旭化成グループのALC商品由来の再生土壌を活用 世田谷区で「雨庭×都市緑化」実証実験開始
~地域とともに都市の自然災害対応力強化を目指す~
旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大和久 裕二)と一般財団法人 世田谷トラストまちづくり(本部:東京都世田谷区、理事長:髙木 加津子)は、東京都23区の中でも宅地が7割を占める世田谷区内で「雨庭×都市緑化」型グリーンインフラの実証実験(以下、本実証実験)を今秋に開始しますのでお知らせします。
本実証実験は、世田谷区において、旭化成ホームズと世田谷トラストまちづくりが連携し、都市の課題である水害や緑化減少に対して、自然に根差した形での社会課題の解決策を探る取り組みです。世田谷トラストまちづくりは、区内においてグリーンインフラ(※1)の手法のひとつである雨庭(※2)を住宅等で取り組みやすいように推進しております。また、旭化成ホームズは都市型住宅のリーディングブランドとして展開しており、特に東京都世田谷区は多くのお客さまにお住まい頂いております。今回の実証実験で都市型自然災害への対応力強化・都市緑化をすることを目指します。
※1:自然環境が持つ様々な機能を活用し、社会課題の解決、持続可能なまちづくりを進める考え方
※2:屋根や地面に降った雨水を集め一時的に貯留し、ゆっくりと地面へ浸透させる庭
1.実証実験の概要
本実証実験では、軽量気泡コンクリート(以下、ALC)を原料とした再生人工土壌「ボストンファームⅡ」を用いて雨庭を施工し、雨庭としての基本性能(保水性、浸透性など)の評価に加え、植栽の生育確認を行います。
ALCは、内部に独立気泡を持つ構造で、軽量性・耐火性・耐水性・耐久性に優れた建材です。旭化成ホームズの戸建住宅「ヘーベルハウス」賃貸住宅「へーベルメゾン」に標準採用されています。
本実験で使用する「ボストンファームⅡ」は、旭化成グループの商品ライフサイクルから排出されたALCを主原料とし、剪定枝堆肥などの有機資材を組み合わせて製造された、環境配慮型の再生人工土壌です。「雨水貯留浸透製品」として公益社団法人雨水貯留浸透技術協会から認定を受けており、屋上緑化土壌としてこれまでに新国立競技場、東京駅八重洲口(人工地盤)などに納入実績があります。

※ボストンファームURL:https://drph.co.jp/bostonfarm/
■実証フィールド
当社の世田谷区内にある住宅展示場2か所を実証フィールドとして選定
FREX2駒沢レジデンス展示場(住所:東京都世田谷区深沢4-6)
※URL:https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/model/detail/view/?mhid=20
FREX3駒沢レジデンス展示場(住所:東京都世田谷区駒沢5-10)
※URL:https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/model/detail/view/?mhid=19
■実証期間(計画)
1年間:2025年10月~2026年9月
(※本実験結果により、延長の可否を決定)
■雨庭の仕様
世田谷トラストまちづくりが推奨する従来の雨庭は、30cmほど掘り込み、発泡ガラスや軽石などの浸透貯留材を敷き、その上に植栽用土壌を用いて植物を植えます。従来の仕様に加えて、浸透貯留材・植栽用土壌として「ボストンファームⅡ」のみを使用した雨庭を施工します。

2.今後について
本実験を通じて得られた知見は、都市型自然災害への対応力強化、都市緑化(エコロジカルネットワーク構築)の推進を通じて、ひろく持続可能な街づくり、社会貢献に活用してまいります。さらに、世田谷トラストまちづくりが選定する実証フィールドの拡充も検討していきます。
旭化成ホームズでは、再生ALCの利活用を通じて資源のサーキュラーエコノミーを推進するとともに、ボストンファームⅡを使用した雨庭仕様を、住宅やマンション等の外構計画に展開することを目指しています。
世田谷トラストまちづくりでは、ALC再生土壌が新たな選択肢となり、さらに、雨水貯留浸透機能及び緑化空間が積層し一体的となった雨庭が都市の限られた省スペースでも展開可能な雨庭のタイプとして広く示すことで、区内における雨庭づくりを普及拡大させていくことを目指します。
3.背景
近年、気候変動による豪雨や、都市化の進展により地表が舗装され、雨水が地面に浸透せずに下水や河川へ流れ込み、浸水被害が発生しています。世田谷区では、こうした水害リスクの軽減に向けて、雨庭などの雨水浸透施設の設置を流域対策の一環として進めています。
また、旭化成ホームズは、「LONGLIFE」な商品を通じて、安全・安心な街づくりを目指しています。独自の植栽手法「まちもり」を通じて、都市のレジリエンス向上とネイチャーポジティブの実現を目指しています。今回、上記社会課題の解決に向け、両者が有する知見と経験、技術を融合して取り組む運びとなりました。
世田谷トラストまちづくりは、環境共生・地域共生のまち世田谷の実現を目指し、区民ボランティアとの協働による区内の緑地・公園の維持保全や区民主体による良好な環境の形成及び参加・連携・協働のまちづくりを推進、支援しています。この経験を活かし2020年度より個人宅の庭などで取り組める雨庭づくりの普及として、実践者の育成、相談支援などを行っています。
今回の実証実験開始を通して両者の知見と経験、技術を融合し、都市の自然災害対応力強化と緑化推進を目指します。
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