HPE、オークリッジ国立研究所の新システム2機を構築:次世代エクサスケールスーパーコンピュータ「Discovery」およびAIクラスタ「Lux」

HPE

AIとHPCが融合する時代のスーパーコンピューティングのブレークスルーを実現する、新しいHPE Cray Supercomputing GX5000およびHPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000を発表

  • HPEが構築する「Discovery」は、精密医療、がん研究、原子力、航空宇宙分野における新たな科学的可能性の開拓に最大10倍の生産性向上で貢献

  • HPEが構築する「Lux」は、AIトレーニングや推論を支援する柔軟なマルチテナント型AIクラウドプラットフォームを提供

  • 「Discovery」は、AIとHPCが融合する時代に向けて設計された次世代スーパーコンピュータHPE Cray Supercomputing GX5000で構成され、物理ベースのモデリングやシミュレーション、データ駆動型AIモデルの性能と生産性を向上させるとともに、量子コンピューティングのテストベッド機能も提供

  • HPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000は、HPE Cray Supercomputing GX5000のオプションとして提供される業界初の工場組み込み型ストレージシステムで、DAOS(分散非同期オブジェクトストレージ)オープンソースソフトウェアを実装

 

HPEは本日、米国エネルギー省(DOE)のオークリッジ国立研究所(ORNL)向けに新たな2機のシステムを構築するパートナーとして選定されたことを発表しました。DOEのミッションである、科学、エネルギー、国家安全保障を支える人工知能(AI)およびスーパーコンピューティング分野における米国のリーダーシップ強化の一環としての選定です。ORNLのFrontier(HPEが構築し、エクサスケールの壁を突破したシステム)の後継となる第2世代エクサスケールスーパーコンピュータ「Discovery」と、AIおよび機械学習の推進を支援するマルチテナント型クラウドプラットフォーム「Lux」をHPEが構築します。

米国エネルギー省オークリッジ国立研究所のDiscovery

「Discovery」は、HPEの次世代スーパーコンピューティングプラットフォームであるHPE Cray Supercomputing GX5000を基盤とし、AIとHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)を融合したアーキテクチャによって、研究所全体および分散クラスタ間の運用を効率化します。DAOSを実装したHPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000は、HPE Cray Supercomputing GX5000のストレージオプションとして、システムの強化に寄与します。「Discovery」は、AI、HPC、量子コンピューティングの新たな機能を提供し、特定のアプリケーションで最大10倍1の生産性向上を実現することで、精密医療、がん研究、原子力、航空宇宙分野における科学的ブレークスルーの加速に貢献します。

 

HPEの社長兼CEOであるアントニオ・ネリ(Antonio Neri)は次のように述べています。

「オークリッジ国立研究所のFrontierを構築し、エクサスケール時代の到来を実現したことで、スーパーコンピューティングの歴史における頂点に到達し、米国にとって大きな成果をもたらすことができました。このたびは、米国エネルギー省、オークリッジ国立研究所、およびAMDとの強固な官民パートナーシップと、これまで培ってきたリーダーシップとイノベーションをさらなる原動力として、「Discovery」および「Lux」の構築に取り組み、科学的発見とAIイノベーションの新たな時代の加速に貢献できることを誇りに思います」

 

「Lux」は、DLC(直接液冷)式のHPE ProLiant Compute XD685を基盤とするAI専用システムで、AMD Instinct MI355X GPU、AMD EPYC™ CPU、AMD Pensando™ネットワークを搭載します。AIリソースへのアクセス強化を目的として設計されており、米国内の研究者に対し、トレーニングおよび推論に特化したクラウド型のAIファクトリーへのアクセスを提供します。

 

「Discovery」は、Frontierが達成した史上初のエクサスケールコンピューティングの能力をさらに高め、研究所のミッションであるイノベーションとセキュリティの推進を強化し、さまざまな科学分野における新たな可能性を切り拓きます。

 

オークリッジ国立研究所リーダーシップ・コンピューティング・ファシリティのサイエンスディレクター ブロンソン・メッサー(Bronson Messer)氏は次のように述べています。

「DiscoveryとLuxによって、オークリッジ国立研究所の研究者が取り組める科学の幅が広がることを大変嬉しく思います。Discoveryは、HPC、AI、量子コンピューティングが融合した新たなレベルの能力を実現し、他のシステムとの連携によるさらなる洞察を提供します。一方、Luxは、研究者がAIワークロードに特化したリソースにアクセスできる環境を大きく拡充します。これら2つのシステムによって、私たちの生産性は飛躍的に向上し、科学研究とリーダーシップのさまざまな重要分野において、これまでにない成果をもたらすと期待しています」

 

