2021年話題のコスメを総括!「@cosmeベストコスメアワード2021」12月9日発表!総合大賞はイプサ「ザ・タイムR アクア」
■「@cosmeベストコスメアワード2021」とは
実際に商品を使用したメンバーから、この1年間に@cosmeに寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品をランキング形式で表彰するアワードです。 サービス開設当初より毎年発表しており、@cosmeならではの生活者視点に立った受賞ラインナップが、化粧品業界及び美容業界からもご注目いただいています。
「@cosmeベストコスメアワード2021」集計期間に投稿されたクチコミ~受賞商品から読み解く2021年~
コロナ禍2年目となる2021年も、化粧品市場や生活者の消費傾向は新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の影響を大きく受けました。
1. 2021年度は@cosmeベストコスメアワード史上最多のクチコミ件数、112万件突破!
「@cosmeベストコスメアワード2021」の集計期間中、@cosmeには約112万件のクチコミ投稿が寄せられました。クチコミ投稿数増加の動きが見られた昨年度と比べても1.2倍の件数であり、2000年より開始した@cosmeベストコスメアワード史上最多となるクチコミ件数です。
増加の背景には新型コロナの感染拡大が大きく影響していると考えられます。不安定な世情に伴って生活者の漠然とした不安感が増したこの1年は、化粧品の購買行動においても一層慎重さに拍車がかかっていたといえるでしょう。
気軽に店舗に行きテスターを試せない、EC購入でも失敗はしたくないという状況で「購入するにあたって必要な情報を届けたい」という生活者同士の「助け合い」的な気持ちがクチコミ投稿が促進された理由のひとつであると考えられます。
<クチコミ抜粋>
- カウンターに行ってもコロナ禍なので顔全体で試せないので、思い切ってオンラインで注文しました。普段は標準色を使っています。このファンデはちょっと暗めみたいなのでクチコミを参考に明るめの色にしました。結果すごく良かった♪
- 試供品で試さず現品を買うことは躊躇しましたが、貯めていたポイントがあったのでそれを使用して安めに購入。そしてこちらの口コミも参考にして敏感肌でも使えそう、と購入の決め手となりました。
SNSでの投稿は一般にポジティブな感想が書かれやすいのに対し、@cosmeのクチコミではその性質上、商品のポジティブな面、ネガティブ面双方の率直な感想が投稿されやすいことから、生活者にとっての「購入の後押し」としての機能を担っていることも影響しているのかもしれません。
<クチコミ抜粋>
- これから購入を検討している方が後悔されないように少しでも参考になればと思い今回久しぶりに口コミします。
2.スキンケア編
総合大賞「ザ・タイムR アクア」受賞理由~今年生活者が求めたのは「肌の安定」~
2021年11月半ばに実施した@cosmeユーザーを対象とした「美容に関するアンケート 」(以下、ユーザーアンケート)にて、1年前と比べたときの気持ちや行動の変化として当てはまるものを聴取したところ、『「漠然とした不安」を感じるようになった』に対して、「とても当てはまる+まあ当てはまる」と約57%の人が回答、半数を超える結果となりました。さらに、『「将来への期待」を感じるようになった』に対しては、「あまり当てはまらない+まったく当てはまらない」と回答した人が約48%と半数近い結果となりました。
首都圏を中心に年間を通してほとんどが緊急事態宣言、もしくはまん延防止等重点措置期間であった2021年。アンケートから見ても今年は生活者が漠然とした不安を抱えていたことがわかります。
そんな年に、@cosmeベストコスメアワード2021の総合大賞を受賞したのはイプサの「ザ・タイムR アクア」でした。
コロナ禍1年目の@cosmeベストコスメアワード2020でもスキンケア商品が7年ぶりに総合大賞を受賞しており、2年連続スキンケア商品が総合大賞且つ、総合 第2位もスキンケア商品となりました。昨年度と同様にスキンケア商品が総合1〜2位を占めていることから、一見あまり変化のない1年だったようにも感じますが、その背景にある生活者の心理には違いがありそうです。
昨年度のスキンケア商品の大賞受賞は緊急事態宣言発令による「STAY HOME」や企業のテレワーク促進、「withマスク」による化粧をする機会の減少から「時間に余裕のあるこの時期に肌を整えよう、スキンケアを見直そう」という「おうち美容」への意識の高まりによって、生活者の関心がメイクアップからスキンケアへと移った、ある意味「ポジティブな需要」による受賞だったとも考えられます。
一方今年度は、当初想像していたよりも長引く新型コロナの感染拡大やそれに伴う生活の制限で、外部環境も自分自身も昨年度以上に安定しない状況となりました。それによりうまれた、外的内的ストレスに影響を受けやすい肌の調子を「安定させたい」という強い気持ちが反映された、スキンケア商品の大賞受賞だったのではないかと考えられます。
その不安定さを反映してか、肌の状態を示す表現として、ベストコスメアワード集計対象期間中のクチコミ内(以下、クチコミ内)における"治安"というワードの出現率は、昨年度の同期間と比べて約2倍と右肩上がりに増加しています。
<クチコミ抜粋>
総合大賞受 イプサ「ザ・タイムR アクア」
- 勤務先の倒産やその後の転職などあり、ストレスによる肌荒れと常にお友達…という状況でした。
藁にもすがる思いで試したのがザ・タイムR アクアです。結果として、肌の治安……正常に戻りました!!
