注目が集まるVMware Private AI

ヴイエムウェア株式会社

*VMware Explore Barcelonaで公開したコンテンツの翻訳版です。

VMware, Inc.は、同社のイベント「VMware Explore Barcelona」でVMware Private AIへの機運の高まりを背景に新しいパートナーシップと既存のパートナーシップの拡張を発表しました。Private AIは、AIがもたらすビジネス価値と、企業が求めるプライバシーとコンプライアンスに関する実践的な要件への準拠を両立させるアーキテクチャによるアプローチです。


Private AIへの関心が高まる理由

今年のVMware Explore Las VegasでのVMware Private AIの発表以降、VMwareのAI戦略とこの戦略が顧客とパートナにもたらす価値についての関心が高まっています。顧客は、拡大し続けるオープンエコシステムを通じてVMwareが提供する柔軟性に期待を寄せています。VMwareソリューションは、AI/非AIワークロードの両方を統合管理、運用できるだけでなく、需要の高いGPUリソースを可視化、共有でき、総所有コスト(TCO)の削減に寄与する利点があります。


多くの企業がパブリックAI/プライベートAIサービススタックを併用する計画を策定する一方、企業のデータが作成、処理、利用される場所に近接したところでAIのコンピューティングとモデルも実行されるユースケースも複数存在します。新しいユースケースの例は次の通りです。


  • コードの生成:VMwareがHugging Faceと共同で提供するSafeCoderなどのソリューションを通じて、プライバシーを守り、組織のソースコードを管理できるようにしながら、開発者の生産性を向上させます。

  • コンタクトセンターでの問題解決:プライベートなデータである社内のサポートドキュメントを保護しながら、問題解決までの時間を短縮します。

  • IT運用の自動化:管理と運用のメタデータを保護しながら、社内のITプロセスの自動化を強化し、ITプロセスについての詳細なインサイトを提供します。

  • 高度な情報取得:組織独自の知的財産を保護し、顧客やパートナとコミュニケーションを取るうえで個性を保ちながら、ドキュメントの検索、要約、コンテンツ作成を効率化します。


パートナの拡大

VMwareのPrivate AIのアプローチにより、VMwareのパートナが差別化された付加価値を提供できる機会が創出されました。AIを提供するソフトウェア企業(ISV)にとって、Private AIインフラストラクチャを重視するVMwareは魅力的な存在と言えます。VMwareは差別化されたAIプラットフォームをISVに提供し、ISVはそのプラットフォームを利用して、自社の中核事業と直接競合することなく顧客にアプローチできます。システムインテグレータは、VMware Cloud Foundationを基盤としたAIユースケースの導入支援を通じて顧客のニーズに応えています。VMwareは、VMware Explore Barcelonaで、新たにパートナとしてシステムインテグレータのIBM ConsultingとKyndrylを発表しました。両社はVMwareと協力してPrivate AIのインフラとサービスを推進し、企業がPrivate AIを利用して迅速に価値を具現化できるよう支援します。


VMwareのAI戦略は、差別化されたテクノロジー、簡易性、低コストを重視しています。この戦略の背景には、企業が迅速にビジネスや業界の変化に適応し、事業活動の場所の制約を受けることなく、新しいサービスを提供できるようにする単一の共通AIプラットフォームに対する投資促進があります。拡大するVMwareのパートナエコシステムは、VMwareの成功にも不可欠であり、今回発表した新しいパートナーシップとパートナーシップの拡大に期待しています。


Intelとのパートナーシップ

20年以上にわたりパートナーシップを築いているIntelとVMwareは、今回、その範囲をPrivate AIへと拡張しました。IntelのAIソフトウェアキット、プロセッサー、ハードウェアアクセラレーターとVMware Cloud Foundationを併用し、両社で設計したVMware Private AI リファレンス アーキテクチャの利用により、顧客はPrivate AIのモデルを構築、デプロイし、TCOを削減できます。IntelのAI技術を利用したVMware Private AI リファレンス アーキテクチャは、次の機能を搭載し、VMware Cloud Foundation上で動作します。


  • Intel GPU Maxシリーズ:同GPUは最大128個のXe-HPCコアを搭載します。Xe-HPCコアは要求が最も厳しいAIワークロード向けの新しい基盤となるアーキテクチャです。

  • 第4世代 Intel Xeon CPUとIntel® Advanced Matrix Extensions(Intel® AMX):同CPUは、追加設定を施すことなくパフォーマンスを大幅に向上させます。複数のフレームワーク、エンドツーエンドのデータサイエンスツール、スマートなソリューションの広範なエコシステムに対応します。

