【調査リリース】63.3%のスタートアップ企業が、資金調達にかかる時間は3ヶ月以内。課題は出資者に会う難しさ。
VC/CVC、事業会社、スタートアップ企業 約200社に聞いた、投資・資金調達に係る実態調査を発表
成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:志水 雄一郎 以下、フォースタートアップス)は、国内最大級の成長産業に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」において、スタートアップ企業・事業会社・VC/CVCの約200社の「STARTUP DB」STANDARD会員に対して「投資・資金調達に係る実態調査」を実施いたしました。
- 『投資・資金調達に係る実態調査』主なトピックス
・投資したい事業領域1位は、VC/CVCはコンピューター・ソフトウェア、事業会社はヘルスケア関連と関心が分かれた
・43.3%のスタートアップが、投資家と会うための効率的な活動ができていない
・63.3%のスタートアップが、資金調達にかかる時間は3ヶ月以内と回答
本調査結果は、2021年度に比べてスタートアップ企業の資金調達が難しくなりつつある中、VC/CVCや事業会社がどの分野に関心があるのかなど、資金調達関係者の投資や資金調達の判断の参考情報として活用されることを目的として公開するものです。
■スタートアップ企業の46.3%が資金調達時に求めるアセットは、「営業活動(顧客紹介など)」と回答
スタートアップ企業の46.3%が資金調達時に求めるアセットは、「営業活動(顧客紹介など)」と回答する一方、事業会社が提供できるアセットは、「営業活動(顧客紹介など)」は31.5%であり、お互いの期待にギャップがみられます。大企業のCVCであれば既存顧客の紹介は得意であるように思われがちですが、顧客接点を持つ部署とCVC部門の連携が薄いことも要因の1つであると考えられます。
また、VC/CVCの33.3%が「戦略策定」と回答しており、事業会社の10.1%よりも20%以上高い結果となっています。
事業会社は、自社の事業とのシナジーを期待して投資をするケースが多いため、「戦略策定」よりも「営業活動(顧客紹介など)」(31.5%)におけるサポートを提供する割合が高くなっていると考えられます。
■投資したい事業領域、CVC/VCは「コンピューター・ソフトウェア」、事業会社は「医療・ヘルスケア関連」が1位
VC/CVCではコンピューターソフトウェアへの投資意欲が高い傾向が見られます。これまで米国の株式市場はIT株の上昇が長く続き、銘柄によって差はあるものの、巨大IT企業の株価は下がらない見通しです(※1)。その期待感による影響を日本市場においても受けているものと考えられます。
事業会社は、本業との事業シナジーを追求したストラテジックリターンを重視する傾向にあります。そのため、興味のある投資領域は会社ごとに変わることがあります。その結果、興味のある事業領域・業界は幅広く分散していると考えられます。
【参考】
(※1)日経ビジネス「米IT株の下落は「逆風」にあらず」(https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/world/00460/)
■スタートアップ企業、資金調達にかかる時間は3ヶ月以内が63.3%
スタートアップ企業は、資金調達活動において投資家と接点を持つための手段として、「出資元や繋がりのあるVCからの紹介」が59.7%と半数以上が回答しました。加えて「証券会社からの紹介」が7.5%と、紹介を通じて投資家との接点を持つ割合は67.2%と7割近くにのぼりました。これはスタートアップと投資家が接点を持つには、スタートアップ企業側が自社のみの知見や人脈で行うことが容易ではないことを示していると考えられます。
一方、投資家側であるVC/CVCとしては、資金調達ラウンドにおいて、投資先の候補を見つけ、実際に投資するまで「1ヶ月〜3ヶ月で実行されることが多い」と60%が回答。1ヶ月以内での投資も含めると63.3%が3ヶ月以内に投資していることになります。
資金調達ラウンドによって投資家からの資金調達にかかる時間は異なりますが、スタートアップ企業の多くは身近な紹介を受け投資先を検討し、平均3ヶ月以内で投資が実行されて、遅くとも半年以内には大半のスタートアップ企業が資金調達を実施しています。
■43.3%のスタートアップが、投資家と会うための効率的な活動ができていない
しかし、スタートアップ企業は多くの投資家と会うための効率的な活動は43.3%が「できていない」と回答。調達活動に時間が取れないと回答するスタートアップ企業も25.4%と、投資家となるキーパーソンに会えないことや、時間を割けないことなど効率的に活動ができていないことが課題となっています。
