【新経済連盟調査】改正薬機法施行で消費者の市販薬へのアクセスに懸念

~約半数のネット販売薬局が「取り扱い見直しを検討」か~

一般社団法人 新経済連盟

一般社団法人 新経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:三木谷 浩史)は、来る2026年5月1日に施行される改正薬機法による、風邪薬などの指定濫用防止医薬品の新たな販売規制が、消費者の市販薬へのアクセスに与える影響について、この度、楽天グループ株式会社および楽天市場に出店する医薬品販売事業者の協力を得てアンケート調査を実施いたしました(※1)。

本調査の結果、今回の規制強化を受けて、ネット販売を行う薬局・ドラッグストアの約半数が、対象医薬品の取り扱い方針を見直す可能性があることが示されました。これは、様々なニーズからネット販売を利用してきた消費者にとって、市販薬へのアクセスに変化が生じる可能性を示唆しており、新経済連盟として懸念を抱いております。

 ※1 楽天市場に出店する医薬品販売事業者で回答が得られた130件のうち、これまで風邪薬等の「濫用等のおそれのある医薬品」を取り扱っていた73件の事業者からの回答を対象に分析を行いました。(実施時期:2025年10月~11月)

【調査結果のポイント】
1. ネット販売事業者の対応状況:約半数で取り扱い見直しを検討

これまで風邪薬等を取り扱っていた事業者(n=73)のうち、改正法施行後の18歳以上への大容量・複数個の販売について、ビデオ通話による販売を「予定している」事業者はわずか6.8%に留まります。【図1】

一方、ビデオ通話による販売を「予定していない」と回答した事業者からは、その理由として以下の点が挙げられました(複数選択可)。【図2】

「システムの導入が困難」(76.1%)
「販売のフローが複雑になりすぎる」(58.7%)
「コストが売上に見合わない」(56.5%)
「必要な人員を確保できない」(56.5%)
 その他(6.5%)

これらの結果は、ネット通販にビデオ通話の仕組みを導入することが、多くの事業者にとって実質的に困難である現状を示しています。

また、18歳以上への小容量1個の販売についても、約4割(42%)の事業者が取り扱いを停止または縮小する可能性を示唆しており、取り扱いを継続する事業者は減少する見込みです。【図3】

【図1】制度改正後ビデオ通話による販売を行う予定の有無(18歳以上に大容量/複数個の販売)(n=73)
【図2】ビデオ通話による販売をしない理由(18歳以上に大容量/複数個の販売)(複数選択)(n=46)
【図3】制度改正後もネット販売をする予定の有無(18歳以上に小容量1個)(n=73)
【図4】ネット販売をしない理由(18歳以上に小容量1個)(複数選択可)(n=12)

2. 消費者のアクセスへの影響:特に遠隔地や体調不良時の懸念
大容量製品や小容量複数個の販売にはビデオ通話が義務付けられることから、ご家族の分や常備薬として、5日分または7日分以上の風邪薬等をネットで購入することが難しくなる可能性があります。
地方にお住まいの方や、体調が優れない際に外出が困難な方々、ほしい銘柄を扱う店舗が近くにない方、日中お忙しい方などにとって、ネット販売は重要な選択肢であり、今回の規制がこれらの利用者へ与える影響について懸念されます。

【対面・映像要件への固執からの脱却】 
本調査により、ビデオ通話要件は9割以上の事業者にとって導入困難であることが明らかになりました。
「顔を合わせる」という形式に固執するあまり、デジタル特有の強みである「個人情報と紐づいたデータによる履歴管理」の有効性を見落とし、結果として国民の医薬品アクセスを失うことは本末転倒です。
形式よりも「濫用防止の実効性」を重視し、テキストベースの管理手法などを正規の要件として認める合理的判断が求められています。

【新経済連盟の考えと提案】
市販薬の濫用防止は社会的に重要な課題であり、その目的達成に向けた取り組みは不可欠です。しかし同時に、市販薬を必要とする方が、適切な情報に基づき、必要な時に適切に入手できる環境を維持することもまた重要であると考えます。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経て、ネット販売は市販薬の安定供給とアクセスの確保において、その重要性が再認識されました。今回の規制が、この重要な役割を担うネット販売の機能を損なわないよう、適切なバランスが求められます。
新経済連盟は、今回の制度改正が消費者の利便性や市販薬へのアクセスに与える影響を鑑み、政府に対し、以下の点について建設的な検討を求めます。

• 制度改正の影響分析:今回の制度改正(対面販売に関するものも含む)が、濫用防止策としてどの程度効果があるのか、また適正使用者による対象医薬品へのアクセスにどのような影響を与えるか、医薬品販売事業者の取り扱い状況や医薬品の市場価格の推移等も含めて分析し、速やかに制度を見直し。
• 濫用防止策として「顔を合わせること」以外の選択肢の採用: 今回店頭販売等でも見送られた「履歴の管理に基づく頻回購入の防止」や、テキストベースでのコミュニケーションなど、濫用防止策として採用できる選択肢を増やし、適正使用者が風邪薬等を必要な分、ビデオ通話をしなくてもネット購入できる方法を速やかに検討。
• 継続的な対話: 消費者、医薬品のネット販売事業者を含めた多様なステークホルダーとの継続的な対話を通じて、より実効性のある制度設計を目指す。

新経済連盟は、国民の皆様が安心して市販薬をセルフメディケーションに利用できる環境の維持・発展のため、引き続き関係各所と連携し、より良い制度の実現に向けて提言を行ってまいります。

<参考1>今回の制度改正による指定濫用防止医薬品の販売ルールの概要

 

<参考2>その他のアンケート結果(いずれもn=73)
ビデオ通話の義務化により適正使用者による医薬品アクセスが阻害されると思うか

制度改正が事業者の医薬品販売方針に及ぼす影響の有無

制度改正が医薬品の市場価格に影響すると思うか

ビデオ通話に代わる濫用対策として効果的と考える対策(3つまで複数選択可)

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URL
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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー5階
電話番号
050-5835-0770
代表者名
三木谷 浩史
上場
未上場
資本金
-
設立
2012年06月