ノバルティス、主要成長ブランドの力強い勢いを継続するとともに戦略的取り組みを前進、グループの2022年通期業績予想を確認

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2022年7月19日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
■第2四半期の売上高は、実質ベース[1]    5%増(米ドルベース 1%減) 
  • イノベーティブ メディスン(IM)の売上高は、実質ベース 5%増(米ドルベース 1%減);エンレスト(実質ベース 33%増)、ケシンプタ(実質ベース 270%増)、コセンティクス(実質ベース 12%増)、Kisqali(実質ベース 43%増)、ゾルゲンスマ(実質ベース 26%増)を含む主要成長ブランドが好調
  • サンドの売上高は、実質ベース 5%増(米ドルベース 3%減)となり、平常な事業活動へ戻りつつあることから、すべての事業フランチャイズが増収を達成

■第2四半期のコア[1]営業利益は、実質ベース5%増(米ドルベース 2%減)となり、主に売上高の伸びが寄与

■第2四半期の営業利益は、実質ベース 30%減(米ドルベース 36%減)となり、主に前年同期の売却益、減損費用および事業再編費の増加の影響を受ける
  • 純利益は、実質ベース 34%減(米ドルベース 41%減)となり、ロシュ社からの収益の影響を除くと29%減(実質ベース)[2]
  • フリーキャッシュフローは、33億米ドル(米ドルベース 22%減)

 ■第2四半期のコアEPSは、実質ベース 1%増(米ドルベース 6%減)の1.56米ドル;ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、10%増(実質ベース)

■2022年上半期の売上高は実質ベース 5%増(米ドルベース 0%)、コア営業利益は実質ベース 7%増(米ドルベース 1%増)となり、力強い業績を達成
  • イノベーティブ メディスンの売上高は実質ベース 5%増(米ドルベース 0%)、コア営業利益は実質ベース 6%増(米ドルベース 1%減)
  • サンドの売上高は実質ベース 6%増(米ドルベース 1%減)、コア営業利益は実質ベース 10%増(米ドルベース 5%増)

■発表済みの最大で150億米ドルの自己株式購入を継続;94億米ドル分が未実施

■5つの疾患領域に注力した新たな組織モデルへの転換を進める;現在の試算で2024年までに販売費および一般管理費を約15億米ドル削減できる見込み

■第2四半期のイノベーションにおける主なマイルストーン:
  • コセンティクスの、小児関節炎の諸症状への適応がEUで承認される
  • キムリアの、再発または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者への適応が米国およびEUで承認される
  • セムブリックスが、フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)慢性骨髄性白血病の成人患者のための治療薬として、欧州医薬品委員会(CHMP)の承認勧告を受ける

■ノバルティス グループの2022年通期業績予想を確認。サンドの通期業績予想を上方修正(売上高は一桁台前半の成長率、コア営業利益は前年比ほぼ横ばい)


2022719日、スイス・バーゼル発 ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2022年第2四半期の業績について、次のようにコメントしています。「ノバルティスは、堅調な第2四半期の業績を達成しました。潜在的に数十億米ドル以上の売上高が期待される上市済みの6つの成長製品(コセンティクス、エンレスト、ゾルゲンスマ、Kisqali、ケシンプタ、Leqvio)は、いずれも少なくとも二桁の成長を示しました。2026年までに主要な20以上のプロジェクトの承認が見込まれ、開発中期段階のパイプラインが引き続き計画通りに進行しています。サンドは、通期業績予想の上方修正が可能となり、戦略的な見直しが進んでいます。合理化された組織モデルへの転換が順調に進んでおり、現在の試算では約15億米ドルの費用節減を見込んでいます。私たちは、2022年通期のグループの業績予想ならびに一貫した成長と利益率改善の達成への自信を再確認しました」

主要数値[1]

第2四半期(4~6月)

上半期(1~6月)

[1]実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の47ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載される場合を除き、すべて前年同期に対するものです。[2]ロシュ社を除いた2022年第2四半期ならびに2022年上半期の主要数値の表は要約版業績報告書(英文オリジナル版)の9ページに、2021年に実施されたロシュ社株式の売却による影響を除いた調整後の2021年のIFRSベースの業績、ならびにIFRSに準拠しないコアベースの業績およびフリーキャッシュフローは55ページに記載されています。[3] 業績予想の前提条件に関するガイダンスの詳細は、7ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧下さい。


戦略アップデート
ノバルティスは、5つのコア疾患領域(血液腫瘍、固形腫瘍、イムノロジー、中枢神経、循環器)の充実、技術プラットフォーム(遺伝子治療、細胞療法、放射線リガンド療法、標的タンパク質分解、xRNA)の強化、バランスの取れた地理的基盤の整備を続ける医薬品事業に特化した企業です。ノバルティスの短中期的な売上高の拡大は、数十億ドル以上の売上高を示す主要成長ブランド(コセンティクス、エンレスト、ケシンプタ、ゾルゲンスマ、KisqaliLeqvio)によって牽引されています。2030年までの、そして、さらにその先の成長を促進するものとして、ノバルティスには、潜在的に大きな売上高が期待され、2026年までの承認が見込まれる20以上の新製品が控えています。

