トビラシステムズ 特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート（2025年11月）

“PayPay送金詐欺”が急増中、偽SMSからワンクリックで架空料金支払いに誘導

特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社（本社：愛知県名古屋市、代表取締役社長：明田 篤、証券コード：4441、以下「トビラシステムズ」）は、2025年11月に当社調査で確認された詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポートを公開します。（調査期間：2025年11月1日〜 11月30日）

また、直近の当社調査で確認された傾向についてもお知らせいたします。

＜調査サマリー＞

◉ 迷惑電話番号の割合は、携帯電話番号が前月に続き多発の傾向

◉ 国際電話番号を使ったニセ警察詐欺、通信事業者や宅配事業者をかたる詐欺電話も多発

◉ 「Apple」かたるSMSが急増、宅配事業者をかたるSMSのばらまき活動が変化

◉ “PayPay送金詐欺”が急増中、偽SMSからワンクリックで架空料金の送金画面に誘導

1. 詐欺電話レポート

○迷惑電話番号の割合は携帯電話番号が多発の傾向

2025年11月に新たにトビラシステムズの迷惑電話番号データベースに登録された番号の種別割合は、国際電話番号が61.2%（前月比±0%）で、横ばいで推移しています。 

一方で、特殊詐欺などの電話において、携帯電話番号の悪用が増加傾向にあります。10月に増加した携帯電話番号の割合は、11月も同水準で推移し、21.4%（前月比−1.7%）となりました。

○ニセ警察詐欺や通信事業者、宅配事業者をかたる詐欺電話が多発

当社の調査で、2025年11月に着信件数が多かった国際電話の国番号は、上位からアメリカ合衆国やカナダなどの北米地域、国際プレミアムレート（注1）、イギリス、ロシア・カザフスタン、中国でした。

警察官等をかたり捜査名目で金銭をだまし取る「ニセ警察詐欺」が、「＋1」や「＋979」などの番号で特に多発している傾向が見られました。

また、通信事業者をかたり「2時間以内に通信が停止する」といった自動音声や、クレジットカード会社をかたり「カードを強制停止する」といった自動音声が流れる不審な電話も多発しています。さらに、「日本郵便」をかたり自動音声で偽の不在通知などが流れる不審な電話も発生しました。

（注1）国際電話を使って海外の有料情報サービスにアクセスする仕組みで、通常の国際電話よりも高い通話料が発生する。

2. 詐欺SMSレポート

○宅配事業者をかたるSMSのばらまき活動が「Apple」かたりに変化

2025年11月は、これまで宅配事業者をかたるSMSをばらまいていたマルウェアの活動が「Apple」をかたるSMSのばらまきに切り替わったことで、宅配事業者をかたる手口の割合が激減し、「Apple」を含むその他の手口の割合が51.0%まで急増しました。
通信事業者をかたる手口は急増し、13.7%となりました。一方で、金融・決済サービスをかたる手口は前月比で17.9%減少し、34.4%となりました。

○「Apple」をかたるSMSが急増

 実在する企業やブランドをかたるSMSについて、2025年11月は「Apple」をかたるSMSが急増し、1か月を通じて発生が確認されました。通信事業者をかたる手口については、「docomo」をかたるSMSが多発しました。クレジットカード会社「Mastercard」や、メッセージアプリ「WhatsApp」をかたるSMSは、前月に引き続き多発が続いています。

 ＜参考資料＞

フィッシングメッセージ、偽のサポート電話、その他の詐欺を含むソーシャルエンジニアリングスキームを認識し、対処する（Apple）
https://support.apple.com/ja-jp/102568

ドコモを装ったフィッシングSMSにご注意ください！（NTTドコモ）
https://www.docomo.ne.jp/info/spam_mail/column/20190617/

フィッシング詐欺にご注意ください（Mastercard）
https://www.mastercard.co.jp/ja-jp/personal/get-support/phishing.html

詐欺SMSの検知状況をリアルタイムに観測し可視化する「詐欺SMSモニター」で、詐欺SMSに関する最新情報をご確認ください。

詐欺SMSモニター

https://smon.tobila.com/

3. ＜トピック＞偽SMSから送金画面に誘導、“PayPay送金詐欺”が急増

トビラシステムズの調査で、通信事業者や官公庁をかたり架空料金の支払いを求める偽SMSから、PayPayの送金画面へ誘導する手口が確認されています。

この手口では最初に、携帯電話料金や水道料金の“料金未払い”、ごみの分別違反の“罰金”など、架空料金の支払いを求める偽SMSが届きます。偽SMSに記載されたリンクにアクセスすると、ワンクリックでPayPayのアプリに自動で遷移し、送金画面が表示されます。送金ボタンを押すと、犯行グループに金銭が送られる仕組みと考えられます。

本手口は、11月初旬に発生が確認されてから、12月下旬まで継続的に発生しており、今後も続く可能性があります。SMSで届いたリンクにはアクセスしないよう、ご注意ください。

実際の手口をもとに解説した動画を、当社YouTubeで公開しています。

（動画URL）https://www.youtube.com/shorts/MrsA2JiE3TQ

＜対策＞

◉身に覚えのないメールやSMSが届いた場合、文面に添付されたURLに触らない

◉日頃利用するサービスは、公式アプリやブックマークしたサイトから情報を確認

◉迷惑SMS対策サービスを活用し、フィッシング詐欺などの不審なSMSを自動で遮断

4. トビラシステムズについて

テクノロジーで社会課題の解決を目指し、特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪撲滅のためのサービスを提供しています。詐欺電話・詐欺SMS等の情報を収集・調査してデータベースを構築し、自動でフィルタリングする「迷惑情報フィルタサービス」は、固定電話、モバイル、ビジネス向けに展開し月間約1,500万人にご利用いただいています。

 

＜会社概要＞

会社名　　：トビラシステムズ株式会社
代表者　　：代表取締役社長　明田 篤
証券コード：4441（東証スタンダード市場）
設立　　　：2006年12月1日
所在地　　：愛知県名古屋市中区錦2-5-12 パシフィックスクエア名古屋錦7F
公式サイト：https://tobila.com/