6割強が「養育費を満額もらえていない」と判明離婚歴がある子育て中の女性300人に養育費に関するアンケートを実施

養育費不払い時の対応や経済的な余裕など、母子家庭の実態を調査

株式会社アシロ

株式会社アシロ(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:中山博登、東証グロース市場 証券コード:7378)は、離婚問題の相談・対応を得意とする弁護士・法律事務所を検索できるポータルサイト「ベンナビ離婚」にて、離婚歴があり20歳未満の子どもの親権を持つ女性300人を対象に、養育費に関するアンケート調査を行いました。

アンケート詳細はこちら: https://ricon-pro.com/columns/683/

厚生労働省が発表した「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」(※1)において、全国に134.4万世帯(母子家庭119.5万世帯、父子家庭14.9万世帯)のひとり親世帯がいることがわかりました。ひとり親世帯となった理由として、母子家庭の場合は79.5%、父子家庭の場合は69.7%が「離婚」を挙げています。

子どもと同居をしない親は、子どもと同居する親に対して、法律上、養育費を支払う義務がありますが、養育費が必ず円満に支払われるとは限りません。子どもを育てていくうえでは、さまざまな出費が想定されるため、養育費の不払いは子どもの成長の妨げや、悪影響になる事態が懸念されます。

そこで「ベンナビ離婚」が主体となり、離婚歴があり20歳未満の子どもの親権を持つ女性300人を対象に、養育費に関する調査を実施いたしました。

これからも「ベンナビ離婚」では、1人でも多くの方が離婚というライフイベントにおいて、適切で納得できる判断ができるように、さまざまな情報を発信してまいります。

※1 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査|厚生労働省

<当調査の利用に関して>

1.当調査のデータを引用・転載する場合には、「出典:ベンナビ離婚」の表記をお願いいたします。

2.出典元として下記ページへのリンクをお願いいたします。

https://ricon-pro.com/columns/683/

<調査の実施概要>

調査対象: 離婚歴があり、子どもの親権を持つ女性300人

年齢割合: 20代(20%)、30代(80%)

調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ

調査日 : 2024年4月2日(火)〜2024年4月4日(木)

<調査サマリー> 

  • 養育費を毎月受け取れている方は36.3%に留まる

  • 養育費の取り決めをしていても、円満に養育費を受け取れているケースは半数程度

  • 「相手と関わりたくない」という理由で離婚時に養育費を取り決めないケースが多い

  • 約半数は養育費を受け取れなかった場合でも働きかけをしなかった

  • 養育費を支払うよう働きかけをしても、改善したケースは32.9%に留まる

  • 女性のひとり親世帯では、経済的に「十分に余裕がある」「少し余裕がある」と回答した方は17.5%に留まった

養育費を毎月受け取れている方は36.3%に留まる

はじめに、離婚の経験があり20歳未満の子どもを持つ女性300人を対象に、「養育を受け取っているか」と質問したところ、36.3%の方が「毎月もらっている」と回答しました。

 「毎月もらっているが、減額されることがある」、「過去数回のみもらったが、その後はもらえていない」など、何かしらの事情により満額の養育費をもらえていないという方は約6割となりました。

半数は適切に養育費を取り決めるも毎月受け取れているとは限らない

続いて「離婚の時、養育費の取り決めをしましたか?」と質問したところ、「家庭裁判

所を介して取り決めた」、「公証人役場で公正証書を作成した」と回答した方は、合計で49.3%となりました。

これらの手段は、万が一養育費が受け取れなかった場合に強制執行を検討できる選択肢です。しかしそれぞれの回答者の養育費の受取状況を参照すると、それでも「毎月もらっている」と回答した方は半数程度に留まっているようです。

また、養育費について「取り決めをしなかった」と回答した方においては、93.8%が「一度ももらえていない」と回答しています。

養育費は離婚時に取り決めをしておくに越したことはありませんが、取り決めさえしておけば円満に養育費を受け取れるとは限らないようです。

取り決めをしなかった理由の1位は「相手と関わりたくなかった」

続いて、養育費について「取り決めをしなかった」と回答した61人に対して、「取り決めをしなかった理由を教えてください」と質問したところ、31人が「相手と関わりたくなかった」と回答。次点では23人が「相手に支払う意思がないと思った」と回答しています。

価値観のすれ違いや夫婦間トラブルによって離婚をする場合には、極力相手方と建設的なコミュニケーションをとることは難しく「すぐにでも関係性を清算したい」と考える方が多い可能性があります。

一方で、「取り決めをしたかったが、交渉がまとまらなかった」と回答したが5人おり、こうした場合は、必要に応じて弁護士や家庭裁判所といった第三者の介入を検討する必要があるかもしれません。

※複数回答のため回答件数が回答人数と異なります

約半数は養育費をもらえなかった場合も働きかけをしなかった

続いて、養育費の受け取りに関して「減額されたことがある」、「もらえなかったことがある」、「一度ももらえていない」と回答した182人に対して、その状況を改善するための働きかけをしたかを調査しました。

