Broadcom、VMware TanzuをAI対応データ&アプリケーション プラットフォームとして高速化とセキュリティを強化 エージェント型AIのイノベーションを推進
新しいVMware Tanzu Data Intelligenceにより、VCFベースのプライベートクラウドで、生成AIアプリチームに予測可能なコストとパフォーマンス、柔軟な拡張性を備えたマルチモーダルのレイクハウスを提供
*本内容は、2025年8月26日(米国時間)VMware Explore 2025でBroadcomが発表した報道資料の抄訳版です。
Broadcom Inc.(NASDAQ: AVGO)は、VMware Tanzu Data Intelligenceの提供開始を発表しました。VMware Tanzu Data Intelligenceは、マルチモーダルデータに対する低遅延の大規模アクセスを一元化するデータレイクハウスプラットフォームで、分析やアプリ、エージェント型AIの高速化とセキュリティ向上を実現します。また、VMware Tanzu Platform 10.3を同時に発表し、新規および既存の環境を問わず、エンタープライズ向けアプリにおける生成AI機能の安全な開発と統合を加速します。
AIは、新しいソフトウェアの開発の加速や、企業独自をデータに基づくエンタープライズ向けアプリケーションへのさらなるインテリジェンスの組み込みの機会を提供しています。しかし、Gartner®によると「2026年までに実施される生成AIプロジェクトのうち30%は、データ品質の低さ、不十分なリスク管理、コスト増大、ビジネス価値の不明確さなどの理由により、概念実証(PoC)段階を超えられずに見送られる」と予測されています*1。また複数のアナリストが「企業データの約90%が非構造化データであり、分析やアプリでの活用が困難」と指摘しています*2。
Broadcom Inc. Tanzu部門 上級副社長 兼 ゼネラルマネージャ プルニマ・パドマナバン(Purnima Padmanabhan)コメント:
「顧客体験のパーソナライズやエージェント型ワークフローといったAIアプリでの次のイノベーションの波を捉えたいと考えるビジネスリーダー層は、モダンアプリとデータアーキテクチャが開発サイクルの重要な鍵であることを理解しています。しかし、多くの組織がアプリプラットフォームに投資し、SaaSプラットフォームを活用してデータ戦略のモダナイゼーションを進めてきたものの、アプリとデータのチーム間でサイロ化が進み、クラウド内、または異なるクラウド環境間でのデータ移動にかかるコストの予測が困難など、さまざまな課題に直面しています。Tanzu Data IntelligenceとTanzu Platformの組み合わせにより、モダンなマルチモーダル データレイクハウス アーキテクチャの能力と、コマンド1つでCF-pushを実行できる、Broadcomの実績あるテクノロジーを活用し、プライベートクラウドでのコスト予測可能性を確保できます」
Tanzu Data IntelligenceはTanzu Platformとシームレスに統合されており、アプリチームとAIチームがデータの格納先を問わず、低遅延でリアルタイムデータにアクセスし、ビジネス価値を生み出すAIアプリを構築できます。
Tanzu Data Intelligence:AI対応データでイノベーションを加速
Tanzu Data Intelligenceは、前述の課題に直接対処できるように設計され、企業データを戦略的優位性へと変換するモダンなデータレイクハウスプラットフォームです。このプラットフォームは、データの取得、処理、クエリ実行、AI/MLの機能を、エンタープライズ要件を満たす単一のソリューションとして統合し、現在の極めて複雑で厳しい規制へのニーズに対応します。
Tanzu Data Intelligenceの中核は、パフォーマンス、柔軟性、ガバナンスを維持しつつ、多様で大規模なワークロードを処理するために設計されたエンタープライズグレードのデータレイクハウス アーキテクチャにあります。
Tanzu Data Intelligenceでは、構造化、非構造化、ネイティブ、フェデレーテッドと多様なデータソースに対応し、さまざまな環境を横断する形でアクセスを一元化します。テラバイトからペタバイト規模のデータまでシームレスにスケールアウトでき、データ、ユーザ、API全体にわたり大規模な並列処理を実現します。また、Tanzu Data Intelligenceにより、データ経路を完全に追跡できるため、データ主権とガバナンスが確保され、データとその結果の因果関係を容易に把握でき、可観測性の向上にもつながります。さらにトランザクション処理、エージェント型アプリ、スマートアプリ、意思決定の補完、モデルの学習とチューニング、データサイエンスなど、幅広いユースケースに対応可能な単一のプラットフォームとして機能します。ネイティブのベクトル検索にも大規模に対応でき、ベクトル化されたデータに対してSQLクエリやセマンティックに類似した検索を単一の強力な環境で実行できます。
このアーキテクチャを中心に、以下の特化したコンポーネントがモダンデータとAIアプリのライフサイクル全体をサポートします。
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データ取得とワークフローのオーケストレーション:ストリームとバッチ処理パイプラインにより、複数ソースからのシームレスなデータ転送と変換を実現し、リアルタイムのデータフローとイベント駆動型アーキテクチャに対応
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フェデレーテッド クエリ サービス:インテリジェントなクエリレイヤーにより、多様なデータソースへのアクセスを一元化。データの重複を排除しながら高度な並列処理、ワークロード最適化、AI対応を実現
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コンテナ コンピューティング サービス:Tanzu Platformとの連携により、動的なAI、分析、アプリなどワークロードの要件に応じて、コンピューティング リソースを柔軟にスケーリング可能
