HPE、NVIDIAとともに政府機関・企業のAI導入をセキュアなAIファクトリーで推進

スマートシティ、プライベートAI、データパイプライン向けの新ソリューションで、AIの重要課題であるソブリン性、一貫性に欠ける戦略、分散したデータ、セキュリティなどに対応

HPE

HPEは2025年10月28日、NVIDIA GTC Washington, D.C. イベントにおいて、政府機関、規制が厳しい業界、企業におけるAIの容易な導入と拡張を可能にするよう設計されたNVIDIA AI Computing by HPEポートフォリオの拡充を発表しました。最新のNVIDIA AIインフラストラクチャとソフトウェアを搭載した刷新されたサーバープラットフォームで構成されるターンキー型のAIファクトリーソリューションにより、統合されたデータ戦略に基づくセキュアでプライベートなAI基盤を、より迅速かつ効率的に実現できるよう支援します。

 

AIの導入は様々な業界で急速に進んでいます。その動向についてHPEが実施した調査では、AI導入の目標や戦略が断片化しているとの回答が約60%にのぼり、約60%がデータ管理に改善の余地がある状況にある1ことを明らかにしています。HPEとNVIDIAは、このような課題の解消に向けて組織が全体を見渡したAIインフラ戦略を展開できるよう、開発者からソブリンAIクラウド構築者までを対象とした包括的なHPEのAIファクトリーソリューション群を提供しています

 

HPEのハイブリッドクラウド担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CTOであるフィデルマ・ルッソ(Fidelma Russo)は次のように述べています。

「AIの導入を加速するには、導入の複雑さや機密データが散在していることに起因する課題をテクノロジーが直接解決する必要があります。NVIDIAとともに、フルスタックのプライベートAIファクトリーという新しいアプローチによって、運用の簡素化を実現し、企業や政府機関がコンプライアンスを順守しながら、迅速にスケールできるよう支援します」

 

NVIDIAのエンタープライズソフトウェア担当バイスプレジデントであるジャスティン・ボイタノ(Justin Boitano)氏は次のように述べています。

「AIファクトリーはインテリジェンス時代の新しいインフラであり、知識のトークン(要素)を大規模に生成する役割を担います。NVIDIAとHPEは、Blackwellアーキテクチャ、ネットワーキングソフトウェア、AIデータプラットフォームのリファレンスデザインを統合したフルスタックシステムを構築し、エージェント型AIや自動化を推進し、あらゆる業界のデジタルトランスフォーメーション加速に寄与します」

 

企業および政府機関のためのセキュアでスケーラブルなAIファクトリー

NVIDIA AI computing by HPEポートフォリオの一員としてNVIDIAと共同開発したHPE Private Cloud AIの第二世代は、小型のフォームファクターのターンキー型システムで、あらゆる規模の企業がAI導入によるメリットを迅速に享受できるよう、以下の機能などを提供します。

 

  • 業界をリードするAIパフォーマンス:HPE Private Cloud AIは、新しいHPE ProLiant Compute DL380a Gen12サーバーにNVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUを搭載し、エンタープライズAIワークロードにおいて3倍価格性能比2を実現します。さらに、HPE ProLiant Compute DL380a Gen12サーバーは、MLPerf™ Inference v5.1ベンチマークで7つのトップランキングを獲得し、RTX PRO 60003を用いた記録的な性能を達成しています。

  • 政府機関向けAIファクトリー:HPE Private Cloud AIおよびHPEの政府機関向けAIファクトリーは、新しいNVIDIA AI Factory for Governmentをサポートします。本ソリューションは、フルスタックのエンドツーエンド参照設計であり、高信頼性の維持・強化が必要な組織向けに設計されており、オンプレミスおよびハイブリッドクラウド環境における複数のAIワークロードの導入と管理に関するガイダンスを提供します。

  • ソブリン組織向けのセキュアAI:新しいエアギャップ管理機能により、ネットワークから隔離したクラウド環境を実現し、政府機関、主権の保持に関わる重要機関(ソブリン組織)、規制が厳しい業界で求められるセキュアでコンプライアンス要件を満たす環境を実現します。

  • 再定義された顧客体験の実現:HPEのサービス提供を担うHPE Servicesが、HPE Private Cloud AIおよびNVIDIA NeMoを活用し、スマートシティや小売、製造、ヘルスケア、銀行・金融、教育などの業界におけるお客様との対話とビジネスサポートを革新するデジタルアバターアシスタントを提供する新しいサービスの提供を開始します。

