コリニア株式会社と横須賀市によるRAGを活用した生成AIツールの実証実験開始のお知らせ
当社は、不動産を生活のインフラとして、人や企業をつなぎ、人々の豊かな暮らしを支えるサステナブルインフラ企業です。サステナブルインフラ企業として、戦略的な事業展開を通じて事業優位性のさらなる拡充を図っております。
当社グループのコリニア株式会社(以下、「コリニア」という。)は、生成AIを活用したDXを推進しており、このたび神奈川県横須賀市のデジタル・ガバメント推進室と協働で、大規模言語モデル(LLM)によるテキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせる技術(RAG)を活用した実証実験を開始いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
本プロジェクトは、多くのマニュアルや規則の参照が必要となる契約締結業務において、職員の負担軽減をすることを目的としております。
1. 本プロジェクトの背景と目的
横須賀市は、DX化や生成AIの活用などの先進的な取り組みを全国に先駆けて実施している自治体であり、生成AIサービス「ChatGPT」においては全国で初めて全庁的な活用を開始しております。このたび、さらなる内部事務の効率化を検討する中で、職員が職務を実施する際に、数多くのマニュアルや規則の中から対象のものを選択し、さらに目的の箇所を探し出すのに多くの時間を要しているという課題が明らかになりました。この課題を解決するために、庁内の業務文章などに基づいた回答を生成AIが生成する仕組みの研究を開始し、特に多くのマニュアルや規則の参照が必要となる「契約締結業務」をターゲットとして、職員の負担軽減をすることを目的に、現場の業務に即したAI開発やRAG(※)の活用を支援する本プロジェクトを横須賀市と協働で開始いたしました。(プロジェクト期間:2024年9月末頃まで)
(※)RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)によるテキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせる技術です。この技術を用いることで、ユーザーの質問に対して独自の情報を引用し、自治体や企業などの独自のルールに対応した回答が生成されやすくなります。
2. 本プロジェクトの概要
本プロジェクトでは、より庁内業務に即した結果を得たいというニーズに基づき、まずは業務への確実な理解と適切なアプローチを模索いたしました。
実務に即し現場にとって有効な手立てになるよう、現状の問い合わせ内容や結果を得た後のネクストアクションなど、デジタル・ガバメント推進室や現場の担当者へのヒアリングなどを通し、業務内容やビジネス要件への解像度を高めていきました。
そして、契約マニュアルや規則など庁内契約業務を規定する文書を参照・検索する技術を組み合わせ、生成AIサービスから回答を得るアプローチを採用することといたしました。
また、人間同士のやり取りでは行間を読んだり、適宜質問を投げかけたりすることで、必要な情報を導き出していますが、行間が読めない機械が十分な情報を収集することは容易ではありません。ユーザー自身が求めている回答を得るために必要な情報が明確化されておらず、抽象度の高い質問や、どのような回答を求めているのかが不明確な質問が投げかけられるケースに備えて、対話を通して質問の解像度を高めるステップも組み込み、既存のパッケージサービスにはない細やかな対応を実現していきます。
■ コリニア株式会社について
コリニアは、企業の事業変革を実現するため最適なソリューションの実装を行っています。生成AI活用の分野では、実務的な理解を深めることでビジネス要件を定義し、業務課題にフィットしたモデルを構築します。また、対話を通して、ユーザーが求める回答を得るために必要な情報を引き出すステップを組み込むなど、既存のパッケージのサービスにはない細やかな対応も行います。
コリニアホームページ https://clnr.inc/
3. 今後の見通し
本取り組みによる、2025年2月期の当社連結業績に与える影響は軽微ではありますが、当社は、コリニアとの相乗効果により、不動産事業の枠を超えた多方面への DX を活用したソリューション提供を通じて、新たな収益機会を創出し、株主価値の向上を図ってまいります。
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