 41名が「連絡して督促した」、24名が「話し合いの場を設けた」と回答しており、自分の力で状況の改善を図った方が多いとわかります。

 一方で、「裁判所に勧告してもらった」、「弁護士などの専門家に相談した」、「強制執行をした」といった第三者の介入を選ばれた方も一定数いるようです。

しかしながら最も回答が多かったのは「働きかけをしなかった」であり、回答者のうち半数以上が働きかけをしなかったことがわかります。

次項では、「働きかけをしなかった」と回答した方に、その理由を伺いました。

※複数回答のため回答件数が回答人数と異なります

働きかけをしなかった方の声

・めんどくさかった。もう関わりたくなかった(37歳女性)

・離婚後、連絡先も知らないし会ってもいないから(38歳女性)

・子どもとの面会を強要されるのが嫌だったから(28歳女性)

・経済的DVが理由で離婚したので、怖くて連絡できない(31歳女性)

・相手に経済力がないため諦めている(32歳女性)

働きかけによる改善は32.9%に留まる

続いて、養育費を受け取れなかったため何らかの形で働きかけをした女性88人に対して、「働きかけて状況は変わりましたか?」と質問したところ、「改善した」と回答した方は32.9%に留まる結果となりました。

67.1%の方は、働きかけをしたにも関わらず状況が「改善しなかった」と回答。離婚後のひとり親世帯が抱える課題が浮き彫りになる調査結果でした。

女性のひとり親世帯では経済・生活面で余裕がないケースが多い

養育費について「毎月もらっている」以外の回答をされた女性182人に対して、「経済面で生活に余裕はありますか?」と質問したところ、「十分に余裕がある」、「少し余裕がある」と回答した方は17.5%に留まりました。

同じ方を対象に「困っていることはなんですか?」と質問したところ、「生活が苦しい」と回答した方が最多の70名となり、「子どもの学費が足りない」、「子どもの塾や習い事にかけるお金が足りない」と回答した方も多いことから、女性のひとり親世帯において、経済面での課題を抱えるケースが多いことがわかります。

一方で、働きながら子どもを育てなければいけない家庭の場合、「自分の時間が確保できない」、「家事と仕事の両立が難しい」といった悩みを抱える方も一定数いることがわかりました。

※複数回答のため回答件数が回答人数と異なります

調査結果のまとめ

今回の調査で、離婚歴がある女性のひとり親世帯においては、養育費を問題なく受け取れている方は4割にも満たないうえ、「関わりたくない」、「DVが怖い」といった事情から、状況の改善が難しいケースがあることがわかりました。

結果として、経済・生活面で困ることがあり、子どもに理想的な教育をしてあげられない状況が発生しているようです。

養育費は、子どもの将来のために必須であり、最も重要なお金であるといっても過言ではないことから、当事者間での解決や状況の改善が難しい場合には、専門知識を持つ弁護士や行政などに相談することを検討すべきかもしれません。

ベンナビ離婚では、1人でも多くの方が離婚や養育費の悩みに対して適切な選択肢をとれるように、こうした調査を実施し、有益なコンテンツを発信してまいります。

弁護士からのコメント

野条 健人 弁護士

大阪弁護士会 所属

弁護士法人かがりび綜合法律事務所

大阪府大阪市西区靱本町1-4-17 ACN信濃橋ビル2階

https://ricon-pro.com/offices/891/

養育費は非常に重要なものであるにもかかわらず、相手と関わりたくなかったり、当事者間で取り決めや交渉が上手くできなかったりすることで、断念してしまうケースもよく見てきました。

確かに養育費問題は複雑で、算定表より上回るケースや学費や習い事の費用、それからいつまで支払うのか(終期の問題)、相手方が自営業者の場合等の法律上の問題点も沢山あり悩ましい問題があります。

でも重要な問題であるからこそ、お一人で悩まずに離婚問題の実績がある弁護士さんに相談してみてください。大切なお子さんのことで、決して損をしないためにも弁護士さんに頼ってきちんと解決することをおすすめします。

当調査の掲載記事

【離婚後、親権を持った女性300人に聞いた!】養育費の受け取り実態調査

https://ricon-pro.com/columns/683/

■「ベンナビ離婚」について

離婚問題の解決を得意とする弁護士とユーザーの架け橋となる、国内最大級の法律相談サイトです。離婚調停や親権問題、財産分与など、さまざまな離婚問題に対応する弁護士を探して電話・メールで相談が可能。

サイトURL: https://ricon-pro.com/

■株式会社アシロ 概要

・代表者 : 代表取締役 中山 博登

・所在地 : 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F

・資本金 :608百万円(2024年1月末現在)

・設立     : 2016年4月

・従業員数: 96名(2024年1月末時点)※連結子会社を含む

・事業内容:

―インターネット上で法律情報や弁護士情報等を提供する「リーガルメディア関連事業」

―弁護士等の士業や管理部門に特化した人材紹介サービスを提供する「HR 事業」

・サイトURL:https://asiro.co.jp

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会社概要

株式会社アシロ

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URL
https://asiro.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F
電話番号
03-6279-0825
代表者名
中山 博登
上場
東証グロース
資本金
6億845万円
設立
2009年12月