シアトル近郊に賃貸用集合住宅を共同開発
~米3位デベロッパーと日本企業3社協業プロジェクト~
住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)、株式会社熊谷組(社長:上田 真 本社:東京都新宿区)、芙蓉総合リース株式会社(社長:織田 寛明 本社:東京都千代田区)は全米3位の大手デベロッパーTrammell Crow Residential(以下TCR)※1と共同で米ワシントン州シアトル近郊に賃貸用集合住宅(以下 本物件)を開発します。総戸数388戸の8階建てで、9月に着工し2028年12月に賃貸を開始します。
■プロジェクトの概要
シアトル都市圏で特に人口や雇用の増加が著しいイーストサイドの中心、ベルビュー市に木造混構造の集合住宅を建設します。本プロジェクトはTCR社と住友林業の8件目の協業案件であり、シアトル都市圏州間高速道路90号線沿線では2022年に売却し事業完了したイサクアプロジェクト※2に続く2件目です。

1-3階はRC造、4-8階は木造枠組壁工法を採用。2×4材の規格品を用い建物全てを鉄筋コンクリート(RC)造にした場合と比較してコストを低減します。一般的に木造建築は鉄骨(S)造やRC造に比べ「建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)」を削減できます。木は吸収したCO2を炭素として内部に貯蔵するため、構造部材や内装など多くの木材を使う本物件も炭素を長期間固定し続け、脱炭素化に貢献します。※3
ヤングプロフェッショナルと呼ばれる高度な専門知識やスキルを有するビジネスパーソンを主要ターゲットとし、ファミリー層や中高年の夫婦の需要にも応えられる多様な間取りの住居を提供します。最新機器を備えたフィットネスセンターやシアトル・ベルビューのダウンタウンを望むルーフトップデッキ、オフィススペース、ペットケア設備など充実した共用施設を整え、入居者の快適な生活をサポートします。
■エリアの特徴
本物件はシアトル・タコマ国際空港まで車で約25分、シアトル中心部まで車で約15分のベルビュー市イーストゲート地区に位置します。シアトルからボストンを結ぶ州間高速道路90号線やシアトル地域を南北に結ぶ州間高速道路405号線が近接。本物件南側には大型バスターミナルEastgate Park & Rideが隣接し、Amazon・Microsoft・T-Mobile等の企業や教育機関が数多く集積するシアトル・ベルビュー・レドモンドといった主要雇用集積地への交通利便性に優れた立地です。加えて、本物件東側にはワシントン州最大規模のコミュニティカレッジであるBellevue Collegeが近接しています。本エリアの教育レベルはワシントン州内ランキング1位※4と非常に高く、近隣のFactoria地区には食料品店、飲食店、ショッピング施設が多く存在するFactoria Mallがあるなど教育環境、生活環境に恵まれたエリアです。

