レノボ調査:2025年における日本のAI支出額は5倍以上の増加、一方で組織全体でAIを導入した企業はわずか2%
アジア太平洋地域のCIOにとってガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)が最優先。導入はスローペース
レノボは、「CIO Playbook 2025 - AIノミクス時代の到来」を発表し、ビジネス
リーダーやIT意思決定者はROI(Return of Investment)を重視したAI投資への
シフトが加速していることを認めており、組織によるIT支出に占めるAIの割合が
アジア太平洋で3.3倍、日本では5.8倍に増加していることが明らかになりました。
この調査は、レノボの委託を受けIDCが実施した今年が3回目となる国際的な調査で、
アジア太平洋地域の12市場の900人以上のITおよびビジネスの意思決定者(ITBDM)
を含む2,900人以上を対象に実施されました。
AI導入の初期の勢い - ROIよりも統合が優先
日本はAIの導入において早期から勢いを見せており、今後12か月以内にAIの評価
または導入を計画している組織は70%に上ります。これは世界平均やアジア太平洋
平均を上回る数値です。現時点において全社でAIを採用している日本企業はわずか
2%と慎重なアプローチが特徴となっています。特に既存のシステムやプロセスとの
AI統合を強く重視する傾向にあり、迅速な展開よりも長期的に堅牢なソリューション
を重視していることを示しています。
AIによるROIを実現するには、AIの実験と、組織全体へのプロジェクトの拡大を
バランス良く行う必要があり、長期的な取り組みとなります。興味深いことに、
アジア太平洋の企業は自社のAIプロジェクトから平均で3.6倍のROIを期待して
いますが、これを実現するにはAIの規模拡張や社内機能の構築に関して慎重な
アプローチが必要です。日本の緩やかなペースは、ビジネスの俊敏性と即応性の
向上、サステナビリティの向上、および収益の増加に焦点を当てると同時に、AIと
既存システムの統合、データ品質の問題、予算不足といったビジネス上の課題克服
を目指す姿勢を反映しています。
組織の準備不足の問題を克服する
AIの成長に必要なものについての理解が深まり、AI導入リスクへの認識が高まる
につれ、ビジネスの優先事項も年々変化しています。今年寄せられたAIリスクの
上位は倫理的問題とバイアスですが、AI GRC(ガバナンス、リスク、
コンプライアンス)ポリシーを完全に実施している企業は、グローバルでは24%、
アジア太平洋地域では25%に留まりました。日本では、28%のCIOが全社的なGRC
ポリシーを完全実施していると報告しています。このことは、アジア太平洋地域の
企業にとって最優先事項として浮上した問題に対して、構造化されたアプローチが
今すぐ必要であることが浮き彫りになっています。
AIガバナンスを効果的なものにするには、説明可能性、倫理的フレームワーク、
説明責任、モデルガバナンス、プライバシーとセキュリティの向上、および人間
による監督の統合が不可欠です。
レノボのインフラストラクチャソリューショングループ、アジア太平洋事業責任者
であるスミア・バティア(Sumir Bhatia)は次のように述べています。「アジア
太平洋地域ではビジネスの優先順位がシフトしています。2025年において、
ガバナンス、リスク、コンプライアンスが順位を12も上げ、優先度第1位となり
ました。これは、安全で責任あるAIが重要視されていることを示しています。
従業員の生産性も7位から2位へと上昇し、その重要性が顕在化しています。
レノボは、AIをアクセスしやすく、倫理的で、影響力あるものにすることに注力し、
このAI時代においてあらゆる規模の企業が目標を達成できるようお手伝いして
いきます。」
生成系AIの導入を加速
生成系AIは、企業の業務プロセスを根本から変革するものと目されており、日本
では2025年におけるAI導入の34%を占める見込みです。
AIのユースケースとして、アジア太平洋地域では1位のIT運用に続き、サイバー
セキュリティ(2位)とソフトウェア開発(3位)となっています。日本では、
財務(1位)、マーケティング(2位)とIT運用(3位)という順になっています。
オンプレミスおよびハイブリッドインフラストラクチャが主流
レポートによると、アジア太平洋地域の企業の65%が、AIワークロードの処理に
オンプレミスまたはハイブリッドソリューションを選択しています。この傾向は、
安全で低遅延な環境と運用上の柔軟性へのニーズを反映しています。一方で、
19%は依然としてパブリッククラウドサービスに依存しています。
日本も同様の傾向を示しており、66%はオンプレミス、プライベート、ハイブリッド
のいずれかを使用している一方、6%はパブリッククラウドに依存しています。
レノボ・ジャパンの代表取締役社長である檜山太郎は次のように述べています。
「ハイブリッドアーキテクチャは、拡張性とコントロールの両面で非常に優れて
います。世界的に見て、企業の65%はAI用としてオンプレミスおよびハイブリッド
インフラストラクチャを選択しており、日本企業の約3分の2も同様です。このような
傾向の類似性は、イノベーションを推進しつつ、安全とコンプライアンスを維持
することがAI固有の要件であることを示しています。レノボは、エンドツーエンド
の最先端のAIソリューション、よりスマートなインフラストラクチャ、および
戦略的パートナーシップにより、「Smarter AI for All 」の実現に注力して
いきます。」
AI PC: 早期導入で生産性向上が報告される
AI搭載PCはアジア太平洋地域で普及が進んでおり、43%の企業が大幅な生産性向上
につながると考えています。認知度は高まっているものの、この市場全体における
局所的な導入の進展は依然として慎重に進んでいます。日本では、企業の58%が
すでにAI搭載PC導入の計画段階に入っています。テクノロジーが成熟し、ROIの
実績が増えれば、普及がさらに加速し、より多くのデジタルワークプレイス
ソリューションが普及していくことでしょう。
スキルの高いパートナーの必要性
AI導入の取り組みを拡大する組織が増える中、アジア太平洋地域のCIOの34%と
日本のCIOの6%が、データ管理の複雑さ、人材不足、コスト効率といった課題に
対応するため、専門的なAIサービスを活用しています。それに加えて、日本のCIO
の72%が、近い将来に同様のサービスを活用することを検討または計画しています。
このようなコラボレーションにより、企業は社内の能力ギャップを補完し、従業員
のスキル向上に注力しながら、長期的なレジリエンスを構築できます。
CIO Playbook 2025は下記からダウンロードできます。
レノボ アジア太平洋版 CIO Playbook 2025をダウンロード
レノボ グローバル版 CIO Playbook 2025をダウンロード
https://www.lenovo.com/us/en/explore/lenovo-ai-nomics-idc-cio-playbook-2025
<レノボについて>
レノボ(HKSE:992/ADR:LNVGY)は、売上高570億米ドルの世界的なテクノロジー
企業であり、Fortune Global 500の248位にランクされています。180市場で毎日
数百万人の顧客にサービスを提供しています。レノボは、すべての人にスマートな
テクノロジーを提供するというビジョン「Smarter Technology for All」を掲げ、
AI対応、AI-readyかつ最適化AIであるポケットからクラウドまでのポートフォリオ
(PC、ワークステーション、スマートフォン、タブレット)、インフラ(サーバー、
ストレージ、エッジ、HPC、ソフトウェア、ソフトウェア定義型インフラストラクチャ)、
ソフトウェア、ソリューション、サービスの発展を促進する世界最大のPCメーカー
としての成功を収めてきました。世界を変えるイノベーションへの継続的な投資
により、レノボはあらゆる場所のすべての人にとって、より公平で信頼できる
よりスマートな未来を創出します。詳しくは https://www.lenovo.com/jp/ja/ で
ご覧いただけます。
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