IHIのデータサイエンティストが,世界的なAIデータ分析大会「Kaggle」で準優勝し,Kaggle Masterへ昇格
本コンペティションは,6月26日から9月6日まで開催され,参加者は,皮膚がん患部を3Dカメラで撮影した画像や患者データから,皮膚がんを診断するAIモデルの構築に取り組みました。陽性のデータ数が非常に限られることや,3Dカメラによる撮像のために,過去の類似AIモデルや他の画像データの流用が難しいという課題がありました。小笹のチームは,ドメイン知識※2に基づいた特徴量作成※3やデータ拡張などを取り入れ,さらに多様なAIモデルを複合することで,汎化性能※4を高め,高精度な皮膚がん検出を実現させました。また,この提案が評価され,10月6日から10日に,モロッコのマラケシュで開催されたMICCAI2024(医用画像処理,医用ロボット,コンピュータ治療支援を取り扱う国際会議)で,本AIモデルが紹介されました。
IHIが提供するさまざまな産業機械の故障検知技術などにおいても,限られた数の故障データから検知性能の高いAIモデルを構築することが求められており,本コンペティションで得た知見は,このような課題の解決にもつながります。
IHIグループおよびお客さま向けにDXを推進しているIHI高度情報マネジメント統括本部では,データ分析技術向上のため,Kaggleなどのコンペティションへの参加を推奨しており,小笹を含むデータサイエンティストがデータ分析技術の向上に取り組んでいます。また,IHIグループ従業員のデータ分析技術向上のため,IHIグループ内の「AIコンテスト」も開催しています。IHIはDXの実現に向け,今後ともデータ分析を含む技術開発を推進し,社会および環境課題の解決に貢献していきます。
※1 世界中のAIエンジニアが企業や政府機関の課題に対し,機械学習を用いて解決する国際コンペティションプラットフォームで,オンライン上でさまざまな課題のコンペティションが開催されている。効果的なソリューションを提出した参加者にはメダルが付与され,その獲得枚数や成績によってランクされる。
※2 特定の業界・業種に特化した事業の知見や,情報,トレンドなどの知識。
※3 データの複雑性や偏りを補正し,機械学習アルゴリズムがモデル化する問題に適した表現形式へ変換する操作手法。
※4 さまざまな役割や課題を処理できるように,学習用に使用しなかったデータでも正確な回答を出せることを示す。
写真.世界的なAIデータ分析コンペ「Kaggle」で準優勝した小笹弘晃
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