  • AIがもたらす成果を加速:HPE Private Cloud Developer Editionには、システム導入加速サービスが新たに加わり、データサイエンスチーム向けに、サンプルの事前構築済みパイプラインやナレッジトランスファー(知識共有)セッションを含む包括的なインストール後の機能テストを提供します。

 

HPEはTown of Vail(米国コロラド州、タウン・オブ・ベイル)をモデルケースとする、HPE Agentic Smart City Solutionを発表しました。AIを活用した統合ソリューションは、セキュアで統合された、スケーラブルなエージェント型AIシステムを活用し、都市におけるスマートインフラ構築の個別パイロットプロジェクトを都市全体のスマートインフラへの展開に拡張することを支援します。SHI International Corp社、NVIDIA、およびHPE Unleash AI認定パートナーが協力し、HPE Private Cloud AIを活用して、アクセシビリティコンプライアンス、許認可、山火事の迅速な検知に取り組んでいます。

 

エージェント型AIのデータ、パイプライン、ガバナンス

HPEは、統合データレイヤーにデータガバナンスを実現する新しい機能を発表しました。エージェント型AIおよびエアギャップ環境での非構造化データストレージがデータガバナンスを実現します。HPEの統合データレイヤーは、HPE Data Fabric Softwareによるグローバルネームスペースと、HPE Alletra Storage MP X10000によるデータインテリジェンスを組み合わせることで、AIデータライフサイクルを加速します。NVIDIA AI Data Platformは、NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティング、ネットワーキング、AIソフトウェアで構成されており、HPEの統合データレイヤーはNVIDIA AI Data Platformを通じてデプロイすることで、AI対応データをアプリケーション、モデル、そしてエージェントにインテリジェントに供給できます。

 

  • AIのためのセキュア設計(セキュア・バイ・デザイン)データストレージ:X10000は、エアギャップ環境での管理が可能になり、外部ネットワークへのアクセスを制限する必要がある環境においても、クラウドのような管理操作性を提供します。

  • GPUアクセラレーテッドアクセス:X10000は、新しいNVIDIA S3oRDMAソリューションをサポートし、GPUメモリ、システムメモリ、そしてX10000間でのリモートダイレクトメモリアクセス(RDMA)転送により、最大で2倍の性能を実現します。

  • エージェント型ガバナンス:組織によるデータの安全な管理と統合をよりシンプルにするため、HPE Data Fabric Softwareがエージェント型AIによるガバナンス機能を提供します。HPE Data Fabric Softwareは、MCP(Model Context Protocol)を活用し、モデルとデータ間のセキュアなやり取り、一貫したコンプライアンスの適用、そしてインサイト取得までの時間短縮を実現します。グローバルネームスペースは、構造化、半構造化、非構造化データを統合し、AIパイプラインに向けて「ボーダーレスなデータ」を提供します。

 

あらゆる規模のAIに対応する包括的なインフラストラクチャNVIDIA AI Computing by HPE

本格的なAI導入の課題に対応するため、HPEはNVIDIA AI Computing by HPEポートフォリオに新しいソリューションを追加し、開発者、企業、そして主権の保持に関わるソブリン組織によるAI導入の加速を支援します。

 

  • HPE ProLiant Compute XD685:8基のNVIDIA Blackwell Ultra(B300 GPU)を5Uの直接液冷HGXシャーシに搭載できます。HPE Integrated Lights Out(iLO)が組み込みのセキュリティを提供し、HPE Performance Cluster Managerが統合クラスタ管理を実現します。XD685は、AIサービスプロバイダーやネオクラウドに加え、大規模でセキュアかつ検証済みのAIクラスタを構築する必要がある先進的な企業やモデル開発者向けに最適化されています。

  • NVIDIA GB300 NVL72 by HPE:1兆パラメータを超えるAIモデル向けに最適化された画期的なパフォーマンスを提供します。現在注文を受け付けており、2025年12月に出荷予定です。

  • HPE ProLiant Compute DL380 Gen12 Server Premier Solution for Azure Local: Azureサービスを企業があらゆる場所で実行し、AIイノベーションを加速できるようにする、セキュアなハイブリッドクラウドインフラストラクチャを提供します。この新しいソリューションは、選択されたAzureサービスとAI機能をデータセンターに直接もたらし、AI、グラフィックス、VDIワークロード向けにNVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUをサポートします。

