健診結果の"置き去り"が浮き彫りに。 要再検査等の判定後も43.8%が未受診、理由は「忙しさ」よりも「深刻度がわからない」

〜「医療アクセス実態調査」第4弾・さらに健診受診者の3人に1人が「結果を十分に理解できていない」と回答〜

Ubie株式会社

 「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げるUbie株式会社(本社:東京都中央区、共同代表取締役:阿部吉倫・久保恒太、以下「Ubie」)は、適切な医療へのアクセス困難という社会課題解決を目指す「医療迷子レスキュープロジェクト」において、全国の20歳以上の男女2,000名を対象とした「医療アクセス実態調査」の第4弾を実施しました。

第1弾〜第3弾の調査では、体調不良時の情報収集から受診、診察室でのコミュニケーションに至るまで、生活者が適切な医療行動をとる上で様々な困難を抱えている「医療迷子」の実態が明らかになりました。

今回の第4弾調査では、「医療迷子」の起点とも言える健康診断の結果確認から受診行動までに着目。

その結果、C〜D判定(要再検査・要精密検査・要治療)を受けた人のうち43.8%が医療機関を受診していないことが判明しました。さらに、健診結果を「確認したが理解できなかった」人の未受診理由として「深刻度が判断できない」が45.8%に上るなど、結果の理解度と受診行動の間に相関がある傾向が示されました。結果を正確に理解できた人の受診率は66.9%であるのに対し、ほとんど確認していない人ではわずか26.7%にとどまり、健診を受けたにもかかわらず、結果が十分に確認・理解されないまま次の行動につながらない、いわば健診結果が"置き去り"にされている実態が浮き彫りになりました。

*「医療アクセス実態調査2025」第1弾・日本人の7割が「適切な医療行動」に迷い。情報に翻弄される実態が明らかに
*「医療アクセス実態調査2025」第2弾・ネットでの医療情報収集、約8割が次の行動に困難。情報過多で4割が「立ち往生」する実態が明らかに
*「医療アクセス実態調査2026」第3弾・2人に1人が診察室での「うまく伝えられない」悩みを経験「医師への配慮」が招くすれ違いの実態

※健康診断の判定区分:A判定=異常なし、B判定=軽度異常・経過観察、C判定=要再検査・生活改善、D判定=要精密検査・要治療

■主な調査結果

  • 健診受診者の約67%にB判定以上の所見(B〜D判定)。それでも結果を見た後「何もしなかった」が約46%

  • 判定結果にかかわらず、結果を「確認したが理解できなかった」人が約35%。最大の要因は「数値の意味がわからない」(51.6%)

  • C〜D判定を受けた人の43.8%が未受診。結果を「全て理解できた」人の受診率は66.9%に対し、「ほとんど確認していない」人はわずか26.7%と、理解度と受診行動に大きな開き

  • 同じ「未受診」でも結果を理解できた人の理由は「自覚症状がない」、理解できなかった人は「深刻度がわからない」(45.8%)、確認していない人は「面倒」(54.5%)と、結果をどこまで確認・理解したかによって未受診の背景が異なる

  • 未受診理由として「深刻度が判断できない」(26.7%)、「緊急度がわからない」(22.4%)がいずれも上位。「どの病院に行けばいいかわからない」という声も

■調査背景

第1弾調査では、日本人の7割が医療に関わる各段階で何らかの困りごとを抱える「医療迷子」状態にあることが明らかになりました。第2弾ではインターネットでの情報収集後に約8割が次の行動に困難を感じ、約4割が「立ち往生」する実態を、第3弾では診察室での患者と医師の「善意のすれ違い」を明らかにしてきました。

しかし、「医療迷子」状態は体調不良時だけに生じるものではありません。年に一度の健康診断は、自覚症状のない疾患を早期発見し、適切な医療行動につなげる重要な機会です。にもかかわらず、「結果の見方がわからない」「どれくらい深刻なのか判断できない」等の理由から、せっかくの健診結果が適切な行動に結びつかないケースが多数存在するのではないかという仮説のもと、第4弾では健康診断の結果確認から受診行動に至るまでのプロセスに焦点を当て、「健診結果の理解」が医療行動にどのような影響を与えているかを調査しました。

調査結果の詳細分析

※本調査の数値の一部は複数回答による結果です。

【約67%に何らかの所見、C〜D判定でも約3割が「何もしなかった」。判定の深刻さに関わらず行動に結びつかない実態】

健康診断を受けた人のうち、全てA判定(異常なし)は32.4%にとどまり、約67%にB判定以上の所見が認められています。C〜D判定に該当する人も26.7%と4人に1人以上に上りました。

