JAXAの「Moon to Mars Innovation」に採択内定され 月面拠点の構築に資する空間連結技術の確立を目指す
ミサワホーム・ミサワホーム総合研究所・YKK・カンボウプラスによる技術開発
ミサワホーム株式会社(代表取締役社長執行役員 作尾徹也、以下 ミサワホーム)、株式会社ミサワホーム総合研究所(代表取締役社長 千原勝幸、以下 ミサワ総研)、YKK株式会社(代表取締役社長 松嶋耕一、以下 YKK)、カンボウプラス株式会社(代表取締役社長 中村信治、以下 カンボウプラス)の4社は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長 山川宏、以下 JAXA)の宇宙探査イノベーションハブ※1(ハブ長 森治、以下 探査ハブ)が実施する第13回研究提案募集「Moon to Mars Innovation」※2において、共同提案した「月面基地構築に資するフレキシブルで施工性の高い空間連結技術の開発(以下、本提案)」が採択内定されました。

■「Moon to Mars Innovation」について
宇宙産業の市場規模は2040年までに1.1兆ドルまで拡大すると予想※3されており、市場のシェア獲得を巡って、民間による宇宙事業の活性化や国際的な月探査活動の進展が加速しています。こうした背景のもと、持続可能な月・火星探査の実現に向けた研究開発が世界的に推進されています。「Moon to Mars Innovation」は、これらの動きをさらに促進し、JAXAと民間企業等が月探査へのニーズ等を踏まえた出口戦略を共創することで、将来のJAXAの宇宙探査ミッションと企業等の宇宙事業化の創出を目指す共同研究制度です。
■本提案の背景と採択のポイント
本提案は、2017年に探査ハブが実施した第3回研究提案募集での採択※4を契機として、ミサワホームとミサワ総研が中心となり、地上(国内・南極)での研究開発や技術実装を通じて培ってきた「フレキシブルで施工性の高い空間連結技術」を、宇宙環境に適応する「空間連結技術」として確立することを目指すものです。月面拠点構築の初期段階では、小型のモジュール型の拠点の連結により、拠点規模の拡張を行うことが有力なステップであると考えられており、本提案は、月面拠点構築に大きく寄与出来る要素を有していると評価され、今回の採択内定に至りました。
■開発体制
これまでの国内および南極での連結技術開発では、ミサワホームおよびミサワ総研が全体の統括や工業化技術によるモジュールの開発・技術実証等を担い、YKKがスライドファスナー等の開発・供給を、カンボウプラスが膜材等の開発・供給をそれぞれ担当してきました。本提案においてもこれまでの役割を継続するとともに、これら4社に加えて、宇宙環境に関する情報・知見を提供するJAXAが参画し、産学連携による共同研究を開始予定です。
■今後の展望
まず、2026年3月までに、宇宙環境での利用を見据えた「空間連結技術」の確立に向け、必要となる具体的な研究項目を策定します。その後、2026年4月から2028年3月にかけて、JAXAを含む5者が協力し、宇宙特有の境界条件を踏まえながら、要素レベルでの宇宙実証も視野に入れた技術開発に取り組んでまいります。
■「フレキシブルで施工性の高い空間連結技術」開発背景
ミサワホームでは、約50年以上にわたり南極の昭和基地において、南極地域観測隊員の活動や生活を支える建物の受注・建設支援に携わってきました。この極限環境での取り組みを通じて、限られた人的施工環境下においても短期間で施工が可能であり、かつ過酷な環境にも耐えうる高度な断熱・気密性能等を備えた工業化技術を育んできました。
そのような中、2017年に、JAXAの探査ハブの研究テーマにおいて「持続可能な住宅システムの構築」を提案し、採択されました。月面拠点の構築に求められる技術要素は、南極においても求められるという共通点に着目し、極限環境下での検証を重ねることで、技術の信頼性を高められると考えました。この考えのもと、ミサワ総研・JAXA・大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所(所長 野木義史、以下 極地研)と連携し、南極の昭和基地およびドームふじ基地において、「南極移動基地ユニット」を用いた「簡易施工性」に関する実証実験※5を実施しました。
本実証実験では、専門的な知識を持たない作業者でも容易に建物の拡張・縮小ができる「セルサイクル工法」※6を採用し、ユニット間の連結技術を検証しました。その過程で、YKKの「スライドファスナー」とカンボウプラスの「膜材」の有用性を見出し、従来の建築現場にはなかった異分野の素材や技術を融合させることで、「フレキシブルで施工性の高い連結技術」を確立しました。
これらの共同研究の成果は国内へもフィードバックされており、技術の発展に貢献しています。2023年には、南極で培った技術を応用したトレーラーハウス「MOVE CORE」※7を、ミサワホームが発売。工業化住宅と同等の性能・設計を備えた「住宅品質」のトレーラーハウスで災害時などに迅速に対応できるモバイル建築として提供しています。さらに、自由な発想で空間を拡張できる連結技術の開発にも着手し、現在に至るまで、4社による共同実証と改良を継続しています。

■第13回研究提案募集 概要
研究名称:月面基地構築に資するフレキシブルで施工性の高い空間連結技術の開発
研究類型:ゲームチェンジ型
研究No :11
研究領域:アセンブリ&マニュファクチャリング