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リアルタイムのデータサービス:インメモリおよびトランザクションのデータレイヤーで低遅延のアクセスをサポートし、運用インテリジェンス、デジタル体験、リアルタイムの意思決定を支援
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高度な分析とAI/ML:予測モデル、ベクトル処理、エージェント型ワークフローを組み込み、開発者やデータサイエンティストの迅速な生成AIアプリ構築をサポート
Tanzu Data Intelligenceでは、これらのコンポーネントが相互に連動し、ビジネスインテリジェンスから生成AI、ガバナンスを満たすセルフサービス、スケーラブルなアプリ統合型のデータ体験まで、最新の企業ニーズに応える強力なプラットフォームとして機能します。
Tanzu Hubの拡張機能を備えたTanzu Platform 10.3が実現する、徹底的なセキュリティ透明性とフリート管理
BroadcomのTanzu部門は、アプリのデリバリとAIイノベーションを推進する取り組みとして、VMware Explore 2024でTanzu Platform 10を発表しました。この「処方箋型」で事前エンジニアリングが施されたAIアプリ開発プラットフォームには、ベストプラクティス、コンフィグレーション、最適化が組み込まれており、開発者はアプリの構築とデプロイに専念できます。Tanzu Platformは、サーバのプロビジョニングやネットワーク管理などの複雑なプロセスを抽象化し、コードを本番環境に短時間で展開できるシンプルかつシームレスな開発体験を提供します。
Tanzu Platform 10.3では、Cloud Foundry基盤の研究開発に対する継続的な投資を生かし、プラットフォームエンジニアが運用制御と可視性を向上できる、即利用可能な監視ダッシュボードを提供する予定です。これらの進展は、フリート管理、アプリケーションおよびプラットフォーム全体にわたるセキュリティおよびサービスの正常稼働状況の可視化、さらにエンタープライズ対応のAIアプリケーションおよびサービスを提供するためのAIミドルウェアなど、強力な新機能やユースケースの基盤を形成します。Tanzu Platformは、イノベーションを推進し、アプリチームとプラットフォームチームの双方にVMware Cloud Foundation 9上の卓越したPlatform as a Service(サービスとしてのプラットフォーム)体験を提供します。
Tanzu Platform 10.3の新機能:
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Tanzu Platform Marketplaceでのサービス公開:Tanzu Platform Marketplaceで新サービスを公開でき、アプリ開発者は独自のアプリをサービスとして提供可能。コラボレーションの促進やアーキテクチャの複雑さの解消、スケーラビリティの強化を実現
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AIモデルサービスプランの細分化:新しいAIモデルクォータ機能とWebhookを活用した幅広い統合を可能にするアーキテクチャのアップデートにより、プラットフォームチームは制御、セキュリティ、コスト管理を強化でき、プライベート/パブリックAIモデルにおけるコンプライアンスと責任あるAIの運用を促進可能
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既存アプリポートフォリオのモダナイゼーションの自動化:Tanzu Platform内でアプリのオンボーディングとモダナイゼーション機能を活用し、アプリの移行やモダナイゼーションの特定、リファクタリング、自動化が実現。パフォーマンスの向上、コスト削減、運用負担の軽減を支援
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セキュリティの透明性を確保する新しい脆弱性ダッシュボード:Tanzu Hubに新しく脆弱性インサイトダッシュボードを追加。アプリおよびプラットフォーム コンポーネントのリスクを全面的に可視化し、セキュリティの透明性を徹底し、脆弱性への迅速な優先順位付けとその解消を実現
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統合型データサービス監視機能:Tanzu Hubに統合されたデータサービス監視機能を搭載し、即利用可能なダッシュボードを提供。この新しいダッシュボードにより、アラートやパフォーマンス、トレンド、ボトルネックの可視性を向上
アプリチームのAIアプリデリバリを加速するAIリファレンスアーキテクチャ
Broadcomは、「プラットフォームチームの迅速なAIアプリ開発を支える」というTanzuのミッションのもと、Tanzu Platform向け「AI Starter Kit」を提供します。このキットには、AI対応Tanzu Platformサービスの立ち上げを自動化するツールやカスタムコードに加え、アプリチームが小規模な基盤を構築し、最初のAIアプリをデプロイするまでの手順を詳しく説明した「How-to-Guides」が含まれています。既存バージョンのTanzu Platform(Ops Man 3.0.28以降)を利用している場合、プラットフォームをフルアップグレードすることなく、AI機能をすぐに検証できます。
出典
*1出典: Gartner, A Journey Guide to Deliver AI Success Through AI-Ready Data, July 2025
*2出典: MIT Management, Sloan School, Tapping the power of unstructured data, February 2021
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