ウエスタンデジタル、新たなイノベーションでオープン・スタンダード・インターフェースとRISC-Vプロセッサ開発を推進
新たな「RISC-V SweRV Core™」をオープンソース化し、目的に特化したアーキテクチャのコアからエッジへの開発を促進する計画を発表
2018年12月4日、米国カリフォルニア州サンノゼ-ウエスタンデジタルコーポレーション(NASDAQ:WDC、以下ウエスタンデジタル)は本日、RISC-Vサミットにおいて、自社内のRISC-V開発や拡張中のRISC-Vエコシステム発展の助けとなる、3つの新たなオープンソース・イノベーションを発表しました。ウエスタンデジタルの最高技術責任者(CTO)であるマーティン・フィンクは、基調講演で、「オープンソース RISC-V コア」、「ネットワークを介したキャッシュ・コヒーレンシのためのオープン・スタンダード・イニシアチブ」、「オープンソース RISC-V 命令セットシミュレータ」をそれぞれ新たにリリースするという計画を明らかにしました。これらのイノベーションにより、ビッグデータやファストデータ環境のための、オープンで目的に特化したコンピュータアーキテクチャの開発が加速する見通しです。ウエスタンデジタルは、複数のRISC-V関連事業への戦略的投資やパートナーシップなど、RISC-V エコシステムの発展を後押しするために熱心に取り組んできました。また、10億個におよぶ自社のプロセッサをRISC-Vアーキテクチャに移行することも公約しており、これに向けた進捗状況も公開しました。
フィンクは次のように述べています。「ビッグデータやファストデータは今後も拡大を続けます。そのような中、今日の多岐にわたるデータセントリックなアプリケーションにおいてデータが本来持つ価値の可能性を切り開くには、目的に特化したテクノロジーが不可欠です。当社の『SweRV Core』と新しいキャッシュ・コヒーレントなネットワーク・イニシアチブは、データの処理能力を向上させ、今後の大きな可能性を示してくれるものとなっています。計画中のこれらのオープンソース化やRISC-Vイニシアチブへの継続したコミットメントにより、コラボラティブイノベーションやデータ主導型の発見が加速するような期待の高まる可能性がもたらされます。」
RISC-Vは、コアデータセンターやリモート/モバイルシステムといったエッジコンピューティングにおいて急速に拡大しているビッグデータやファストデータのアプリケーションやワークロードに多様性をもたらす、オープンで拡張性の高い命令セットアーキテクチャ(ISA)です。RISC-Vは現行の標準的な汎用コンピュータアーキテクチャに置き換わるもので、専用プロセッサ、メモリセントリックソリューション、独自のストレージ、およびフレキシブルな相互接続アプリケーションを利用可能にするためのオープン・スタンダード・インターフェースを活用することができます。
ウエスタンデジタルは、双方向のスーパースカラを採用した新しい「RISC-V SweRV Core」をオープンソース化する予定です。「RISC-V SweRV Core」は、32ビット、9ステージパイプラインの構成となっており、複数の命令を一度に読み込み同時に実行可能で、プログラムの実行時間が短縮されます。コンパクトなインオーダーコアで、4.9 CoreMarks/Mhz*1で動作します。電力効率が高い設計のため、28mm CMOS プロセッサテクノロジー上で最大1.8Ghz*1のクロック速度を実現可能です。ウエスタンデジタルは、「SweRV Core」をフラッシュコントローラーやSSDといった、さまざまな社内の組み込み設計で利用する予定です。コアをオープンソース化することにより、IoT、セキュアプロセッシング、産業用制御といった、新たなデータセントリックなアプリケーションの開発を促進すると期待されています。
ウエスタンデジタルの「OmniXtend™」は、Ethernetを介したキャッシュコヒーレントメモリを提供するための新たなオープンアプローチです。メモリセントリックなこのシステムアーキテクチャは、プロセッサ、機械学習アクセラレータ、GPU、FPGA、その他のコンポーネントにおけるアクセスやデータ共有のためのオープン・スタンダード・インターフェースを提供します。効率的に不揮発メモリーをプロセッサに接続し、コンピューター、ストレージ、メモリ、I/Oコンポーネントをつなぐ将来の最先端構造をサポートするオープンなソリューションとなっています。
さらにウエスタンデジタルは、本日、RISC-Vコアを利用した際の完全なテストベンチサポートが付いた、オープンソースの「SweRV 命令セットシミュレータ」を発表しました。ISSとは、プロセッサの命令実行をシミュレートするコンピュータープログラムです。これにより、割り込みやバスエラーといった外部イベントのモデル化が可能になり、RISC-Vコアが適切に機能することを確認できます。ウエスタンデジタルは、「SweRV ISS™」を活用し、100億もの命令を実行することで、徹底的にSweRV Coreのシミュレートおよび検証を行いました。ウエスタンデジタルは、「SweRV Core」および「SweRV ISS」の双方により、業界におけるオープンソースの命令セットアーキテクチャへの移行が促進されるものと期待しています。
米IDCセミコンダクタープログラム バイスプレジデントのマリオ・モラレス氏は、次のように語っています。「エッジコンピューティングやエンドポイントコンピューティングにおいて、速度、入力、ブルートコンピュータというものは、もはや決定的な組み合わせではありません。より多くのデータがリアルタイム処理や推論のためにエッジに送られるため、負荷の大きく、時にダイナミックな、特に人工知能やIoTにより機能するアプリケーション・ワークロードのニーズに構成可能なアーキテクチャを対応させていく必要があります。電力効率、構成可能性、さらに低電力が今後のエッジ/エンドポイントコンピューティングアーキテクチャの主要素になるでしょう。」
提供時期およびリソース
ウエスタンデジタルの「SweRV ISS」および「OmniXtend」アーキテクチャは、以下のサイトよりダウンロード可能です。
- OmniXtend: https://github.com/westerndigitalcorporation/omnixtend
- SweRV ISS: https://github.com/westerndigitalcorporation/swerv-ISS
ウエスタンデジタルの「SweRV core」は暦年2019年第1四半期に提供予定です。より詳しい情報はこちらをご確認ください。https://www.westerndigital.com/ja-jp/company/innovations#risc-v
■ウエスタンデジタルについて
ウエスタンデジタルは、データ社会が発展する環境を創造し、かつてない多様化を遂げるデータの保存、保護、アクセス、変換に必要なイノベーションを推進していきます。先進的なデータセンターからモバイルセンサー、パーソナルデバイスまで、データが存在するあらゆる場所において、業界をリードするウエスタンデジタルのソリューションはデータの可能性を広げます。ウエスタンデジタルのデータ・セントリック・ソリューションは、G-Technology™、HGST、SanDisk®、Tegile™、Upthere™およびWD®のブランドで提供します。
Forward-Looking Statements
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1- 社内試験データに基づく予想性能。
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