【台湾情報】2023年第1四半期台湾医療器材産業の生産額は1500億円超え、コロナまん延前の水準へ<ワイズ機械業界ジャーナル2023年6月第5週号発行>
〜台湾機械・電子・半導体・自動車・エネルギー業界の最新動向を分析する〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2023年6月第5週号を発行しました。今週号では医療器材業界、電子業界、検測・検査業界、金型業界の動向を紹介します。
<最新刊目次>
- 台湾医療器材産業の2023年Q1の分析と展望
- 2023年台湾電子製造業の中欧・東欧投資動向
- 電子製品の検査メーカー、東研信超(BTL)
- 台湾金型産業の2023年Q1概況と今後の展望
一、産業概況 2023年第1四半期の台湾医療器材産業の生産額は、前期比3.8%減、前年同期比4.1%増の350億8400万台湾元(約1630億円)だった。世界的に新型コロナウイルスの感染対策緩和に伴い、診断・測定医療器材産業に対する需要がコロナまん延前の水準に戻っている。手術・治療医療器材産業は、昨年から続く力強い臨床需要で前年同期比13.2%増となった。補助・補填用医療器材産業はコンタクトレンズが好調だった。体外診断用医療器材産業では血糖値測定関連産品の需要が弱まり、前期比微減となった。医療用消耗品需要は安定しており前年同期比で成長した。
1. 診断・測定医療器材産業
23年第1四半期の生産額は前期比13.7%減、前年同期比3.3%減の31億4400万元。通年換算では22年比3.3%減だった。当該産業の主要産品は▽体温計▽血圧計▽聴診器▽生体情報モニタリングシステム▽血中酸素測定器▽画像診断装置で米国、日本、中国、韓国などに輸出されている。
生体情報モニタリングシステムや生理検査機材など感染症対策関連製品の販売額が前年同期比、前期比ともに減少となった。新型コロナの感染症対策が緩和されたことが主因で、いずれもコロナ前の水準に戻っている。一方、画像診断装置は輸出が好調で前年比で成長した。
2. 手術・治療医療器材産業
23年第1四半期の生産額は前期比6.7%減、前年同期比13.2%増の75億7200万元だった。前年同期比では2年連続の2けた成長だ。コロナ前の水準まで需要が戻しており、今後も年を追って輸出量が増えた。中でも各種外科手術機器、手術用具、その他部品などを含む手術器械・部品部門は、手術・治療医療器材産業全体の7割近くを占める。昨年第4四半期は輸出好調で、前期比では17.7%減となったが、前年同期比では0.7%減にとどまった。約6割が米国向けで、輸出医療器材のトップ3に入っている。医療活動がコロナ前の状況に戻り、手術器械・部品部門は長期的にも需要が見込めるため、安定した輸出増が期待できる。
3. 補助・補填用医療器材産業
23年第1四半期の生産額は前期比0.2%減、前年同期比7.3%減の92億7900万元だった。コンタクトレンズや歩行器、車いすが大半だが、整形外科、歯科用補填機材などは日本、中国、米国などに輸出されている。
行動補助具部門の主要輸出品は電動車いすやセニアカーだ。しかし第1四半期は例年、輸出の非需要期に当たるため前期比9.0%減となった。主要輸出先は米国(前期比17.5%減)と英国(同13.3%減)だ。今期は障碍者向け電動車いすとその部品が減少した一方、低単価の非電動製品の輸出額は小幅増となった。世界的なインフレにより、高額消費が控えられている様子がうかがえる。
4. 体外診断用医療器材産業
23年第1四半期の生産額は前期比3.2%減、前年同期比10.9%減の66億6700万元だった。新型コロナ関連の検査装置需要が落ち着き、コロナ前の水準に戻った。今後は血糖値検査機器が主力になるとみられる。
5.その他医療器材産業
23年第1四半期の生産額は前期比1.2%減、前年同期比10.2%増の84億2200万元だった。当該部門には病院が定期的に購入する使い捨ての医療用消耗品が含まれ、需要は比較的安定しており、増加傾向にある。しかし、コロナ感染対策の緩和に伴い、個人防護用品(PPE)は需要がコロナ前の水準にまで戻った。
二、第2四半期の展望(省略)
三、23年通年の展望
世界各国で新型コロナウイルスの感染症対策緩和が続き、医療器材産業全体で需要がコロナ前の水準に戻ってきており、成長率も同程度になると思われる。また、米国は台湾にとっての最大輸出先であるが、22年の輸出は為替レートの影響を受けた。しかし、23年は元高となる見通しで、23年は部門によってばらつきはあるものの、医療器材産業全体としては小幅成長と予測している。 ワイズ機械業界ジャーナル
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所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
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