  • HPEは、AIとグラフィックスの性能強化に向けて、8機種のHPE ProLiantプラットフォームに、強力なRTX PRO 6000 Blackwell Server EditionやコンパクトなNVIDIA RTX A1000 GPUを含む幅広いNVIDIAアクセラレーテッドコンピューティングインフラを搭載して提供します。これらのオプションにより、研究、教育、ヘルスケア、金融、メディア、製造、小売などの業種のお客様に、高負荷のワークロード処理に拡張性にすぐれた高性能なインフラを提供します。

 

HPE ProLiantおよびHPE Crayサーバーは、NVIDIA Rubin CPXやNVIDIA Vera Rubin CPXプラットフォームを含む最新のNVIDIA製品をタイムリーに提供します。今後のHPEサーバーモデルでは、NVIDIA ConnectX-9 SuperNICおよびNVIDIA BlueField-4をサポート予定です。NVIDIA BlueField-4はギガスケールAIファクトリー向けのDPUであり、800Gb/sのスループットを実現し、マルチテナントネットワーキング、AIランタイムセキュリティ、迅速なデータアクセス、高性能な推論処理を備えています。

 

提供時期

  • 小型フォームファクターの第2世代HPE Private Cloud AIを提供開始しました。追加サイズは近日中に提供予定です。

  • エアギャップ管理とエージェント型AIガバナンスを搭載したHPE Data Fabric Softwareは10月31日に提供を開始しました。

  • 直接液冷方式のNVIDIA Blackwell Ultra GPUを備えたHPE ProLiant Compute XD685は2026年1月に提供開始予定です。

  • NVIDIA GB300 NVL72 by HPEは注文を承っており、2025年12月に出荷予定です。

  • HPE ProLiant Compute DL380 Gen12 Server Premier Solutions for Azure Localは2026年3月に提供開始予定です。

  • HPE ProLiant ComputeプラットフォームでNVIDIA GPUサポートを拡充:

  • NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition を搭載したDL380 Gen12は12月に提供開始予定です。

  • NVIDIA RTX A1000 8GB PCIeを搭載したDL20 Gen11、ML30 Gen11、DL380 Gen12、ML350 Gen12を現在提供しています。

  • NVIDIA L4を搭載したDL325 Gen12およびDL345 Gen12を現在提供しています。

  • NVIDIA L40Sを搭載したDL345 Gen12およびML350 Gen12を現在提供しています。

 

注記

1 HPEがSapio Researchに委託して実施したアンケート調査に基づきます。対象は、カナダ、フランス、ドイツ、インド、アイルランド、日本、オランダ、英国、米国のITに関するリーダー職にある様々な役職の方です。文中の数字60%は、2025 Architecting an AI AdvantageレポートのP7およびP11を引用しています。

2 価格性能比3倍:この性能向上は、単一のNVIDIA RTX PRO 6000 GPUでNVFP4を実行した場合と、NVIDIA H100 GPUでFP8を実行した場合の比較結果です。Blackwell を搭載した NVIDIA RTX PRO サーバー、世界有数のエンタープライズ システムに登場。

3 DAOSベースのストレージシステムは、グローバルなIO500ストレージベンチマークで第1位と第2位にランクインしており、次点の30システム合計の4倍のベンチマークスコアを記録

https://community.hpe.com/t5/ai-unlocked/hpe-delivers-several-world-records-in-latest-mlperf-inference/ba-p/7255374?profile.language=en

                        

HPEについて

HPE (NYSE: HPE)は、AI、クラウド、ネットワーキングの力を結集し、組織が持つ可能性を最大化できるよう支援する、エンタープライズテクノロジーのリーディングカンパニーです。新たな可能性を切り拓く先駆者として、HPEは、イノベーションと高度な知識と経験を通じて、人々の生活そして働き方の向上に貢献しています。HPEは、あらゆる業界のお客様が運用効率を最適化し、データから価値ある示唆を導き出し、その効果を最大化できるよう支援しています。Unlock your boldest ambitions with HPE - HPEはお客様と共に、大きな志の実現に寄与します。詳細は www.hpe.com をご覧ください。

 

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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都江東区大島2丁目2番1号
電話番号
-
代表者名
望月 弘一
上場
未上場
資本金
10億円
設立
1999年07月