死亡前10年間における心疾患と併存疾患の関係を電子カルテデータで可視化 共同研究論文が『Vascular Failure』に掲載、学術集会で優秀演題賞を受賞
株式会社ユカリア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三沢 英生)と、大阪大学大学院医学系研究科 健康発達医学 中神 啓徳 寄附講座教授が共同で実施した研究の論文が、日本血管不全学会 学会誌『Vascular Failure』に掲載されました。また、本共同研究の成果は、2026年4月19日に開催された第11回日本血管不全学会学術集会・総会において「優秀演題賞」を受賞しております。
論文タイトルは「Which diseases commonly co-occur with heart diseases in the 10 years preceding to death?」(死亡前10年間で心疾患と併存頻度の高い疾患は何か)です。日本における主要な死因の1つである心疾患は、加齢に伴い様々な疾患と併存することが臨床現場で経験的に知られていますが、死亡に至るまでの長期スパンで、どの疾患がどの時期に併存しやすいのかを実データで示した研究は限られていました。
本共同研究は、ユカリアが保有する匿名加工電子カルテデータを基盤とした「ユカリアデータレイク」を活用し、死亡前10年間における心疾患と他疾患の併存パターンを定量的に可視化したものです。当社の医療データアセットが、アカデミアとの連携を通じて医学研究の発展に直接貢献し、社会的価値の創出につながった事例の1つと考えています。
ユカリアは今後も、医療現場および研究者の皆さまと連携しながら、リアルワールドデータを起点とする医学研究の発展に貢献するとともに、ビジョン「ヘルスケアの産業化」、ミッション「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」の達成に向け、事業の成長と社会的価値の創出の両立を目指してまいります。
■共同研究論文の概要
タイトル:Which diseases commonly co-occur with heart diseases in the 10 years preceding to death?
著者:Hironori Nakagami, Kazuhisa Shimmura, Yukihiro Imanishi, Toshimasa Takahashi, Koichi Yamamoto
掲載誌:日本血管不全学会 学会誌『Vascular Failure』 Vol.10 No.1 (2026), pp.10-18
DOI:https://doi.org/10.30548/vascfail.10.1_10
J-STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/vascfail/10/1/10_10/_article/-char/ja
研究対象:ユカリアの提携医療法人3施設・407例
データ:匿名加工電子カルテデータ(ICD-10コードベース)
手法:多変量ロジスティック回帰およびROC解析による、死亡前10年間の併存疾患パターンの可視化
■主な知見
・死亡1年前に急増する疾患は、心不全、がん、貧血、脳卒中、肺炎であった
・心不全は心筋梗塞・肺炎と強く併存し、腎不全・貧血とも中等度に併存する傾向が認められた
・時期別では、死亡1年前は肺炎・心筋梗塞、3年前はがん・貧血が、心不全と併存しやすい傾向にあった
・性差として、男性は肺炎、女性は心筋梗塞・貧血の併存が多い傾向が認められた
・結論として、心不全と肺炎の併存は、死亡に至る過程における重要な併存パターンである可能性が示唆された
本共同研究は、臨床現場で経験的に語られてきた心疾患の併存パターンを、病院の電子カルテデータの疾患病名を用いた分析から定量的に裏付けるとともに、終末期医療や予防医療における疾病管理のあり方に新たな示唆を与えるものです。
■「ユカリアデータレイク」について
データレイクとは、大量の構造化データ、半構造化データ、非構造化データを保存、処理、保護するための、一元化されたリポジトリ(格納場所)のことです。
ユカリア独自の「ユカリアデータレイク」の特徴は、定量的なデータだけでなく定性的なテキストデータを分析に用いることができる点です。医師の診察時の所見記録や、病棟で患者に長時間接しケアを行う看護師の看護記録といった大量の定性情報から、患者の治療実態を多角的に把握することができます。また、最長10年程度の長期間にわたり一人の患者の症状の変遷を参照できる点も特徴です。データ提供元の病院群は、急性期から回復期、慢性期、療養まで幅広い機能を有する市中の病院となっています。そのため継続的に通院する患者も多く、長期間の治療経過観察が可能です。
【株式会社ユカリア】
ユカリアは、ビジョン「ヘルスケアの産業化」・ミッション「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」のもと、医療・介護の現場の皆さまと共に、5つの変革テーマ「①医経分離②病院運営の最適化③患者起点のVBHCの追求④地域包括モデル⑤現場に適したDX化」を推進するため、経営支援・運営支援、デジタルテクノロジーを中心とするソリューションの提供を行っています。
所在地:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 19階
事業内容:医療経営総合支援事業、シニア関連事業、高度管理医療機器事業
ホームページ:https://eucalia.jp/
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