女性の管理職に関する実態調査(2024)
85.7%が「管理職に就きたいと思わない」と回答
ラグザス株式会社(本社:大阪市北区/代表取締役社長:福重 生次郎、以下当社)は、女性を対象とした管理職に関する調査を実施しました。本リリースでは、女性の管理職への意向や実態を明らかにします。
■Summary
・女性の85.7%が「管理職に就きたいと思わない」と回答
・理由は「管理職に興味がない」36.2%で最多
・「労働環境」と「管理職そのもの」のアップデートが求められる
1.調査の背景
6月27日、厚生労働省は企業に対し、管理職に占める女性比率の公表を義務化する方針を示しました。透明性を高めることにより、女性の活躍を促し、男女の賃金格差解消に貢献すると言われています。
このような状況に対して、女性の管理職比率が上がっていない理由を調査し、女性の管理職比率を改善する上で何が必要なのかを明らかにするため調査を実施しました。
2.調査概要
(1)調査期間:2024年6月28日~7月1日
(2)調査方法:インターネット調査
(3)調査対象:20~50代 女性
(4)回答者数:3000人
(5)調査機関:インターネットリサーチ会社
3.調査結果
85.7%が「管理職に就きたいと思わない」と回答
20~50代の女性3,000人に「管理職に就きたいと思うか」を確認したところ、85.7%が「思わない」と回答しました。また、年代別では「管理職に就きたいと思わない」と回答したのが89.1%で50代が最多となり、30代が81.1%と一番少ないポイント数となりました。
微増ではあるものの、20-30代より40-50代の方が「管理職に就きたいと思わない」と回答している割合が多いことから、年代が上がるにつれて意欲が下がっていることがわかります。
「管理職に興味がない」が最多に
次に、「管理職に就きたいと思わない」と回答した人に対して「管理職に就きたいと思わない理由」を確認したところ、「管理職に興味がない」が36.2%で最多となりました。背景には、職務の専門性を高めるジョブ型雇用を導入する日本企業が増えてきたことにより、重圧の掛かる管理職ではなく、「個」の力を磨きたいと考える人が多くなったことが考えられるでしょう。以前、現代の20-30代に「日本で働き続けるには何を求めるか」を確認したところ、56.6%が「自己成長できる」と回答していることから、特に若者は「個」のスキルを重視する傾向にあると言えます。
※ラグザス株式会社「若者の海外留学や移住に関する調査(2024)」より抜粋
次いで、「責任を増やしたくない」が35.4%、「精神的なプレッシャーを負いたくない」が34.8%、「ワークライフバランスを重視したい」が30.2%と続きました。
また、「管理職は男性のイメージがある」が5.4%と低いことから、多くの女性は役職において男女の差があるとは考えておらず、責任やプレッシャーなど性別差以外の要因から管理職を志望しないことがわかりました。
では、管理職になる場合は何を求めるのでしょうか。「管理職になるとしたら何を求めるか」に対する自由回答の結果を見ていきましょう。
▽20代
・給料/残業のない状況
・部下を守るが、上司にも守ってほしい
・身体的に負担のない環境、相談ができる環境
・思いつかない
▽30代
・給与の大幅アップ。あまり変わらないなら管理職になる意味があるのかわからない
・マネジメント研修
・責任をすべて負わなくていいようにしてほしい
・プライベートを犠牲にしないはたらき方
・管理職には絶対にならない
・なりたいと1度も思ったことがないためわからない
▽40代
・家族からの理解
・給与面。また責任の押し付け合いではなく各管理職が自分の役割を認識して仕事をする
・管理職の補佐的立場の社員配置。残業をできるだけしなくてもいい環境の確保
・子どもの都合で休んでも気を遣わないこと
「管理職になる上で求めること」は、「責任を避けたい」や「プライベートとの両立」、「給与」に関する回答が多く、管理職とは「時間も労力もかかるが給与が見合っていないもの」だと捉えられていることがわかります。また、年齢が上がるにつれて「なりたいと思わない」の理由も具体性を帯びており、ライフステージによって家族などの外部要因が生じてくると考えられるでしょう。
一方で、「ない」「思いつかない」「なるつもりはない」といった管理職になることを想定していないとされる回答も多くありました。
それでも“管理職になりたいと思わない”が多数
最後に、「環境が整えば管理職になりたいと思うか」を確認したところ、76.2%が「思わない」と回答しました。
先述の「なりたいと思わない理由」や「管理職になる上で求めること」でも、「興味がない」「管理職になるつもりはない」との回答が多数であったことから、キャリアビジョンを考える上で管理職が視野に入っていない、また魅力的ではないと言えるでしょう。女性の管理職比率を上げるためには、管理職を前向きにとらえる層をどれだけ増やせるかが鍵になると考えられます。
【解説】女性管理職比率アップのカギは「労働環境」と「管理職そのもの」のアップデート
本調査は、20~50代の女性を対象とし管理職をテーマに実施しました。
女性の85.7%が「管理職に就きたいと思わない」と回答し、その理由として、36.2%が「管理職に興味がない」と回答。次いで「責任を増やしたくない」「プレッシャーを負いたくない」「ワークライフバランスを重視したい」が続きました。この結果に対し、女性の管理職比率を上げるためには2つの方向で改善が必要だと考えられます。
ひとつは、「労働環境」の改善です。本調査の結果を踏まえると、管理職とは「時間と労力が掛かり責任も重いのに給与が見合っていないもの」だととらえられていることがわかりました。つまり、現管理職である上司のはたらき方を見てそう感じている人が多いと言えるでしょう。また、年代が上がるつれ外部要因も影響してくることから、企業としては、「管理職は残業や休日出勤を厭わない」という考え方を見直し、管理職の労働環境を改善することが、管理職比率の向上に繋がると考えられます。
もう一点は、「管理職そのもの」のアップデートです。先述の通り、「管理職に興味がない」と考えている女性が多く、企業体制の変化から「管理職に就きたい」以上に「個」のスキルを磨きたいと考える人が多くなっている可能性を示唆しました。女性の管理職比率を向上させるには、管理職を従来のようなマネジメントだけに特化したポジションではなく、「本人の望む自己成長」に繋がる役割を託すことが管理職への意向を上げるかもしれません。
賃金格差の解消や日本経済のさらなる発展のためには、女性の管理職比率を上げていくことが非常に重要なポイントです。また、環境次第では「管理職になりたい」と回答しているのが23.8%と、前向きにとらえる女性も一定数存在します。ネックとなっているポイントを解消するための制度や企業風土へと変革し、それらを浸透させていくことが女性の管理職比率改善に向けた第一歩だと言えるでしょう。
<グラフを見る際の注意点>
%を表示する帯に小数点以下第2位で四捨五入しているため、合計値と計算値が一致しない場合があります。
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■ラグザス株式会社について
ラグザスグループは、ミッションである「今ここにない未来を創り出す」をもとに、創業以来一貫してインターネットのプラットフォーム事業やインターネットメディア事業を通じた社会への貢献を追求しています。「新たな価値の創造と、関わり合う人が幸せになること」を軸に顧客を最優先とした多様な事業で、継続的な企業価値の向上を目指しています。
<会社概要>
・会社名:ラグザス株式会社 ※2022年11月1日に持株会社体制に移行
・代表者:代表取締役社長 福重 生次郎
・本社所在地:大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB 18階
・事業内容:インターネットのプラットフォーム事業・メディア事業
・URL :https://www.raxus.inc/
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