ユーザーアンケートでも、スキンケア化粧品に関するここ1年間の意識や行動の「変化」として当てはまるものとして、『「いつも安定した/調子が変わらない肌になりたい」と思うようになった』と約70%が回答しており、ゆるがない安定した肌を求めていたことがわかります。
また、2002年に発売され、4回のリニューアルから7年を経て今年総合大賞を受賞した「ザ・タイムR アクア」に代表されるように、@cosmeベストコスメアワード2021の各部門の1位受賞商品の「ロングセラー商品+リニューアル商品」(※)比率も昨年度より1.4倍に増加。長年生活者から支持されているロングセラー商品、リニューアル商品が支持されました。物の選び方に関しても安定を求める気持ちから、人気が盤石な商品に惹かれる傾向にあるようです。
(※)
ロングセラー:@cosme商品データベースにおいて発売から5年以上で受賞
リニューアル:@cosme商品データベースにおいて商品説明文内に「リニューアル」の記述がある商品
<クチコミ抜粋>
ベストクレンジング 第1位 シュウ ウエムラ「アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル」※2017年1月発売
- 色々浮気しても結局これに戻ってきました。しっかりとメイクが落ちて、しかも乾燥しない、保湿力がしっかりあります。さすがロングセラー!
その他にも、クチコミ内における「お守り」というワードの出現率が年々上昇を続けています。
コロナ禍において、肌を安定させてくれる商品は気持ちの面にも作用し、お守りコスメと称され支持を集めたのではないでしょうか。
<クチコミ抜粋>
総合大賞 イプサ「ザ・タイムR アクア」
- どんなに肌荒れをしていても安心して使えるお守りコスメです。常にストックしています。
現行の「ザ・タイムR アクア」は、2014年に発売されており、ベストコスメアワード常連商品でもあります。
このように、元から安定した人気があった商品ですが、コロナ禍という事象が支持の拡大を後押ししたようです。クチコミ件数をみてみると、コロナ禍1年目である2020年度から投稿数が増加し、2020年度のクチコミ件数は発売から約5年間の総クチコミ件数を上回り、2021年度はさらに増加を続けています。
また、本商品のクチコミ内における「マスク生活」というワードの出現率が昨年度と比較して約3倍に伸びていることから、コロナ禍のマスク生活によるスキンケアの悩みを抱えた生活者の支持が高かったことがうかがえます。
その他にも、「安定」「調子」「安心」「整える」「整う」といったワードの出現率が、すべて昨年度に比べて増加していることから、肌の安定を求める生活者の気持ちに非常マッチしたと考えられます。
また、昨年度は新規ユーザーからのクチコミが多く寄せられていましたが、今年度は新規ユーザーに加えリピートユーザーからの投稿も増加しています。本商品の高評価なクチコミに特徴的なフレーズにも、「何度ーリピート」というワードがみられています。
加えて、クチコミ内で「久々にイプサの化粧水に戻ってきた」「他に浮気をしても戻って来ます」といった記述など、「戻る」というワードの出現率も昨年度より約1.6倍に増加しており、肌の安定を求めて過去の利用者が本商品に戻ってきたことも総合大賞受賞に影響していそうです。
「肌の安定」を求める生活者の気持ちは、他の受賞商品にも表れています。例えば、昨年度からクチコミ内における「鎮静効果」というワードの出現率が上昇していましたが、今年度は昨年度の約2倍となりました。それと共に、昨年度鎮静効果が期待できるとして注目された「シカ」系商品の人気も益々高まり、定番のクリームタイプ以外にもシートマスクや化粧水、美容液と幅広く多くの商品が発売されました。
昨年度は下半期フェイスクリーム新人賞としてDr.Jart+ 「シカペア クリーム」がランクインしていましたが、今年度もベストフェイスクリーム 第3位にランクインしています。さらに、今年度は人気集中により品薄にもなったVT COSMETICS「VT CICAデイリースージングマスク」が総合 第7位にランクイン、同時にベストシートマスク 第1位、@cosme STORE ベストヒット賞 総合 第1位受賞しており、この勢いはまだまだ続いていきそうです。
