筑波大学と大和ライフネクストが共同研究/マンション管理員のけが予防と体力向上を支援する“健康増進プログラム”を開発
約2,400名のデータ分析を踏まえ、2026年4月より運用開始
国立大学法人筑波大学(所在地:茨城県つくば市)と大和ハウスグループの大和ライフネクスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:齋藤 栄司)は、マンション管理員向けの健康増進プログラムを共同研究により開発しました。約2,400名のマンション管理員を対象とした意識調査と、約1,700名分の健康診断データ分析に基づくテスト運用を経て、2026年4月より大和ライフネクストのマンション管理員を対象に運用を開始しました。
本プログラムは、筋骨系疾患やけがを予防し、マンション管理員が長く健康に働き続けられる環境づくりを目指すものです。勤務前後や休憩時間に無理なく取り組める内容とし、継続的なモニタリングを通じて日々の健康維持を支援します。
開発の背景
マンション管理員の業務は、日々の巡回や点検、立ち作業など身体的負荷が伴うため、健康を維持しながら働き続けられる環境づくりは現場の安定的な運営に欠かせません。近年は社会全体で高齢就労が進み、年齢を重ねても無理なく働き続けられる仕組みが求められています。
大和ライフネクストでは、健康経営優良法人として従業員の健康支援に継続的に取り組んできました。大和ライフネクストに在籍するマンション管理員を対象とした事前調査では、同年代と比べて筋力・体力面で良好な傾向が見られ、これまでの取り組みが一定の効果をもたらしている可能性が示唆されました。一方で、転倒やけがの予防にかかわるバランス能力や柔軟性には改善の余地があることも確認されました。
これらの結果に加え、筑波大学が蓄積してきた高齢期の身体機能維持・就労継続に関する研究知見を踏まえ、両者による共同研究により本プログラムを開発しました。
管理員向け「健康増進プログラム」3つのポイント
1)約2,400名のデータに基づくプログラム設計

大和ライフネクストに在籍するマンション管理員約2,400名の意識調査結果と、約1,700名分の健康診断データを分析し、業務に必要な筋力や柔軟性を高めるプログラムを設計しました。ウォーキングを基盤に、①柔軟性向上・けが予防を目的としたストレッチ、②筋力向上のための筋力トレーニング、③バランス能力向上を狙いとした有酸素運動を組み合わせています。
2)テスト運用による効果検証
・テスト運用期間 2024年11月~2025年1月
・対象者 大和ライフネクストの東京支社(東京都新宿区)および北関東支社(埼玉県さい
たま市大宮区)に所属する60歳以上のマンション管理員のうち、運用前後の体力
テストデータが揃った6名
・効果検証方法 対応のあるt検定により統計的に有意差があるか(偶然によるものとは考えにくい
か)を検証
表.テスト運用前後における体力の変化(n=6)

*1:Timed Up & Goテスト(立ち上がり〜歩行〜着席までの所要時間 [秒]。短いほど歩行能力が高い)
*2:30秒椅子立ち上がりテストの回数 [回](多いほど筋力が高い)
*3:長座体前屈の距離 [cm](長いほど柔軟性が高い)
*4:標準偏差…対象者ごとの値のばらつき(個人差の大きさ)を示す指標

<結果の要約>
2か月間のテスト運用の結果、歩行能力および脚筋力は、統計分析により改善が確認されました。これらの指標はいずれも転倒リスクと関連するとされることから、本プログラムがけが予防に寄与する可能性が示唆されます。
一方、柔軟性については、標準偏差に示されるように参加者間の個人差が大きく、統計分析上の有意差は認められなかったものの、平均値としては改善傾向が見られました。
なお、本検証は、運用前後の体力データが揃った6名を対象にした実証的な検討です。
3)無理なく習慣化できる“12分”のプログラム
省スペースかつ短時間で実施できるため、勤務前後や休憩時間など日常に無理なく取り入れることができます。体力低下への自覚を促し、健康維持を支援します。


出典:筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センター・大和ライフネクスト共同研究
「マンション管理業務を行う高齢管理員の健康維持・管理に資する体力向上プログラムの開発」
本プログラムを体験したマンション管理員のコメント(男性69歳/テスト検証当時)
もともと体力には自信がありましたが、テスト運用期間に複数のストレッチを取り入れたことで、以前にも増して健康的に働けているという実感がありました。休日も活動的に過ごし、その充実した時間が仕事への活力になります。管理員として日々さまざまなご相談に対応する中でも、楽しく働けているのは健康があってこそだと感じています。
筑波大学 准教授(体育系) 兼 スマートウエルネスシティ政策開発研究センター 副センター長 田邉 解氏のコメント
人生100年時代を迎える中で、高齢になっても健康を維持し、社会との接点を持ちながら働き続けることは、社会全体にとって重要な価値を持つと同時に、本人にとっても生きがいやウェルビーイングの向上につながる重要な要素であると考えられます。一方で、こうした就労の継続には身体機能の維持が不可欠です。加齢に伴う体力の低下は避けられないものの、その低下の速度は個人の生活習慣、とりわけ運動習慣の有無によって大きく異なることが、これまでの科学的知見から明らかになっています。日常的に運動を取り入れることで、体力低下の進行を緩やかにし、結果として就労継続の可能性を高めることが期待されます。
今回開発したプログラムは、「元気に働き続けることができるカラダづくり」を第一義に据え、特に筋骨格系疾患や転倒・けがの予防に重点を置いて設計しました。1日あたり12分程度と、無理なく継続できる内容としている点も特徴です。本プログラムが、現場で働く管理員の皆様の健康維持と就労継続に資することはもちろん、今後の超高齢社会における新たな健康支援のモデルの一つとなることを期待しています。
今後の展開
大和ライフネクストでは、今後も本プログラムへの参加率や欠勤率等の指標を継続的に追跡・分析し、人的資本経営の柱である「健康」「働きがい」「生産性」の向上を推進します。また、本プログラムの研究開発で得られた知見は、今後の管理員の健康支援策の検討や改善に活かし、より安心して働き続けられる環境づくりに役立ててまいります。
(参考情報)
調査・検証概要
○調査期間:2024年5月~6月
○調査対象と内容:
1.マンション管理員(50歳~78歳) 約2,400名
意識調査(健康意識、ヘルスリテラシー、体力レベル、運動習慣など)
2.マンション管理員(50歳~76歳) 約1,700名
健康診断結果
○テスト運用・検証期間:2024年11月~2025年4月
○テスト運用・検証対象と内容:
マンション管理員60歳以上の6名(運用前後に全ての体力テストデータを取得できた対象者)
筋力、体組成、健康意識、欠勤頻度などの変化
筑波大学 スマートウエルネスシティ政策開発研究センターについて
筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターは、都市の健康・福祉・環境を統合的に捉え、科学的根拠に基づく政策提言を行う研究機関です。自治体や企業と連携し、地域の健康課題に対する実践的な解決策の設計・評価、政策案の作成、人材育成に取り組んでいます。
Webサイト:https://swc.taiiku.tsukuba.ac.jp/
大和ライフネクスト株式会社について
代表者:代表取締役社長 齋藤 栄司
資本金:1億3,010万円
設立:1983年3月8日
所在地:東京都港区赤坂5-1-33
事業内容:分譲マンション、賃貸マンション、ビル・商業施設、ホテルなどの建物管理サービス、寮社宅のサブリース、オフィス移転サポートやコールセンター業務などの法人向けサービス
コーポレートサイト:https://www.daiwalifenext.co.jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