にもかかわらず、健診結果を確認した後の行動について、判定結果にかかわらず約46%が「特に何もしなかった」と回答。判定結果別に見ると、A判定では65.9%である一方、B判定でも41.9%、C〜D判定でも29.7%が「何もしなかった」と回答しており、軽度異常を含め何らかの所見を指摘されていても結果が具体的な行動に結びついていない実態がうかがえます。

【健診結果を確認しても約35%が「理解できない」、20%は確認すらしていない。「理解できない」最大の原因は「数値の意味がわからない」。専門的な記載が理解の壁に】

健診結果をどこまで確認・理解したかについて、「各項目の数値まで確認し、全て正確に理解できた」と回答した人は44.6%と半数以下にとどまりました。約35%は「確認したが全ては理解できなかった」と回答し、さらに約20%は詳細を確認すらしていないことが明らかになりました。

「理解できなかった」と回答した人の理由に関して、「数値が示す意味がわからない」(51.6%)が最多で、「専門用語が難しい」(42.2%)、「基準値と比べてどれくらい異常なのかわからない」(31.4%)が続きました。健診結果に記載される医学的な数値や用語が、一般の生活者にとって大きな「理解の壁」となっていることがわかります。

また、結果を十分に確認しなかった理由としては、「自覚症状がなく問題ないと思っているから」(37.9%)が最多で、「毎年受けていて異常がないことが多いから」(29.8%)、「面倒だから」(23.4%)と続きました。自覚症状がないことへの安心感や、毎年健診を受診するという行為に満足し、その結果を活用することが目的であるはずが、結果の”置き去り"を生む一因となっていることがうかがえる回答となりました。

【C〜D判定の43.8%が未受診、結果の「理解度」「確認度」で受診率に大きな開き】

C〜D判定を受けた368名のうち、医療機関を受診したのは56.3%にとどまり、43.8%(161名)は判定後も未受診であることが明らかになりました。

この受診行動を健診結果の「理解度」「確認度」別に分析すると、理解度・確認度が低い人ほど受診率も低い傾向が示されました。結果を正確に理解できた人の受診率が66.9%であるのに対し、総合判定のみ確認した人は38.1%、ほとんど確認していない人ではわずか26.7%と、理解度が下がるにつれ受診率が大幅に低下しています。健診を「受ける」ことと結果を「活かす」ことの間には大きな隔たりがあり、健診結果が"置き去り"にされることで、受診行動にもつながらない連鎖が生じていることがわかります。

【同じ「未受診」でも確認・理解の度合いで"置き去り"の要因が異なる——"わからなさ"の連鎖が受診を遠ざける構造】

C〜D判定後に未受診だった161名全体の理由としては、「どれくらい深刻なのか判断できない」(26.7%)が最多で、「緊急度がわからない」(22.4%)も上位に挙がり、判定結果の重さを把握できていないことが上位を占めています。さらに「どの病院に行けばいいかわからない」(13.7%)という回答も見られ、判定結果の意味がわからないだけでなく、行くべき受診先もわからないという"わからなさ"の連鎖が受診を遠ざけている構造がうかがえます。

この未受診理由を健診結果の確認・理解の度合い別に分析すると、同じ「未受診」であっても、その背景が大きく異なることが明らかになりました。結果を理解できた人は「自覚症状がないから」(26.9%)、「忙しいから」(23.1%)と、外的・身体的な要因を挙げています。一方、確認したが理解できなかった人は「深刻度が判断できない」(45.8%)、「緊急度がわからない」(30.5%)と、理解不足による障壁が突出しており、ほとんど確認していない人では「面倒だから」(54.5%)、「費用がかかるから」(45.5%)が上位を占め、「忙しいから」は0%でした。本来健診は、結果を活用して自身の体調を管理するためのものですが、その結果を読み解き、次にとるべき行動を判断するための支援がなければ、結果は"置き去り"にされたままとなることがわかります。

■Ubie株式会社 在籍医師(総合内科) 平松 由布季
日本内科学会 総合内科専門医/日本プライマリ・ケア連合学会 会員/日本病院総合診療医学会 病院総合診療特任指導医

日本の健康診断受診率は国際的に見ても高い水準にあり、国民皆保険制度のもとで受診機会を広く確保してきたことは大きな成果です。一方で今回の調査は、「受けること」と「結果を活かすこと」の間に、まだ十分に埋められていない隔たりがあることを示しています。

特に注目すべきは、C〜D判定を受けた方の43.8%が未受診であるという点です。要再検査・要精密検査の判定は、その時点で疾患が確定しているわけではありませんが、受診が遅れることで病気の発見が遅くなり治療の選択肢が狭まる可能性があります。早期に受診していれば軽度の対応で済んだものが、時間の経過とともに深刻化してしまう。臨床の現場ではそうしたケースを少なからず目にします。