3.メイクアップ編
対象期間中に投稿されたクチコミ内において、「抜け感」というワードの出現率が増加しています。2021年度は完璧に作りこんだメイクではなく、作りこみすぎない「抜け感」のあるナチュラルなメイクが支持されているといえそうです。
1)作りこみすぎない抜け感をカラーで表現
これまでアイライナーやマスカラの主流はブラックかブラウンでしたが、今年度は特にカラーバリエーションが豊富な商品が多く発売された印象があります。総合 第4位にランクインしたキャンメイク「クリーミータッチライナー」は、2018年発売以降いくつか新色を追加しており、「絶妙な色味」として元々人気の高い商品でしたが、対象期間中に「フォギープラム」や「アズキブラウン」、「マッチャカーキ」といったカラーを新しく展開し、昨年度の総合 第7位から順位をあげています。その他にも、@cosme SHOPPING、@cosme STOREそれぞれのベストヒット賞 ブランド新人賞を受賞した「hince」も、今年ヴィンテージカラーを基調としたカラーアイライナーとカラーマスカラを発売し、話題を集めていました。
▼hince「ニューアンビエンスカラーマスカラ」/「ニューアンビエンスカラーアイライナー」 (一部)
クチコミ内でも、「くすみ感」「ニュートラル」「ニュアンスカラー」といった曖昧なカラーを指すワードの出現率が伸びていることから、作りこみすぎない抜け感をベースメイクだけでなく、カラーでも表現しているといえるでしょう。
2)「withマスク」メイクのポイントは「眉」
カテゴリ別のクチコミ投稿比率を見てみると、「リップ」カテゴリが大きく落ち込むなか、「アイブロウ」カテゴリは2年度連続で伸長しています。
ユーザーアンケートでも、メイクアップ化粧品について、ここ1年間の意識や行動の「変化」として当てはまるもの聴取したところ、「アイブロウ/眉メイク」に力を入れるようになったと約44%の人が回答しています。
さらに、いま現在の気持ちや行動として当てはまるものとして、約78%が「眉毛の形で印象は変わると思う」、約72%が「眉毛の太さで印象は変わると思う」と回答しており、眉への関心の高さがうかがえます。眉への関心の高まりはマスク生活が日常化したコロナ禍2年目の事象であり、今後も続くといえるでしょう。
また、約69%が「眉毛の色で印象は変わると思う」とも回答しています。ベストアイブロウの受賞商品でも、ピンクやロゼ、モーブ (薄く灰色がかった紫色)と豊富なカラー展開で人気を集めているWHOMEE「アイブロウパウダー」が第3位にランクインしていることから、アイライナーやマスカラに加えて、カラー眉商品も今後ますます注目を集めそうです。
▼WHOMEE「アイブロウパウダー」(一部)
4)消費落ち込むリップカテゴリにスターアイテム誕生
昨年から引き続き消費の落ち込むリップカテゴリ(※1)ですが、前述の通りクチコミにおける比率も減少しています。そんな厳しい状況が続くリップカテゴリに、今年5月に発売してから、わずか半年で総合 第3位を受賞したスターアイテムが誕生しています。それがマスクにつきにくい・色落ちしにくい口紅として累計出荷数120万本突破(※2)するなど爆発的ヒットを記録しているケイト「リップモンスター」です。マスクにつきにくい・色落ちしにくい「機能性」に加えて、「使用感・品質の良さ」、SNSを中心とした「盛り上がり」、誰でもアクセスしやすいドラッグストアを販売チャネルとする「利便性」、売り切れ続出の「希少性」と、様々な相互作用がここまでの支持を生み出しました。さらに、11色展開という豊富なカラーバリエーションや「ラスボス」や「2:00AM」等、心くすぐるカラーネーミングで収集欲を誘ったことも、3位受賞の後押しとなったのではないでしょうか。
(※1) 口紅の2021年9月のメーカー出荷額 前年同月比-27% 出典:経済産業省「生産動態調査 」
(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/index.html)
(※2) 出典:株式会社カネボウ化粧品 2021.11.11付プレスリリース
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000403.000016220.html)
