【慶應義塾】セフトリアキソンとランソプラゾールの併用により心室性不整脈および心停止リスクが上昇する可能性を明らかに
-薬剤の併用による重篤な有害事象回避に貢献-
慶應義塾大学薬学部の三星知共同研究員、今井俊吾専任講師らの研究グループは、注射用抗菌薬のセフトリアキソンと、胃酸分泌抑制薬のランソプラゾールの併用により、両薬剤の併用期間中における心室性不整脈および心停止リスクが上昇する可能性を明らかにしました。
セフトリアキソンは成人や小児における様々な感染症で第一選択として使用される注射用抗菌薬であり、ランソプラゾールは胃潰瘍などの消化器系疾患や鎮痛薬による副作用予防などに汎用されます。これらはその使用頻度の高さから意図せずに併用されるケースがありますが、この両薬剤の血清中濃度が一定以上を超えた場合に、心室性不整脈や心停止などのリスクが上昇することが想定され、非常に重篤な状態となる恐れがあります。
セフトリアキソンは成人や小児における様々な感染症で第一選択として使用される注射用抗菌薬であり、ランソプラゾールは胃潰瘍などの消化器系疾患や鎮痛薬による副作用予防などに汎用されます。これらはその使用頻度の高さから意図せずに併用されるケースがありますが、この両薬剤の血清中濃度が一定以上を超えた場合に、心室性不整脈や心停止などのリスクが上昇することが想定され、非常に重篤な状態となる恐れがあります。
本研究では株式会社JMDC(東京)が構築した日本の医療機関データベースを用いて、約10万人のセフトリアキソン、ならびに対照群に設定したスルバクタム/アンピシリンの使用例を調査し、内服または注射のランソプラゾールとセフトリアキソンが併用された患者において、その投与期間中の心室性不整脈および心停止リスクが高くなることを明らかにしました。一方で、対照群のスルバクタム/アンピシリンや、ランソプラゾール以外のプロトンポンプ阻害薬(胃酸分泌抑制薬)ではほとんどの組み合わせで心室性不整脈および心停止リスクの増加は観察されませんでした。本研究によりこれまで疑われてきたセフトリアキソンとランソプラゾールの相互作用の懸念がさらに高まったと考えられ、これらの併用を回避するための前向き研究の実施の必要性が示されました。
本研究成果は2024年6月17日に国際学術誌『Journal of Infection』(電子版)に掲載されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/7/1/240701-1.pdf
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