青森の廃棄貝殻を資源に変え、地域活性化を目指す新プロジェクト始動 環境に優しく丈夫な雪かきスコップ「HOTASCOOP(ホタスコップ)」とサステナブルな観光型公園「HOTAPARK(ホタパーク)」発表
株式会社TBWA HAKUHODO(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:内田 渉)は、甲子化学工業株式会社(大阪府大阪市、代表取締役:南原 在夏)、株式会社 山神(青森県青森市、代表取締役社長:神 武徳)と共同で、水産系廃棄物の貝殻を再利用した新素材「SHELLTEC」からつくられた雪かき用スコップ「HOTASCOOP(ホタスコップ)」と、同素材でつくられた観光型公園「HOTAPARK(ホタパーク)」を企画しました。
本企画は、青森県と株式会社eiiconが実施する、あおもりオープンイノベーション共創プログラム「AOMORI OPEN INNOVATION PROGRAM 2024 Blue Ocean」の一環として構想し、青森県におけるホタテ貝殻廃棄問題の解決と地域活性化を目指すプロジェクトとして、2025年2月21日に、コンセプトイメージを発表しました。
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企画背景
青森県では、ホタテの廃棄貝殻が約5万トン排出されています。廃棄貝殻は一部チョークや土壌改良に利活用されていますが、多くは産業廃棄物として処理されています。大量に廃棄されるホタテ貝殻をゴミではなく資源として捉えることができないかと考えました。
海の力で、雪から守る。 「HOTASCOOP / ホタスコップ」
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2025年1月、災害級の豪雪が発生した青森県。2025年1月5日時点の積雪量は139センチと平年の3倍を超え、県内では、雪かきが大きな負担になっています。
厚生労働省によると雪かきの身体活動の強さはおよそ6メッツ。*1 これは、バスケットボールやウェイトトレーニングと同じ水準の身体活動量とされています。さらに、雪かきで使用されるスコップは主にプラスチックで作られていて壊れやすく、各家庭で多くのスコップが廃棄されています。もしも、身体への負荷を軽減させ、その土地のもので壊れにくいスコップが作れたら?このような背景からホタテ貝殻から作られた地球にも、身体にも優しいスコップが誕生しました。
今後、テスト開発を実施し、商品化に向けて進めていく予定です。
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*1 厚生労働省「生活活動のメッツ表・運動のメッツ表」(2023年8月版)
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/mets.pdf
守るのは、笑顔と地球。「HOTAPARK / ホタパーク」
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青森の未来を担う子供たちのために何かできないかと考え、ホタテの廃棄貝殻でつくられた公園の設置構想を発表。廃棄物の削減と資源の循環利用の実現だけでなく、地域の新たな観光資源へと貢献することを目的に、青森市内における建設を目指して、プロジェクトが進んでいます。そこに暮らす人々や訪れる観光客にとって心地よい空間となるよう、都市と自然が調和するデザインを取り入れ、環境に優しい街づくりを推進していきます。
SHELLTECについて
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SHELLTEC(シェルテック)は、貝殻からできた日本初*2の新素材です。年間20万トン近く捨てられるホタテ貝殻を廃棄物ではなく資源として捉えたとき、そこには、新しい素材としての可能性がありました。貝殻に含まれる炭酸カルシウムは、建材、セメント、プラスチックなどの原料になることでも知られています。
SHELLTECは、これまで捨てられてきた貝殻と廃棄プラスチックやコンクリートなどを組み合わせて作られた、強くて、地球に優しい素材です。新品のプラスチックを100%利用する場合と比較して、最大36%CO2を削減し、曲げ強度も約33%向上しています。また、石灰岩由来のエコプラスチックに比べ、最大20%のCO2削減が期待できます。
SHELLTECは、ヘルメットやテトラポッドとしてすでに生産されているだけでなく、今後、企業や自治体と連携し、貝殻本来の役割である「守る」を軸に、様々な製品への素材展開を進めていきます。なお、SHELLTECは、ホタテ貝殻だけでなく、炭酸カルシウムを主成分とするムール貝や牡蠣の貝殻などからも同様に生成することが可能です。
SHELLTEC コンセプトムービー
SHELLTEC 公式サイト: https://koushi-chem.co.jp/shelltec/
*2 甲子化学工業調べ
「AOMORI OPEN INNOVATION PROGRAM 2024『Blue Ocean』」について
青森県は本州最北端に位置し、三方を海に囲まれ、美しく豊かな自然や歴史・伝統工芸・食・祭りといった、多彩で独自性に富む文化を持っています。社会経済環境が急激に変化していく中で、新しい未来へ挑戦していく「青森新時代」が幕開けしています。既存の発想にとどまらず、新しい領域に踏み出し、新たな価値創造へのオープンイノベーションプログラム「AOMORI OPEN INNOVATION PROGRAM 2024『Blue Ocean』」が始まりました。
県内外のパートナー企業と出会い、事業を共創していくことで、地域産業の活性化と持続的な発展につなげていくことを目指します。
TBWA HAKUHODO(TBWA博報堂)について
2006年に博報堂、TBWAワールドワイドのジョイントベンチャーとして設立された総合広告会社です。博報堂のフィロソフィーである「生活者発想」「パートナー主義」とTBWAがグローバル市場で駆使してきた「DISRUPTION®︎」メソッドを中心とした独自のノウハウを融合。質の高いソリューションを創造し、クライアントのビジネスの成長に貢献します。「DISRUPTION®︎」は既成概念に縛られず、常識を壊し、新しいヴィジョンを見いだすTBWA HAKUHODOの哲学です。マーケティングに限らず、ビジネスにおけるすべての局面でディスラプションという新しい視点を武器に事業やブランドを進化させるアイデアを生み出します。
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