このように、リップモンスター人気の理由は機能性だけではありませんが、ユーザーアンケートで3か月後の気持ちや行動はどうなっていると思うか聴取したところ、「マスクをする頻度は今と同じくらいだと思う」と約90%の人が回答していることから、マスクにつきにくい需要は今後も続くニーズとなりそうです。
4.その他編
購入前の試用体験はじっくり試せるサイズや量がキモ
総合 第10位を受賞したランコム「クラリフィック デュアル エッセンス ローション」のクチコミで、今年度特徴的なフレーズとして、「ミニサイズー買う」「ミニサイズー試す」「お試しサイズー買う」「サンプルサイズー買う」というワードがみられました。
化粧品は元々試したいニーズの高い商品であり、各ブランドは、従来から店頭でのタッチアップやサンプルの配布などの試用機会を生活者に提供してきていました。しかし、コロナ禍によりそれらが充分に機能しない状況がうまれた今、それに代わる試用機会として、有償サンプルやミニサイズ・トライアルサイズが生活者に支持されているようです。実際にクチコミ内全体でも「ミニサイズ」というワードの出現率は増加傾向にあります。
@cosmeでも今年7月に公式通販サイト「@cosme SHOPPING」でサンプル等のお試しサイズを購入できる「TRY at HOME」というサービスをスタートしました。
ベスト美容液 第2位にランクインしたエスティ ローダー「アドバンス ナイト リペア SMR コンプレックス」も「@cosme SHOPPING」等でトライアルサイズの提供を開始しており、その取り組みが生活者の支持にも繋がりました。
- 受賞ブランドの声
エスティ ローダー / コンシューマーマーケティング部 縄田友樹氏
販売開始から現在まで、想定を上回る数を購入いただいております。購入者様に、10代、20代の新規ユーザーが多いのも特徴的です。若年層からは「なかなか手が出せなかったが、トライアル サイズがあることでしっかり自分の肌で試すことができ、安心して現品を購入することができた」という声もいただいております。
たっぷり使えるサイズをトライアルサイズとすることで、製品に満足感を持ったうえで現品を購入いただくことができ、新たな顧客層にもお求めいただくことができました。店頭での試用体験がコロナ禍により減った中で、この「TRY at HOME」施策では消費者との間に新しい形の機会を設けられました。
消費者に、よりご満足いただいた上でお求めいただくため、今後も取り組みを続けさせていただきたく思っております。
このように、一回分のサンプルや店頭テスターとは異なり、ミニサイズや複数回分入った有償サンプルであれば、商品購買に対して慎重性の増した生活者に対しても、自宅という通常の生活環境で「自分に合うかどうか」を納得できるだけの試用体験を提供できることから、今後は従来の試用体験と共に生活者に広く支持されるために重要なツールとなるかもしれません。
<クチコミ抜粋>
ベスト美容液 第2位 エスティ ローダー「アドバンス ナイト リペア SMR コンプレックス」
- とても人気の商品なので、気になっていましたが、高級ですし、サンプルだけでは効果がわからない…と迷っていましたが、アットコスメさんで、ミニサイズがあったので購入しました☆まだ使って1週間ほどですが、お肌がしっとりとしていて、翌朝もモチモチしています。購入に迷われている方はまずはミニサイズでお試ししてはいかがでしょうか?☆
またさらに、ベスト単色アイシャドウ 第2位受賞のローラ メルシエ「キャビアスティック アイカラー」やベストチーク 第2位受賞のNARS「ブラッシュ」などもミニサイズを展開しており、ミニサイズ化の動きはメイクアップカテゴリにも広がりを見せています。
■「@cosmeベストコスメアワード2021」受賞商品
受賞商品は以下サイトよりご覧いただけます
https://www.cosme.net/bestcosme/
<参考>
◆2021年12月17日(金)16:00~開催「@cosmeベストコスメアワード2021レポート
クチコミから読み解く生活者の「今」と「これから」」ウェビナー開催
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