研究課題:フレキシブルで施工性の高い空間連結技術
研究期間:24ヶ月(2026年4月~2028年3月)
研究経費:1,000万円
(参考)JAXA 宇宙探査イノベーションハブHP:https://www.ihub-tansa.jaxa.jp/topics/RFP_announcement13.html
■ミサワホーム株式会社について
ミサワホームは独自の「木質パネル接着工法」をはじめとする先進的な技術開発により、1998年に世界初※8の「ゼロ・エネルギー住宅」を発売しました。また、半世紀以上にわたり南極・昭和基地の建物建設を支援し、極地での居住空間づくりに貢献しています。現在は、国内の新築事業、ストック事業、まちづくり事業、ウエルネス事業に加え、豪州・米国を中心とした海外事業など、国内外で5つの事業を展開しています。2024年には、新たな理念体系を策定し、企業の存在意義として「”HOME”に満ちあふれた世界をデザインする」を掲げました。安全・安心な住環境の整備や環境負荷低減に寄与する取り組みなどを通じ、持続可能な社会の実現とさらなる企業価値の向上に取り組んでいます。
■株式会社ミサワホーム総合研究所について
ミサワホーム総合研究所は1973年に、住宅業界初の「住生活」シンクタンクとして設立されました。現在は、ミサワホームグループにとどまらず、幅広い技術開発や調査研究を担い、未来を見据えた「住まい」に関わる先進テーマを、ハード(技術開発)とソフト(新たな価値創造)の両面から探求しています。長年にわたり、南極・昭和基地の建設や極地研究のサポートを通じて、過酷な環境下での高度な居住技術を蓄積してきました。当社では、「4つの育む」を開発指針に掲げ、「住まい」から「まちづくり」「社会づくり」まで研究領域を広げています。未来の住生活に向けた多角的な研究開発により、持続可能な社会に資する「豊かな生活価値」の提供を目指しています。
URL:https://soken.misawa.co.jp/
■YKK株式会社について
YKKグループは世界70の国/地域で現地に根ざした事業を展開しています。「Fasten」=留める、つなぐものを取り扱うファスニング事業ではファスナー(スライドファスナー)、⾯ファスナー、バックルやスナップ・ボタンなどのファスニング商品を製造・販売しています。“他人の利益を図らずして自らの繁栄はない”という思想に基づくYKK精神「善の巡環」と、経営理念「更なるCORPORATE VALUEを求めて」を全事業の根幹に据え、本業を通じて持続可能な社会の実現に向けた事業活動を行っております。
■カンボウプラス株式会社について
カンボウプラス株式会社は1939年設立の膜材・シート素材メーカーで、「新加(シンカ)」を企業スローガンに新しい価値創造を通じて豊かな社会づくりに貢献しています。ファイバー(繊維)とプラスチック(樹脂)を複合した高機能キャンバスや産業資材シートを製造・販売し、テント素材やトラック幌、工事用養生シートなど幅広い用途に対応しています。また、自社でデザイン・設計・縫製まで一貫提供し、一級建築士事務所として膜構造物やLEDビジョン、看板の設計・施工も行います。近年は環境配慮やCSRにも力を入れ、CO₂削減や遮熱、環境に優しい製品開発など高機能素材の研究開発にも取り組んでいます。
※1:「宇宙探査イノベーションハブ」は、産学官の研究結節点として様々な異分野の人材・技術を糾合させ、産学官での共同研究を行うことで、宇宙探査の在り方を変えるGame Change(現状を打破し、根本的にものごとを変えること)を実現していく組織です。現在、「次世代エネルギー」、「次世代モビリティ」、「アセンブリ&マニュファクチャリング」、「ハビテーション」の4つの領域を中心に、段階的に発展する月探査アーキテクチャを見据えた研究に取り組んでいます。
※2:「Moon to Mars Innovation」について https://www.ihub-tansa.jaxa.jp/introduction/
※3:https://www.morganstanley.com/ideas/investing-in-space(Morgan Stanley,2020年7月)
※4:宇宙探査事業への応用を目的としたミサワホームの提案がJAXAの研究提案募集に採択 https://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/2017/0901/release.pdf(2017年9月)
※5:JAXA、極地研、ミサワホーム及びミサワホーム総合研究所の連携による「南極移動基地ユニット」の実証実験の実施について https://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/2019/0826/release.pdf(2019年8月)
※6:南極移動基地ユニット セルサイクル工法 https://www.misawa.co.jp/nankyoku/idoukichi/
※7:工業化技術を生かし、「いつも」と「もしも」の社会課題解決に貢献するトレーラーハウスを新発売「MISAWA UNIT MOBILITY『MOVE CORE』」 https://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/2023/0824_2/release.pdf(2023年8月)
※8:当社調べ
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
