トンネル補修における「サポートライニング工法用ダクタル板把持装置」を開発

株式会社アクティオ

 総合建設機械レンタルの株式会社アクティオ(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役社長兼COO:小沼直人、以下アクティオ)は株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区津久戸町、代表取締役社長:上田 真)と共同で、トンネルの補強や保護に用いるダクタル板を用いたサポートライニング工法における機械化を図るため、ダクタル板の把持装置を開発しました。これにより従来行ってきた人手によるパネル設置作業をトンネル全周にわたり機械で設置できるため、安全性と施工効率の向上を図ることができます。

1.背景

 トンネル覆工の補強やはく落防止を目的としたサポートライニング工法において、ダクタル板を用いたライニング工事では、人が持てる重量に分割したダクタル板を人力による設置が一般的で、特にトンネル上半部の設置は苦渋作業となります。そこでクレーンとパネル把持機構を組み合わせたダクタル板把持装置を開発し、ダクタル板を細分化すること無くトンネルの全周を網羅して設置できます。操作者は高所作業車からリモコン操作が可能なため、作業が安全かつ容易になります。

2.概要

 開発した把持装置は汎用的クレーンとバキューム式吸着器を組合せたもので、クレーンは、自社レンタル対応機のテレスコピッククローラクレーン(最大定格総荷重2.93t×作業半径1.5m)と、バキューム式吸着器は、WIRTH GMBH 社製オクトパス ガラスジャック GL-CC600 を専用の回転機構を介して構成しています。バキューム式吸着器の特徴は、吸着器本体にバキューム機構が内蔵されており、吸着部(サクションカップ)は4個で把持します。サクションカップ1個当たりの吸着力は定格で75㎏、動力はバッテリー駆動で、操作は無線式リモコンです。

                         (写真1) 全景

      (図1) ガラスジャック可動域

3.実用化に向けた検証

 実用化に向けた数々の検証を行い運用可能の目途が立ちました。

(1)サクションカップの吸着力性能確認

 まず、4個のサクションカップのうち1系統が吸引不能となったと想定して、製造メーカー負荷試験(定格荷重の2倍)をダクタル板+鉄板を用いて行い、保持できるか確認しました。ダクタル板66kgと鉄板 86kgを合わせて152kgを2個のサクションカップで把持させ問題なく吸着できることを確認しました。

 次に1個のサクションカップの吸着力の限界も確認しました。1個のサクションカップにダクタル板を吸着させ、水平方向にダクタル板を引っ張り、ダクタル板とサクションカップが滑りを生じる荷重を引張型ロードセルで計測した結果、実験時の最小値で引張荷重1,614Nとなり定格荷重の2倍であることも確認しました。

(2)トンネルを模した支保工におけるダクタル板設置の施工性検証

 R5,000mmの鋼製支保工2本を設け、ダクタル板を鋼製支保工のフランジ内側に設置する場合と外側に設置する場合の2通りの施工検証を行いました。使用したダクタル板は3種類とし、いずれも施工性には問題無いことが確認できました。

                  (写真2) 施工性の検証

4.今後の展開

 施工性の検証を行った結果、現場での運用に適応可能と判断しました。この検証時に生じた改善点をフィードバックし、来年度には、熊谷組の現場に導入を予定しています。

来年度、熊谷組の現場に導入以降、お客様のニーズに合わせて対応してまいります。

■本商品に関するお問い合わせ先

株式会社アクティオ 広域営業部 担当:岸本

TEL:03-6854-1417

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建設・土木その他
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会社概要

株式会社アクティオ

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URL
https://www.aktio.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区日本橋3-12-2 朝日ビルヂング7階
電話番号
03-6854-1411
代表者名
小沼直人
上場
未上場
資本金
-
設立
1967年01月