未受診の最大の理由が「深刻度がわからない」であった点も重要です。基準値を超えていても、「よくあることだろう」「すぐに命に関わるわけではないだろう」と自己解釈し、受診を先送りにしてしまう方は少なくありません。しかし、健診結果の数値だけでは、その背景にどのような疾患が潜んでいるかを判断することはできません。専門的な表記のままでは、こうした情報の重要性が生活者に十分に伝わっていない可能性があります。

この隔たりを埋めるうえで大きな役割を果たすのが、かかりつけ医の存在です。普段の健康状態や生活背景を理解したうえで、健診結果の意味を丁寧に説明し、必要に応じて適切な専門医へつなぐ。かかりつけ医は、まさに健康の"道案内役"です。「どの病院に行けばいいかわからない」という回答も多くなっており、かかりつけ医を持つことで受診先への迷いがなくなれば、健診結果の置き去りが解消される一手にもなりえます。加えて、テクノロジーを活用し結果をわかりやすく届ける仕組みも医師と患者の対話を補完する力になると期待しています。

■Ubie株式会社 共同代表取締役 医師 阿部 吉倫

医師として診療にあたる中で、健診で異常を指摘されていたものの受診のタイミングをつかめないまま、症状が進行してから来院される方を少なからず目にしてきました。今回の調査結果で特に注目すべきは、未受診の背景が「忙しくて時間がない」という外的制約だけでなく、「深刻度がわからない」「面倒」といった、理解不足や心理的障壁にも大きく関連している点です。受診行動を妨げる要因が従来想定とは異なるケースがあり、受診勧奨のあり方を考えるうえでも重要な視点です。

健診結果は、正しく読み解くことができれば極めて有用な情報源ですが、現状では、専門的な数値や用語が理解の壁となり、せっかくの結果が"置き去り"にされてしまっています。テクノロジーの力で一人ひとりが結果を理解し、適切な医療への一歩目につながる社会を目指してまいります。

■「医療迷子」とは

「医療迷子」とは、体調不良時の「症状認知」「情報収集」「受診」「診断」「治療」等の医療に関わる各段階で何らかの困りごとを抱え、適切な医療行動が取れずにいる状態を指す、Ubieが提唱する概念です。

具体的には、以下のような状況などが該当します

・症状認知:違和感を放置してしまう・健康診断の結果を無視する

・情報収集:根拠ない情報を過信する・受診すべきか判断がつかない

・受診:適切でない診療科を受診してしまう・症状をうまく伝えきれない

・診断:診断内容の理解が難しい・病気との向き合い方がわからない

・治療:服薬や定期検査を怠る・治療への不安をうまく相談できない

これらの状態が続くことで、症状の悪化、治療期間の長期化、複数医療機関の受診、精神的な不安の増大といった、個人の健康・経済・時間的負担が増加します。こうした個人の問題は、社会全体にも直接的な影響を及ぼします。受診の遅れによる症状の深刻化や、どの医療機関にかかるべきか迷った結果として複数の医療機関を受診することは、医療システム全体への負荷を高め、国民医療費が増大する一因となります。加えて、個人の健康状態は労働生産性にも直結するため、これは社会全体で取り組むべき重要な課題と考えられます。

医療迷子レスキュープロジェクト

https://ubie.life/medical-maigo

■調査概要

調査名:医療アクセス実態調査 第4弾

調査実施日:2026年3月10日

調査方法:インターネット調査(Freeasy)

調査対象:全国の20歳〜99歳の男女

有効回答数:2,000名(男性1,000名/女性1,000名)

調査実施:Ubie株式会社

【Ubie株式会社について】

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、生活者を適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビーメディカルナビ」等を開発・提供。誰もが自分にあった医療にアクセスできる社会づくりを進めています。

所在地  :〒103-0023 東京都中央区日本橋本町三丁目8番4号 日本橋ライフサイエンスビルディング4 5F

設立   :2017年5月

代表者  :共同代表取締役 医師 阿部 吉倫・共同代表取締役 久保 恒太

URL :https://ubie.life

【Ubie株式会社が提供するサービス一覧】

▽生活者向け 医療AIパートナー「ユビー」・症状検索エンジン「ユビー」

日本版:https://ubie.app/

US版:https://ubiehealth.com

▽医療機関向け「ユビーメディカルナビ」

https://intro.dr-ubie.com/

▽医療機関向け「ユビー生成AI」

https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp

▽製薬企業向け「ユビー for Pharma」

https://ph-ubie.com/

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会社概要

Ubie株式会社

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URL
https://ubie.life/
業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区日本橋本町三丁目8番4号 日本橋ライフサイエンスビルディング4 5F
電話番号
03-6778-4016
代表者名
阿部吉倫・久保恒太
上場
未上場
資本金
-
設立
2017年05月