「丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法」が2025年度グッドデザイン・ベスト100を受賞
飛島建設株式会社(社長:築地 功 本社:東京都港区)、住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)、ミサワホーム株式会社(社長:作尾 徹也 本社:東京都新宿区)の3社で開発した丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法が「2025年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞し、「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。グッドデザイン・ベスト100はその年のすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、審美性、提案性、可能性などにおいて総合的に優れているとして高い評価を受けた100件です。
本工法は木の炭素固定機能に注目した「地中に森をつくる」工法です。丸太で軟弱地盤の建物を補強し、地中に炭素を貯蔵します。気候変動対策と森林資源の循環利用を同時に実現しています。3社はこの工法を戸建て住宅や集合住宅、非住宅建築物へ幅広く展開し、脱炭素社会の実現に貢献します。


■丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法※
本工法は軟弱地盤に丸太を圧入し地盤と丸太の双方で構造物を支える工法です(LP-SoC工法)。丸太は頭部を地下水位より深く設置し、腐朽や蟻害による生物劣化を防ぎます。圧入した丸太頭部を特殊な粘土で覆い地下水位の増減による影響を回避し、丸太頭部から基礎までを充填材(砕石)で締固め埋め戻します。

https://sfc.jp/information/news/pdf/2020-02-20-02.pdf
■背景と経緯
日本では古くから建物の支持材として木杭が使われてきました。解体工事で改修された木の杭の多くが腐食しておらず、地中で長期間にわたり炭素を貯蔵しながら地盤改良効果を維持していることがわかっています。
使用する木材はほとんど加工が不要で、間伐材などの小径木を長期的に有効活用できます。本工法を推進して国産材の計画的な伐採と再造林を促すことで、森林資源の循環利用が可能となります。これらの利点を踏まえ、2014年から3社で地盤改良工法の開発に取り組み、2020年に工法の評定を日本建築センターで取得しました。

■グッドデザイン賞
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承し、約60年以上にわたり「よいデザイン」を顕彰し続けています。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。(参照:http://www.g-mark.org/)

11月1日(土)~5日(水)に東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「2025年度グッドデザイン賞」の全受賞作を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION2025」に展示されます。
■今後の方針
飛島グループは「循環型社会」の実現を見据え、炭素固定効果による環境負荷の低減、地域の森林資源を活用した地方創生、CLT(直交集成板)など革新技術による中層木造建築の推進、および付加価値の高い木製建材の提供など、木質領域への対応を強化しています。今後も「2050年カーボンニュートラル」の社会実現に向けて、グループ全体で技術革新・地域連携・資源循環の視点を融合させた取り組みを継続的に推進していきます。
住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し社会全体の脱炭素に貢献することを目指しています。今後もZEH、ZEB、LCCM住宅、ネットゼロカーボンビルを推進し、建てる時と暮らす時の両面でのCO2排出量削減で脱炭素化を加速させます。
ミサワホームは、これまで培ってきた木質パネル工法による高断熱・高耐久な住まいづくりを通じて、環境負荷の低減と快適な暮らしの両立を目指しています。今回の工法は、国産材の有効活用や森林資源の循環利用を促進するだけでなく、建築の基礎部分においても木の価値を最大限に生かす取り組みです。加えて、非住宅などの幅広い分野へも展開を進めることで、事業活動全体を通じてカーボンニュートラルの実現に寄与していく計画です。ミサワホームは、これからも持続可能な社会の実現に向けて、環境に配慮した技術開発と普及に積極的に取り組んでまいります。
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