■スキーム・参画の背景
本プロジェクトは住友林業と中大規模木造建築の技術開発を進める熊谷組、米国でのESG配慮型不動産開発私募ファンドや森林ファンド等を通じて住友林業と関係を深めた芙蓉総合リースが共同で推進します。住友林業の100%子会社SFA MF Holdings、熊谷組、芙蓉総合リースの100%子会社Fuyo General Lease (USA) Inc.が組成したJVとTCRが共同出資する特別目的会社(SPC)が開発主体です。住友林業の100%子会社住友林業アセットマネジメント株式会社(代表取締役 社長:木佐貫 成大 本社:東京都千代田区)が本プロジェクトをとりまとめ、参画企業との調整を担当します。
住友林業グループは2018年より不動産開発事業に参入。集合住宅の2024年着工戸数は5,344戸と全米で4位相当で※5米国の戸建分譲住宅に次ぐ事業の柱に成長しています。TCRを現地優良パートナーと位置づけ、2018年以降シアトル近郊のイサクア市、リンウッド市、ボゼル市、ウディンビル市、ショアライン市、デンバー近郊のノースグレン市、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で賃貸用集合住宅を開発。今回が第8弾となります。住友林業グループは2027年までに年間1万戸以上の賃貸集合住宅を供給する体制を目指します。
熊谷組は2017年の住友林業との業務・資本提携以降、国内外で中大規模木造建築事業や環境配慮型不動産投資を中心に実績を積み上げてきました。米国ではESG配慮型不動産開発私募ファンドやテキサス州ダラスでの木造7階建てESG配慮型オフィスに住友林業と共に参画してきました。今回は「木造」や「ESG」をテーマとした、米国での第3弾の協業事業となります。
芙蓉リースは、住友林業との共同での米国不動産開発事業として、ESG配慮型不動産開発私募ファンド、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外モンクレア市、ワシントン州シアトル郊外ショアライン市での賃貸用集合住宅開発事業に参画してきました。今回はこれらに次ぐ共創事業となります。本プロジェクトへの参画を通じ、社会生活に豊かさ・利便性を創出することで、豊かな社会の実現と持続的な成長に貢献します。
■今後の方針
住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し、社会全体の脱炭素への貢献を目指しています。長期ビジョンで事業方針の1つに掲げた「グローバル展開の進化」を推進し、米国でも脱炭素化への取り組みを加速します。
熊谷組グループは限りある資源が循環し、ひと・社会・自然が豊かであり続ける社会の実現に向けて「中期経営計画(2024~2026年度)」を策定しています。中期経営計画の事業戦略の一つとして「周辺事業の加速」を掲げ、不動産開発事業への取組に注力しています。本プロジェクトへの参画を通じ、収益源多様化による安定収益の確保を目指すと共に、持続可能なコミュニティーの実現に貢献していきます。
芙蓉リースグループは、2022 年度からスタートした中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」において、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の実践を通じた社会課題の解決と経済価値の同時実現により、企業グループとして持続的な成長を目指しています。今後も、パートナーシップの活用を通じた不動産分野における事業領域の拡大を進めてまいります。
※1.米National Multifamily Housing Council発表の「NMHC 25 Largest Developers 2024」で3位にランクイン
参考 https://www.nmhc.org/research-insight/the-nmhc-50/top-50-lists/2024-top-developers-list/
※2. 2022年に売却し事業完了。https://sfc.jp/information/news/2021/2021-10-07.html
※3. 林野庁調査をもとに住友林業の筑波研究所で試算(以下のグラフと表を参照)。林野庁「平成27年度 木材利用推進・省エネ省CO2実証業務 報告書」の資材数量をもとに3階建て事務所(1,500㎡)の躯体、外部、内部(設備除く)を対象として、新築時から解体時までのライフサイクル全体を対象として算定しました。
<参考データ>
3階建ての事務所(1,500㎡)を対象に算出

※4.Niche, Inc. 2025 Best School Districts in Washingtonで1位にランクイン
参考 https://www.niche.com/k12/d/bellevue-school-district-wa/
※5.全米集合住宅事業者ランキングNMHC2025をもとに自社集計
■物件概要(予定)
物件名:Alexan Eastgate
所在地:14200 SE 32nd ST Bellevue, WA
賃貸床面積:33,738㎡(363,151 平方フィート)
住戸数:388戸
構造・工法:1-3階は鉄筋コンクリート造、4-8階は木造
着工:2025年9月
賃貸開始:2028年12月
竣工:2028年12月
■Trammell Crow Residential Company概要
本 社:テキサス州ダラス
代表者:Ken Valach (CEO)
沿革:70年以上の歴史を持つ不動産投資開発会社Crow Holdingsの傘下で、米国の集合住宅不動産会社として1977年に創業。
事業概要:不動産開発を手がけるデベロッパーで、特に経済が好調なエリアでの集合住宅開発を得意とする。創業以来、累計約26.5万戸の集合住宅を供給。
■住友林業アセットマネジメント概要
本 社:東京都千代田区大手町
代表者:木佐貫 成大(代表取締役 社長)
設立:2020年11月
事業概要:住友林業グループ等が組成する投資ファンドに関する私募取扱・投資助言業務等
※住友林業アセットマネジメント株式会社コーポレートサイト:https://sfcam.jp/
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