  • Intel AI ソフトウェアキット:エンドツーエンドのオープンソースソフトウェアとオプションのライセンスコンポーネントをパッケージ化し、マルチノードスケーリングの構築とAIのデプロイを迅速に行えます。


IBM watsonxとのパートナーシップ

VMwareはIBMと提携して、企業がオンプレミスのプライベート環境やハイブリッドクラウドでIBM watsonxを利用して、watsonxプラットフォームでモデルの学習と調整を安全に実行できるようにします。このフルスタックアーキテクチャはVMware Cloud FoundationとRed Hat OpenShift上に構築され、企業はMLOps、データ管理、ガバナンスのためにwatsonxのAI機能をデプロイできます。また、企業はHugging FaceからIBMが選択したオープンソースモデルのほか、その他のサードパーティモデルや生成AIのユースケースとしてIBMが学習させた基盤モデル群を利用できます。


UXL Foundationを支援するVMware

VMwareは、ARM、富士通、Google Cloud、imagination、Intel、Qualcomm、Samsungとともに、Unified Acceleration(UXL)Foundationの運営メンバーに加わりました。UXL Foundationは、パフォーマンスの高いクロスプラットフォーム・アプリケーションの開発を簡素化するオープンスタンダードのアクセラレータ・プログラミング・モデルの提供に取り組む業界横断的なグループです。UXL Foundationは、oneAPI仕様をベースに、SYCLのような業界ベースのオープンスタンダードを活用しています。UXL Foundationは中立性と独立性を方針とし、異種アーキテクチャ向けソフトウェアの開発支援のためベンダーニュートラルな方法を定義しています。UXL Foundationはハードウェアとソフトウェアの両方での相互運用性合理化を目指しており、これはVMwareの数十年にわたる実績と合致しています。


データサービスのパートナーシップ

VMwareは、既存のマルチクラウド向けTanzu Data Solutionsに、VMware Cloud Foundationと統合できるVMware Data Services Manager(DSM)を追加し、データサービス製品を拡張します。企業がビジネスニーズに柔軟に対応できるAIサービスを構築する上で、オンプレミス向けデータサービス エコシステムの拡大は重要な取り組みとなります。DSMは現在、VMware Tanzu SQL Postgres/MySQLをサポートしていますが、今後、VMwareとパートナのデータサービスを管理する統合コントロールプレーンの提供を予定しています。


VMwareは、DSMと連携してオンプレミス環境の柔軟性を向上させる新しいパートナサービスを追加しました。VMwareは、MinIOとパートナーシップを結び、同社のパフォーマンスと耐障害性に優れるオブジェクトストアをVMware Cloud Foundationと統合させます。さらに、Google Cloudとのパートナーシップの拡張により、AlloyDB Omniの優れたパフォーマンス、スケーラビリティ、コスト効率がVMware Cloud Foundation上で提供されます。VMware vSANでAlloyDB Omniを実行した場合、標準のPostgreSQLと比較してトランザクションのパフォーマンスが2倍以上、分析のパフォーマンスが最大で100倍に達します*1。


パフォーマンスの高いデータベースとオブジェクトストレージはAI(人工知能)/ML(機械学習)ワークロードを強化する上で重要なデータサービスとなります。今回追加された新しいパートナーシップは、顧客によるPrivate AIの推進を支援します。


VMwareのAIへの取り組み

今回発表されたパートナーシップに加え、VMwareは、VMware Explore Las Vegasでの共同ソリューションの発表後もNVIDIAとの緊密な連携を継続し、VMware Private AI Foundation with NVIDIAを今後数ヵ月内に提供開始する予定です。すでに一部の顧客が、設計パートナとして協力し、顧客の環境内でVMware Private AI Foundation with NVIDIAを実行しています。


顧客やパートナから、Private AIの利用をどのように始めるべきなのかとの質問が寄せられています。VMware Explore Barcelonaでは、Private AIのPoC(事前検証)を含むStarter Packをリリースしました。Starter Packは、一般的なユースケースに対応しており、現時点ではCoding Assistant とRetrieval Augmented Generation(RAG)のユースケースに対応しています。


*1:2023年3月に実施されたGoogle Cloudの社内テストに基づく


会社概要

ヴイエムウェア株式会社

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区芝浦3-1-1 田町ステーションタワー N 18階
電話番号
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代表者名
山内 光
上場
海外市場
資本金
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設立
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