson Discoveryを含む複数のAIテクノロジーを活用して、自社のエンドツーエンドのソリューションを拡張しました。このソリューションは、複雑な契約書管理の簡素化、日常的な作業の自動化、および複雑なワークフローの変革を進める上で役立ちます。ContractPodAiのCLMソリューションの強みを生かしたノーコードのプラットフォームは、クレーム、RFPレビュー、IPポートフォリオ管理といった、あらかじめ組み込まれ、設定変更可能なアプリケーションを利用して、社内の法務担当チームが数多くの法的シナリオ、プロセス、あるいは文書を管理できるよう設計されています。

Watson Discoveryに関する詳細については、https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/watson-discovery をご覧ください。

IBM Watsonについて
Watsonは、ビジネスのためのIBMのAIテクノロジーで、組織による将来的な結果のより的確な予測と形成、複雑なプロセスの自動化、従業員の時間の最適化を支援します。Watsonは、IBM Researchのプロジェクトから、実験へ、そしてどこででも稼働する拡張された一連のオープンな製品へと進化しています。4万件を超えるお客様のエンゲージメントを有するWatsonは、人々の働き方の変革を目的として、さまざまな業界の主要なグローバル・ブランドに利用されています。詳細については、https://www.ibm.com/jp-ja/watson をご覧ください。

将来の見通しに関する記述と注意書き
自社の計画、方向性、および意図に関するIBMのステートメントは、IBM独自の裁量により、予告なしに変更または撤回される場合があります。潜在的な将来の製品に関する情報は、当社の一般的な製品の方向性の概要を示すことを目的とするものであり、購買の意思決定において参考にしていただくべきものではありません。潜在的な将来の製品に関して言及されている情報は、何らかの材料、コード、あるいは機能性を提供することに対する、コミットメント、約束、または法的義務を意味するものではありません。潜在的な将来の製品に関する情報は、いかなる契約においても盛り込まれない場合があります。当社の製品に対して記述されているいかなる将来の特徴または機能性についても、その開発、リリース、およびタイミングは、当社独自の裁量に委ねられたままとされます。

引用または記述されているお客様事例はすべて、一部のお客様によるIBM製品の利用法と、それによって成し遂げられたと考えられる成果の一例として示されています。実際の環境コストやパフォーマンス特性は、個々のお客様の構成や条件によって異なってきます。

1 IBMおよびMorning Consult:Global AI Adoption Index 2021

IBM Researchブログ(英語)は以下を参照ください。
https://research.ibm.com/blog/watson-discovery-enhancements

以上

当報道資料は、2021年11月10日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。https://newsroom.ibm.com/2021-11-10-IBM-to-Add-New-Natural-Language-Processing-Enhancements-to-Watson-Discovery

 IBM、IBM ロゴ、ibm.com、IBM Watson、IBM Researchは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US) をご覧ください。
 

会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月