2年に一度、化学装置/生産プロセス/エンジニアリングの総合展示会 第35回「INCHEM TOKYO 2025」が閉幕 出展者数315社/625ブース、会期3日間で12,078名が来場

日本能率協会

 一般社団法人日本能率協会(JMA、会長:中村正己)と公益社団法人化学工学会(会長:永松治夫)は、2025年9月17日(水)~19日(金)の3日間、東京ビッグサイト東展示棟で、第35回「INCHEM TOKYO 2025(インケムトーキョー2025)」を開催しました。

 本展示会は、化学装置/生産プロセス/エンジニアリングの総合展示会として2年に一度開催するもので、今回は統一テーマに「持続可能な未来への共創イノベーション:化学技術によるサステナブルな社会の実現を目指して」を掲げて実施しました。

 専門性に基づく11 ゾーンで構成し、前回(2023年開催)と比べ、「資源・エネルギー転換/エンジニアリング」ゾーン「保全・モニタリング・DX」ゾーンの出展が増加。さらに今回は、新設ゾーンとして「プラント業務効率化」および「プラント設計支援」を設置し、いずれも出展が集まりました。化学産業の未来を把握できる場であると同時に、業界関係者のビジネスマッチングと新たな共創の機会を提供する場となり、出展者数は315社/625ブース来場者は会期3日間で12,078名となりました。

■展示ゾーン:専門性を網羅した11ゾーン 

会場の様子➀
会場の様子②

■化学業界が優先課題として取り組む「持続可能な社会への対応」を紹介

 化学業界における最優先課題は、持続可能な社会への対応です。その象徴として、今回の特別企画では 「INCHEMから未来を創る:GX・CE・DX技術を交えて共創する場」をテーマに、主要12社が原料転換や資源循環の技術開発など、新たな提案を発信しました。

 さらに、ケミカルリサイクル、水素、アンモニアといった次世代エネルギー、GX、サーキュラーエコノミー(循環経済、CE)、デジタル変革(DX)に関する最新技術をプレゼンテーションと展示を通じて紹介しました。

 加えて、近年、老朽化が進む石油・化学プラントなどの既設設備に対しては、DXを活用した効率化と保全強化の取り組みが急速に拡大しています。AI・IoT・データ解析を駆使することで、予知保全、プロセス最適化、サプライチェーンの可視化を実現し、設備改修とデジタル導入を同時に推進。これにより、コスト削減、稼働停止時間の短縮、安定稼働を可能にすることが、業界全体の最重要テーマ・トレンドとなりました。

 こうしたことを背景にした今回の出展事例を紹介します。

  1. 三菱ケミカル

    プラスチック循環や炭素循環を中心としたCEに貢献する取り組みを加速しています。プレゼンステージでは、CEへの貢献と事業成長を支えるDXの取り組みとして、エポキシ分解による有価物リサイクル技術やスマートファクトリーの実現に向けた標準化による全体最適へのアプローチなどを紹介しました。

  2. JFEシステムズ

    本格的なデジタルトランスフォーメーションをサポートするグローバルな産業用SaaS企業Cognite社と共同で、「Cognite Data Fusion(CDF)」を出展。個別管理されている様々なデータの項目同士を関連付けて、担当者が作業に必要な「情報」として一元管理し、「探す時間の削減」と「効率的な作業」を支援するデータ統合プラットフォームを紹介しました。

  3. 東洋エンジニアリング

    カーボンニュートラル社会の構築に向けた多面的なソリューションを紹介しました。アンモニア関連では、ゼロエミッション燃料としての「直接燃焼利用」から、水素キャリアとしての「分解水素利用」、さらに「次世代触媒開発」、「ナフサ分解炉燃料転換」、「バリューチェーン構築」など、製造から利活用まで一貫した技術群を展示しました。

  4. AIST Solutions

    産業技術総合研究所100%出資により設立。出展ブースでは、産総研グループの「サーキュラーエコノミー」への取り組みと、世界最大規模のインベントリデータベース「AIST-IDEA(アイスト イデア)」を紹介しました。

  5. ブラウンリバース

    設備保全に関する特別企画を実施しました。石油化学工業の大規模生産設備におけるデジタルツイン導入の課題となる導入コストとアイドルタイムを劇的に圧縮し、最短3日でサービス提供する「ファストデジタルツイン」の仕組みと設備管理の適用事例を紹介。紙図面中心の現場業務が3D中心にシフトすることで、業務の省人化、操業全体最適化だけでなく、新たな市場創出の布石となる構想を来場者と共有しました。

■好評だった特別講演会

本展示会では、共催の化学工学会が企画した特別講演会も好評でした。基調講演をはじめ、AI・情報、バイオ・宇宙、サステナビリティ、水素・エネルギーといった、いま注目されている各分野に関連した講演が行われました。以下は、その事例です。

 

  1. 「日本のカーボンニュートラルの姿と水素の社会実装に向けた課題」(水素・エネルギー)

    信州大学 アクア・リジェネレーション機構 教授/ヴェルヌクリスタル 取締役/X-Scientia 代表取締役 古山 通久氏

  2. 「生成AI・AIエージェントを活用したものづくりDXの行方 〜化学の現場から考える〜」 (AI・情報)

    MISTEM/信州大学/東北大学/大阪大学、(三井化学) 向田 志保氏

  3. 「データサイエンスが拓く化学工学の未来:物質・材料の設計からプラント運転まで」 (AI・情報)

    明治大学 理工学部 教授 金子 弘昌氏

  4. 「我が国のGX政策の動向」(基調講演)

    経済産業省 大臣官房審議官(GXグループ担当) 福本 拓也氏

特別企画プレゼンステージ
特別講演会①
特別講演会②

■オンライン展示会は10月31日まで開催

 好評のうちに閉幕した第35回「INCHEM TOKYO 2025」。

 出展者からは「ふだんお話しできないような来場者様とサーキュラーエコノミーなどについて話せる機会を得られた」「業界に特化した展示会は珍しい。化学業界でどんなニーズ、トレンドがあるのか、今後環境やGXといった分野でどういった課題があるのか情報交換ができる場ということで続けてもらえるとありがたい」「INCHEM TOKYOは、国内でも最大規模の展示会なので、いろんなお客様と交流できることが魅力だ。こういった展示会を通じてお客様と新しいコラボレーション、案件、アイデアを創出し、ビジネスの幅を広げると期待している」「日本の強いものづくりにフォーカスしているところがINCHEM TOKYOのいいところであり、差別化ポイントだ」といった声が寄せられました。

 なお、本展は「オンライン展示会」も開催していて、2025年10月31日(金)17時まで限定公開しています。オンライン展示会の登録は、下記URLからお願いします。

https://www.jma-exhibition.com/inchem/jp/registration.php

 

また、次回のリアル展示会は2027年9月頃の開催予定です。

【 本件に関するお問い合わせ先 】 

 INCHEM TOKYO事務局

 一般社団法人日本能率協会 産業振興センター内/TEL: 03-3434-1988(平日9:00~17:00)

 E-mail:INCHEM@jma.or.jp

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会社概要

一般社団法人日本能率協会

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URL
https://www.jma.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区芝公園3-1-22
電話番号
03-3434-8620
代表者名
中村正己
上場
未上場
資本金
-
設立
1942年03月