日本生命とネイチャーポジティブの実現を目的とした連携協定を締結

公益財団法人日本自然保護協会(理事長:土屋俊幸、以下「NACS-J」)と日本生命保険相互会社(社長:朝日智司、以下「日本生命」)は、相互に協力して生物多様性の保全および回復を推進し、地域の自然保護と活性化を図りながら、ネイチャーポジティブ※1の実現を目指すための協定(以下「当協定」)を締結しました。
1.名称
「ネイチャーポジティブの実現に向けた連携についての協定書」
2.主な連携事項
(1)生物多様性の量的・質的な保全および回復に関すること
(2)生物多様性の保全および回復への企業参画に関すること
(3)ネイチャーポジティブ推進のための教育や研究、普及啓発に関すること
(4)自然に根差した社会課題の解決(NbS:Nature-based Solutions)※2に関すること
3.締結日
2025年11月28日(金)
※1.ネイチャーポジティブ
人と地球のために、生物多様性の損失に歯止めをかけ、自然を回復させること。第15回生物多様性条約締約国会議で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で2030年までのミッションとしてこの考え方が掲げられた。日本の「生物多様性国家戦略2023-2030」にも国家目標としてネイチャーポジティブの実現が掲げられている。
※2. NbS(Nature-based Solutions)
「自然に根差した解決策」と直訳され、自然の力を活かし社会課題の解決を目指すアプローチとして世界的に注目されており、国連環境計画でもその重要性が訴えられている。
◆ 背景
近年、世界的に生物多様性の損失が深刻化しており、「ネイチャーポジティブ」の実現が求められています。日本国内においても、気候変動や土地利用の変化により、生態系の健全性が損なわれ、地域の自然資源や暮らしに影響を及ぼしています。
こうした状況を踏まえ、企業と専門団体が連携し、科学的知見に基づいた保全・回復の取り組みを進めることが不可欠です。NACS-Jは、長年にわたり地域に根ざした自然保護活動を展開し、専門性と幅広い知見を有しています。日本生命は、サステナビリティ経営の重点領域として「地球環境」を掲げ、気候変動や生物多様性への対応を強化しています。
両者の協働によって、地域社会と自然環境の調和を図り、持続可能な未来、ネイチャーポジティブの実現を目指してまいります。
◆ 代表的な連携事例と今後の展開
・絶滅危惧種の保全活動
NACS-Jは、絶滅危惧種のチョウ「オオルリシジミ」とその生息地の保全活動に力を入れています。日本生命も協力してくださり、長野県安曇野市での観察会や調査会、幼虫のエサとなる食草(クララ)の植え付けなどを実施しています。

・地域の生物多様性保全活動の担い手「NACS-J自然観察指導員」の養成
NACS-Jは、地域に根ざした自然観察会を開き、自然を守る活動の担い手を育成する「自然観察指導員講習会」を全国で開催しています。日本生命とも連携して実施しており、2025年度は滋賀県甲賀市での開催が実現しました。

・にっせーのせ!ネイチャースクールの開催
NACS-Jは、自然とふれあう機会の少ないご家庭の親子を対象に、自然とふれあう楽しみや価値を学び、自然を守ることへの理解を深めていただくことをテーマにした活動にも力を入れています。日本生命も活動の趣旨に賛同くださり、2025年8月には、両者で連携して「にっせーのせ!ネイチャースクール」を滋賀県甲賀市で開催しました。

これらの取り組みは、NACS-Jが進めている「日本版ネイチャーポジティブアプローチ※3」に参加している自治体との連携も意識して実施しています。自然関連財務情報開示(TNFD)でも求められている地域社会を基盤とした生物多様性保全活動に力を入れ、ネイチャーポジティブの実現を目指すさまざまな取り組みを推進していきます。
※3. 「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」
自治体と企業、市民等とのパートナーシップ構築を通じて市町村を基盤にランドスケープアプローチでネイチャーポジティブの実現を目指す取組み。生物多様性保全に関する国際目標「昆明·モントリオール生物多様性枠組(GBF)」にも適合させてNACS-Jが進めている。詳細は以下をご覧ください。
https://www.nacsj.or.jp/activities/project/npa/
◆ 参考
日本生命保険相互会社
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1889年創業の生命保険会社。国内最大級の生命保険グループとして、個人・法人向けの生命保険事業を中心に、資産運用、ヘルスケア事業等、幅広い事業を展開。
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「国民生活の安定と向上に寄与する」という経営基本理念のもと、サステナビリティ経営の高度化を通じて、『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』の実現を目指す。
公益財団法人 日本自然保護協会
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1951年設立の日本で最も歴史ある自然保護団体のひとつ。市民・行政・企業と連携し、自然と共にある社会の実現を目指す公益財団法人。
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科学的知見に基づく自然環境の保全や、生物多様性の保護活動を全国で展開すると共に、希少種、生態系の調査保全、保護区の創設支援、自然保護政策の提言など幅広く活動。
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国際自然保護連合(IUCN)の日本委員会メンバーとしてグローバルな保全活動にも参画。
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