Kindleストア、塩野七生著『ローマ人の物語』 日・英版を全世界で独占先行販売開始
Amazon.co.jpは、Kindleストアにて4月25日(金)より新潮社『ローマ人の物語』Kindle版の独占先行販売を開始いたします。
『ローマ人の物語』はローマ帝国一千年の興亡を描く大長編で、現在シリーズ累計1,100万部を超えるベストセラーです。今回、初めて電子書籍化されたKindle版は日本語版と英語版が同時発売となります。英語版はAmazon.co.jpのみならず、amazon.com、amazon.it、amazon.co.uk、amazon.de、amazon.fr、amazon.es、amazon.com.br、 amazon.ca、amazon.com.mx、amazon.in、amazon.com.auのKindleストアで販売され、世界中の方々が英語版をお読みいただけるようになります。
塩野氏は1968年に執筆活動を開始し、『ルネサンスの女たち』を『中央公論』誌に発表。1992年より取り組んだ『ローマ人の物語』では、ローマ史を誕生から滅亡まで欧米人以外の一人の作家が手掛けるという偉業を成し遂げ、2002年イタリア政府より国家功労勲章を受章、2007年には文化功労者にも選ばれました。今回の電子版刊行にあたって以下のコメントをいただいております。
Kindleストアでは4月25日(金)より新潮社『ローマ人の物語』の第1巻『ローマは一日にして成らず』(英語版『Rome Was not Built in a Day』)の販売を開始し、同時に第2巻『ハンニバル戦記』(英語版『Rome’s Wars with Hannibal』)の予約販売を開始いたしました。『ローマ人の物語』は全15巻で完結の予定で、第3巻以降も順次販売開始いたします。予約注文されたコンテンツは、発売日になると自動的にお客様指定の端末にダウンロードされ、クラウド上のライブラリでもアクセスが可能となります。
なお、Kindleストアでダウンロードされたコンテンツは、電子書籍リーダー、Kindle Paperwhiteやタブレット、Kindle Fireシリーズのほか、iPad、iPhone、iPod Touch、Android携帯・端末向け無料Kindleアプリでもお楽しみいただけます。
塩野七生氏の特集ページはこちら
http://www.amazon.co.jp/kindle-romajin
<塩野氏のコメント>
◆電子版刊行にあたって
印刷用の紙を八つ折りにしたことから「オッターヴォ」と呼ばれた文庫版を最初に考え出したのは、五百年昔のヴェネツィアに生きたアルド・マヌッツィオでした。長い中世を通して書籍と言えば、人間がいちいち筆写した大型で重い本しかなかったのが一変し、小型本が普及するようになるのは、グーテンベルグによる印刷術の発明をいち早く企業化した、このヴェネツィアの出版業者によるのです。現代でもなおポケットに入る大きさという意味で「タスカーヴィレ」と呼ばれている文庫版は、このときから始まりました。
なぜアルド社は文庫本を出版したのか。
それは社主であるアルドが、大学生とビジネスマンに眼をつけたからです。学生は、大型本を買うおカネがない。ビジネスマンは、オリエントまでの長い船旅の間でも本は読みたい。ヴェネツィアの近くのパドヴァには大学があり、当時のヴェネツィア共和国はオリエントとの交易で繁栄する経済大国でした。文庫本を粋に胴衣にはさんで大学に向う学生や、船上で文庫のページをめくる交易商人の姿は、想像するだけでも愉しい。これも、文化文明を一般の人々にまで開放したという意味で、立派にルネサンスであったのでした。
そして、もしもあの時代に電子書籍が出現したとしたら、アルド社はどう対処していたでしょうか。印刷技術の企業化で自社をヨーロッパ第一の出版社にしたアルド・マヌッツィオのこと。紙の書籍と電子書籍の双方ともを併行して出版していたにちがいないと思うのです。なぜなら、ルネサンス時代のビジネスマンたちにとって、船に持ちこめる荷物の重量をどうやれば軽減できるかは、常に頭痛の種になっていたからです。彼らならば、海外出張ともなれば必らず電子書籍を持って行ったのでは? これもまた、歴史でしか味わえない愉しい空想ではありますが。
二〇一四年・春、地中海のどこかで
塩野七生
塩野氏は1968年に執筆活動を開始し、『ルネサンスの女たち』を『中央公論』誌に発表。1992年より取り組んだ『ローマ人の物語』では、ローマ史を誕生から滅亡まで欧米人以外の一人の作家が手掛けるという偉業を成し遂げ、2002年イタリア政府より国家功労勲章を受章、2007年には文化功労者にも選ばれました。今回の電子版刊行にあたって以下のコメントをいただいております。
Kindleストアでは4月25日(金)より新潮社『ローマ人の物語』の第1巻『ローマは一日にして成らず』(英語版『Rome Was not Built in a Day』)の販売を開始し、同時に第2巻『ハンニバル戦記』(英語版『Rome’s Wars with Hannibal』)の予約販売を開始いたしました。『ローマ人の物語』は全15巻で完結の予定で、第3巻以降も順次販売開始いたします。予約注文されたコンテンツは、発売日になると自動的にお客様指定の端末にダウンロードされ、クラウド上のライブラリでもアクセスが可能となります。
なお、Kindleストアでダウンロードされたコンテンツは、電子書籍リーダー、Kindle Paperwhiteやタブレット、Kindle Fireシリーズのほか、iPad、iPhone、iPod Touch、Android携帯・端末向け無料Kindleアプリでもお楽しみいただけます。
塩野七生氏の特集ページはこちら
http://www.amazon.co.jp/kindle-romajin
<塩野氏のコメント>
◆電子版刊行にあたって
印刷用の紙を八つ折りにしたことから「オッターヴォ」と呼ばれた文庫版を最初に考え出したのは、五百年昔のヴェネツィアに生きたアルド・マヌッツィオでした。長い中世を通して書籍と言えば、人間がいちいち筆写した大型で重い本しかなかったのが一変し、小型本が普及するようになるのは、グーテンベルグによる印刷術の発明をいち早く企業化した、このヴェネツィアの出版業者によるのです。現代でもなおポケットに入る大きさという意味で「タスカーヴィレ」と呼ばれている文庫版は、このときから始まりました。
なぜアルド社は文庫本を出版したのか。
それは社主であるアルドが、大学生とビジネスマンに眼をつけたからです。学生は、大型本を買うおカネがない。ビジネスマンは、オリエントまでの長い船旅の間でも本は読みたい。ヴェネツィアの近くのパドヴァには大学があり、当時のヴェネツィア共和国はオリエントとの交易で繁栄する経済大国でした。文庫本を粋に胴衣にはさんで大学に向う学生や、船上で文庫のページをめくる交易商人の姿は、想像するだけでも愉しい。これも、文化文明を一般の人々にまで開放したという意味で、立派にルネサンスであったのでした。
そして、もしもあの時代に電子書籍が出現したとしたら、アルド社はどう対処していたでしょうか。印刷技術の企業化で自社をヨーロッパ第一の出版社にしたアルド・マヌッツィオのこと。紙の書籍と電子書籍の双方ともを併行して出版していたにちがいないと思うのです。なぜなら、ルネサンス時代のビジネスマンたちにとって、船に持ちこめる荷物の重量をどうやれば軽減できるかは、常に頭痛の種になっていたからです。彼らならば、海外出張ともなれば必らず電子書籍を持って行ったのでは? これもまた、歴史でしか味わえない愉しい空想ではありますが。
二〇一四年・春、地中海のどこかで
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