新兵衛の樂 吉左衞門の萩-二人の十五代-
東京藝術大学で同級生であった両氏がそれぞれ作陶の場を代え、挑戦した作品を展開いたします
会場:日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊・アートスクエア
今回ご紹介する樂氏と坂倉氏は、ともに我が国を代表する陶家を受け継ぐ十五代目同士です。二人がそれぞれ受け継いだ、樂焼・萩焼は茶人好みの器を作る長い歴史を持ち、「一樂二萩三唐津」とうたわれ、千利休が大成した茶の湯とともに歩んでまいりました。二人はその伝統を切磋琢磨して受け継ぎながらも、新たな技術に積極的に挑戦し、刺激をうけることでお家芸により磨きをかけています。
このたび、日本橋三越本店では、東京藝術大学で同級生であった両氏が、伝統を重んじながらもあたらしい価値の創出に挑戦すべく、初めてそれぞれ作陶の場を替え、坂倉氏が樂焼の伝統技法である手捏(てづく)ねに、樂氏が萩焼の技法である轆轤(ろくろ)に取り組んだ茶碗約80点を一堂に展観します。本展は、この画期的な取り組みにより生み出された逸品を、初めてお買い求めいただける大変貴重な機会となります。
樂 吉左衞門(らく きちざえもん)
1949年 京都府に生まれる。
1973年 東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業。
1981年 十五代樂吉左衞門を襲名。
2000年 フランス芸術・文化勲章シュヴァリエを受章。
坂倉 新兵衛(さかくら しんべい)
1974年 東京藝術大学大学院陶芸専攻修了。
1978年 十五代坂倉新兵衛を襲名。
2012年 日本工芸会理事就任、日本工芸会山口支部幹事長。
2013年 県指定無形文化財 認定
<樂焼について>
桃山時代に「侘び茶」を茶の湯に吹き込んだ千利休が、自分のめざす理想の茶碗を、京の瓦職人、樂家初代長次郎に作らせたのが、樂焼のはじまり。国内の多くの焼物が轆轤(ろくろ)を使って制作されるのに対し、樂焼は、手とヘラだけで成形する手捏ね(てづくね)で制作され、小規模な窯で焼成します。千利休の没後も、茶人、特に利休の子孫である3千家の家元好みの茶碗を現在にいたるまで作り続けています。
<萩焼について>
豊臣秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役)で、毛利輝元が現地の陶工、李勺光・李敬兄弟を日本に招致したことが始まり。当時は各大名が競って腕のよい陶工を自国に招致。彼らに開かせた窯は、そのほとんどが藩の御用窯に。坂倉家もその例外にもれず、明治になるまで長州藩の御用窯でした。その作品は幕府への献上品など、藩からの贈答品として使われました。坂倉家は、茶碗はもちろん、水指など茶道具のほか花器なども制作。開窯当初からの通り登り窯を使って焼成します。
【ギャラリートーク】
樂氏と坂倉氏に制作にまつわるエピソードなどを伺います。
1月23日(土)午後2時より (入場無料・事前予約不要)
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