AMD会長兼CEO リサ・スー博士(Dr. Lisa Su)は次のように述べています。

「AMDとHPEは10年以上にわたり、ハイパフォーマンスコンピューティングの限界突破に挑み、世界を変える発見を可能にするソリューションを提供してきました。オークリッジ国立研究所とともに、DiscoveryおよびLuxによって次世代のAIシステムを推進し、研究者がイノベーションを加速し、米国の科学技術分野におけるリーダーシップ強化に貢献できるよう支援してまいります」

 

HPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000

 

次世代エクサスケールスーパーコンピュータ「Discovery」について

「Discovery」が促進する科学の進化は、本日発表のHPE Cray Supercomputing GX5000を活用することで実現します。1975年に発表されたCray-1から始まる50年にわたるスーパーコンピューティングのイノベーションを礎に、HPEはAIとHPCが融合する時代のために設計された次世代スーパーコンピューティング基盤を提供します。

 

HPE Cray Supercomputing GX5000は、エクサスケール向けに設計された専用プラットフォームであり、CPU、GPU、アクセラレーター、ネットワーク、ソフトウェア、ストレージ、液冷技術に至るまで、最先端のエンドツーエンド機能を備えています。この新しいアーキテクチャを活用することで、「Discovery」は以下の価値を提供します。HPE Cray Supercomputing GX5000の提供開始は2027年初頭を予定しています。

 

  • 高密度設計による設置面積の削減と高いパフォーマンスの両立:新プラットフォームは、従来モデルと比較してさらなる高密度化2を実現し、ラックあたりのデータセンター専有面積を25%削減しながら、エクサスケール性能を発揮します。

  • HPE Slingshotによる高性能インターコネクト:次世代HPE Slingshotは、「Discovery」に最新の高性能インターコネクトを提供し、HPC、機械学習、アナリティクス用途において、高帯域幅かつ低レイテンシを実現します。

  • 業界初のHPC向けDAOSストレージによる高性能化3新たに追加されたHPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000により、「Discovery」は、Frontierと比較してストレージラックあたりの入出力処理性能(IOPS)が300%向上4し、AIアプリケーションの生産性を大幅に高めます。HPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000は、DAOSを実装した業界初の工場組み込み型オールフラッシュストレージシステムであり、「Discovery」に搭載されるLustreファイルシステムベースのHPE Cray Supercomputing Storage Systems E2000を補完します。

  • 次世代の液冷およびアクセラレーテッドコンピュート:「Discovery」は、次世代AMD EPYCプロセッサ(コードネーム:Venice)とAMD Instinct MI430X GPUを搭載し、モデリング、シミュレーション、AIプロジェクトにおいて高度なパフォーマンスと精度を実現します。HPEが50年5にわたり培ってきた液冷技術のイノベーションを活かし、「Discovery」のコンピュートインフラは完全液冷化され、スーパーコンピューティング環境におけるエネルギー効率とコスト効率の最適化を図ります。

 

スーパーコンピューティングにおける世界的リーダー6として、HPEはAIおよびHPC分野で数多くの事績に基づく卓越した専門知識を蓄積しており、お客様にエンドツーエンドのソリューションとサービスを提供しています。HPEは重要なパートナーとして、組織のインフラストラクチャーとアプリケーションを統合的に管理し、コアビジネスのニーズと継続的なイノベーションに重点を置くことで、お客様の成果最大化に貢献します。

 

注記

1 オークリッジ国立研究所の現スーパーコンピュータFrontierとのアプリケーション性能比較

2 GX5000のラックは900mm幅で、EX4000キャビネットは1,200mm幅

3 DAOSベースのストレージシステムは、グローバルなIO500ストレージベンチマークで第1位と第2位にランクインしており、次点の30システム合計の4倍のベンチマークスコアを記録

4 Frontierに導入されているCray ClusterStor E1000 Storage Systemsは、ストレージラックあたり最大1,800万IOPSを実現。一方、Discoveryに導入されるHPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000は、ストレージラックあたり最大7,500万IOPSを達成

5 Cray-1スーパーコンピュータは1975年に発表

6 Hyperion Research Q4 2023 HPC Market Data Report reflecting CY2023, Supercomputer Segment (May 29, 2024), Hyperion Research

      

HPEについて

HPE (NYSE: HPE)は、AI、クラウド、ネットワーキングの力を結集し、組織が持つ可能性を最大化できるよう支援する、エンタープライズテクノロジーのリーディングカンパニーです。新たな可能性を切り拓く先駆者として、HPEは、イノベーションと高度な知識と経験を通じて、人々の生活そして働き方の向上に貢献しています。HPEは、あらゆる業界のお客様が運用効率を最適化し、データから価値ある示唆を導き出し、その効果を最大化できるよう支援しています。Unlock your boldest ambitions with HPE - HPEはお客様と共に、大きな志の実現に寄与します。詳細は www.hpe.com をご覧ください。

 

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会社概要

URL
https://www.hpe.com/jp/ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都江東区大島2丁目2番1号
電話番号
-
代表者名
望月 弘一
上場
未上場
資本金
10億円
設立
1999年07月