ノバルティスは、資本配分における規律と株主中心を維持し、既存事業ならびに価値創造型の新規事業への投資と、増配および自己株式購入を通じた株主への資本還元のバランスを取っていきます。先日発表した最大で150億米ドルの自己株式購入を進めており、そのうち94億米ドル分が未実施となっています。

4月、ノバルティスは、イノベーション、成長、生産性向上を支えるための合理化された組織モデルを発表し、順調に転換が進んでいます。今回の組織変更に伴い、ノバルティスは、現時点で2024年までに約15億米ドルの販売費および一般管理費の削減が実現できると見込んでいます。削減した費用は、イノベーティブ メディスンのコア売上高営業利益率を中長期的に40%台前半に引き上げるとともに、パイプラインへの投資に貢献する見込みです。

サンドの戦略的見直しが進んでおり、ノバルティスは、遅くとも2022年末までに本件に関する進捗をお知らせする予定です。

ノバルティスは、社会との信頼構築において引き続き大きく前進し、医薬品の研究・開発・供給の取り組みにおいて常にアクセス戦略を取り入れました。私たちは、2040年までのバリューチェーン全体における二酸化炭素排出量差し引きゼロの達成をコミットしています。当四半期に、ノバルティスのMSCI EGS評価が“AA”に向上し、医薬品業界のトップ4分の1内に位置付けられました。私たちは、長期的な業績向上と競争力強化に向け、インスピレーションと好奇心に富み、非管理的な組織を目指す取り組みを続けています。

財務業績

2022年第2四半期(46月)
2022年第2四半期の売上高は、販売量の12ポイントの伸びが、価格低下による4ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による3ポイントのマイナス影響により一部相殺され、128億米ドル(1%減、実質ベース 5%増)となりました。

営業利益は、製品売却益の減少(4億米ドル)、減損費用の増加(4億米ドル)、主に新たな組織モデルの導入に伴う事業再編費の拡大(3億米ドル)が主な要因となり、22億米ドル(36%減、実質ベース 30%減)となりました。

純利益は、主に営業利益の減少により17億米ドル(41%減、実質ベース 34%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いた純利益は、29%の減少(実質ベース)を示しました。1株当たり純利益(EPS)は、0.77米ドル(40%減、実質ベース 33%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いたEPSは、27%減少(実質ベース)しました。

コア営業利益は、売上高の増加によるプラス要因が、研究開発費および販売費の拡大ならびに粗利益率の低下により一部相殺されたことが主な要因となり、43億米ドル(2%減、実質ベース 5%増)となりました。コア売上高営業利益率は、0.1ポイント減少(実質ベース 0.1ポイント増)し、33.4%となりました。

コア純利益は、ロシュ社からのコア収益がなくなったことによる影響がコア営業利益の増加を上回り、34億米ドル(8%減、実質ベース 1%減)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコア純利益は、8%の伸び(実質ベース)を示しました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.56米ドル(6%減、実質ベース 1%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、10%拡大(実質ベース)しました。

フリーキャッシュフローは、売却益の減少ならびに運転資本の減少が主な要因となり、前年同期の42億米ドルから33億米ドル(米ドルベース 22%減)に減少しました。

イノベーティブ メディスンの売上高は、販売量が13ポイント拡大し、105億米ドル(1%減、実質ベース 5%増)となりました。売上高の伸びは、主にエンレスト、ケシンプタ、コセンティクス、Kisqali、ゾルゲンスマの継続した好業績に牽引されました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、アフィニトール、ジレニア(米国以外)、グリベック、エクジェイド、サンドスタチンを中心に4ポイントに上りました。価格によるマイナス影響は、4ポイントでした。米国の売上高は39億米ドル(6%増)、その他の地域での売上高は65億米ドル(5%減、実質ベース 5%増)となりました。

サンドの売上高は、平常な事業活動に戻りつつあることから、すべての事業フランチャイズの増収が寄与し、23億米ドル(3%減、実質ベース 5%増)となりました。販売量による11ポイントの貢献があったものの、価格によるマイナス影響は6ポイントとなりました。欧州の売上高が4%の伸び(実質ベース)を示す一方、米国の売上高は1%減少しました。バイオ医薬品の全世界での売上高は、528百万米ドル(1%増、実質ベース 11%増)に拡大しました。

2022年上半期(16月)
2022年上半期の売上高は、販売量の12ポイントの伸びと、価格低下による4ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による3ポイントのマイナス影響があり、253億米ドル(0%、実質ベース 5%増)となりました。

営業利益は、製品売却益の減少(4億米ドル)、金融資産の評価替えによるマイナス影響(2億米ドル)、主に新たな事業モデル導入に伴う事業再編費の拡大(2億米ドル)が主な要因となり、51億米ドル(14%減、実質ベース 7%減)となりました。