CVCや出資を検討する事業会社の母数が増えている中で、スタートアップ企業に対して出資に関する注力領域・出資可能金額・出資検討期間などを含む方針やスタンスに関する情報開示をしているケースは多くはありません。そのため、スタートアップ企業側からは、CVCや事業会社の出資ニーズを正しく掴むことは難しく、自社にとって最適なパートナーとなりうる投資家にアプローチができていない状況があります。
また、CVCや事業会社においては、人事異動などにより、スタートアップ企業への投資に長期的に携わった人材が不足しています。そのため、スタートアップ企業側からは「この人と話すべき」という投資の意思決定に関わるキーパーソンを見つけ出すことが非常に困難であると言います。
CVCや事業会社側においても、ストラテジックリターンを求めて出資先を探していてもスタートアップ側が戦略に関わらずに資金のみを必要としている場合には、双方のミスマッチが発生します。数あるスタートアップからシナジーを生み出す適切なパートナーを見つけ出すのは容易ではありません。
資金調達や外部企業とのアライアンス活動において使ってる時間は25.4%が1時間/日以下、時間はとっていないと回答したのは22.4%と約5割のスタートアップ企業はアクションに対する時間は月20時間未満と、時間が足りないことがボトルネックとなっています。
依然としてスタートアップ企業が自ら、自社に最適な投資家を探すことができていないのが現状であり、事業会社・CVC/VCも情報収集はしているものの、最適な企業とのマッチングまでつなぐことが安易ではなく紹介に頼る企業も多い状況です。
<調査概要>
調査内容/スタートアップエコシステムにおける投資・資金調達に係る実態調査
調査目的/資金調達関係者の「投資・資金調達」にまつわる関心や考えを明らかにする目的
調査方法/インターネット調査(Web上のアンケートフォームより入力)
調査期間/2022年5月30日〜 6月15日
調査機関/フォースタートアップス株式会社(自社調査)
調査対象/『STARTUP DB』登録のSTANDARD会員のうち、 VC/CVCの投資家・事業会社のオープンイノベーションまたは新規事業開発担当者、スタートアップ経営者または資金調達関係者(全2871名)
回答者/有効回答数200件(そのうち、VC/CVC、スタートアップ、事業会社の数は186社)
■「STARTUP DB」について
国内最大級の成長産業領域に特化した情報プラットフォームです。企業データベースは、13,000社以上の日本のベンチャー・スタートアップ企業の情報を保有するとともに、起業家・投資家、エコシステムビルダーの方々累計150名以上のインタビューコンテンツをリリースしています。2019年6月24日より、英語版リリース。また、世界最大級のベンチャー企業データベース「Crunchbase」とデータ連携し、日本企業の情報を海外のプロフェッショナルに届けることで、国内の成長産業領域市場の発展に貢献しています。
URL: https://startup-db.com/
■「資金調達支援サービス」について
スタートアップ企業向けの資金調達支援サービスです。事業会社やCVCの出資ニーズをもとに、スタートアップ企業に最適な資本業務提携候補をご紹介することで、成長戦略の実現をサポートしています。当社では過去3ヶ月で120社以上の事業会社やCVCの出資注力領域や出資可能金額、出資検討期間などの出資ニーズを集約。スタートアップの調達スケジュールや目的などを資本業務提携先に予め伝達することで、調達可能性がある企業との商談を実現します。
https://acceleration.startup-db.com/fundingsupport
フォースタートアップス株式会社 概要
社名:フォースタートアップス株式会社
代表者:代表取締役社長 志水 雄一郎
設立:2016年9月1日
所在地:東京都港区六本⽊1-6-1 泉ガーデンタワー36F
https://forstartups.com/
フォースタートアップスは、「(共に)進化の中心へ 」というミッションを掲げ、「for Startups」というビジョンのもと、インターネット/IoTセクターをはじめ、ディープテック等リアルビジネス領域も含めた起業支援と転職支援を中核とした成長産業支援事業を推進。国内有力ベンチャーキャピタルと連携したスタートアップ・ベンチャー企業への戦略的資⾦⽀援や、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」の運用、及び、大企業とのビジネス共創モデルによる産業エコシステム強化にも取り組む。
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