純利益は、主に営業利益の減少により39億米ドル(21%減、実質ベース 14%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いた純利益は、4%の低下(実質ベース)を示しました。1株当たり純利益(EPS)は、1.77米ドル(20%減、実質ベース 12%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いたEPSは、3%減少(実質ベース)しました。

コア営業利益は、売上高の増加によるプラス要因が、研究開発費および販売費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、84億米ドル(1%増、実質ベース 7%増)となりました。コア売上高営業利益率は、0.3ポイント上昇(実質ベース 0.6ポイント増)し、33.0%となりました。

コア純利益は、コア営業利益の増加がロシュ社からのコア収益がなくなったことにより相殺され、67億米ドル(6%減、実質ベース 0%)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコア純利益は、9%の伸び(実質ベース)を示しました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、3.02米ドル(5%減、実質ベース 2%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、11%拡大(実質ベース)しました。

フリーキャッシュフローは、売却益の減少ならびに運転資本の減少、ロシュ社からの年間配当金(前年同期:5億米ドル)がなくなったことによるマイナス影響がヘッジ取引のプラス効果により一部相殺されたことが主な要因となり、前年同期の58億米ドルから42億米ドル(米ドルベース 28%減)に減少しました。

イノベーティブ メディスンの売上高は、販売量が12ポイント拡大し、206億米ドル(0%、実質ベース 5%増)となりました。売上高の伸びは、主にエンレスト、ケシンプタ、コセンティクス、Kisqali、ゾルゲンスマの継続した好業績に牽引されました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、アフィニトール、グリベック、エクジェイド、ジレニア(米国以外)、エックスフォージを中心に3ポイントに上りました。価格によるマイナス影響は、4ポイントでした。米国の売上高は76億米ドル(4%増)、その他の地域での売上高は131億米ドル(3%減、実質ベース 5%増)となりました。

サンドの売上高は、特に風邪・咳の流行が少なかったことにより業績が低迷した前年同期との比較によるプラス効果と、事業活動が引き続き平常に戻りつつあることが追い風となり、47億米ドル(1%減、実質ベース 6%増)となりました。販売量による貢献は13ポイントあり、価格によるマイナス影響は7ポイントでした。欧州の売上高が7%増加(実質ベース)する一方、米国の売上高は2%減少しました。バイオ医薬品の全世界での売上高は、10億米ドル(1%増、実質ベース 9%増)に拡大しました。

2022年第2四半期の成長の主な原動力
第2四半期の業績は、以下を含む成長の主な原動力への継続的なフォーカスに下支えされました。(第2四半期の売上高の伸びに対する実質ベースでの貢献順):

 

* 米国、カナダ、西欧諸国、日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く全市場


イノベーティブ メディスン 売上高上位20製品(2022年第2四半期)

 


研究開発関連のアップデート2半期の主な進捗

新規承認

承認審査関連の最新情報

進行中の臨床試験の結果およびその他のハイライト

 

 


資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことは、今後も引き続き優先されます。

2022年上半期、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、2021年12月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入の一環として、合計6,170万株の自己株式を54億米ドルで買い戻しました。さらに、120万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2022年上半期に、社員持ち株制度関連のオプション権行使ならびに株式受け渡しにより、1,080万株(株式価値5億米ドル)が受け渡されました。ノバルティスは、社員持ち株制度による希釈化影響を、今年の残りの期間に相殺したいと考えています。この結果、発行済み株式総数は、2021年12月31日時点と比べて5,210万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が50億米ドル減少するとともに、現金支出(純額)は52億米ドルとなりました。

2022年6月30日現在の純負債額は、2021年12月31日時点の9億米ドルから95億米ドルに増加しました。純負債額の増加の主な要因は、75億米ドルの年間配当金の支払いと52億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)が、2022年上半期のフリーキャッシュフロー42億米ドルによって一部相殺されたことです。

2022年第2四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ投資家サービスがA1、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。


2022年通期業績予想
不測の出来事を除く;実質ベースの前年比成長率


この業績予想は、処方のダイナミクスを含めた全世界の医療システムが平常に戻る傾向が続くこと、さらに、米国においてサンドスタチンLARのジェネリック医薬品が市場に参入しないことを前提としています。

2022年6月、控訴審により米国におけるジレニアの用法に関する特許が無効であるとの判決が出されました。ノバルティスは、ジレニアの用法に関する特許の正当性を支持するためのさらなる検討を行うよう控訴審に申し立てを行う予定です。現在、米国においてジェネリックの競合品は存在していません。2022年第2四半期のジレニアの米国での売上高は332百万米ドルであり、米国での売上高は競合からの圧力により一貫して減少を続けています。

外国為替の影響
2022年7月中旬の為替レートが2022年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2022年通期での為替の影響は、売上高に対しマイナス6~7ポイント、コア営業利益に対しマイナス7~8ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。

免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は140カ国以上におよびます。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.com
以上

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医薬・製薬
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会社概要

URL
https://www.novartis.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー
電話番号
03-6899-8000
代表者名
ジョンポール・プリシーノ
上場
未上場
資本金
60億円
設立
1997年04月