OKI、樹脂材料・製品の耐候性加速試験を1日で行う試験受託サービス開始
OKIグループの信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(社長:柴田 康典、本社:東京都練馬区、以下OEG)は、樹脂材料・製品の耐候性加速試験を1日で行う試験受託サービスを、8月17日より開始します。これにより樹脂材料選定などを行う樹脂メーカーや装置開発メーカーは、わずかな試料と1日という短期間で、樹脂材料・製品の紫外線による加速試験が可能になります。
車のヘッドライトに使われているポリカーボネートや、テールランプのアクリル樹脂などの樹脂製品は、紫外線や熱などにより劣化が起こります。樹脂製品の劣化の程度は屋外環境に依存するため、製品の設計段階で耐用年数を考慮した材料の選定が必要です。
OEGは、国内外の規格に対応した耐候性試験(注1)の受託サービスを提供してきました。しかし、国内外の規格に準じた耐候性試験を行うには、数週間から数か月の試験期間が必要で、また評価手法も多岐にわたっています。そのため樹脂メーカーや装置開発メーカーなどでは、樹脂製品の開発や選定をより効率的に行うにあたり、試験期間の短縮と評価方法の簡易化が課題となっていました。
OEGでは、簡易耐候性試験システム(注2)を構築し、1mg程度の樹脂試料に紫外線照射と同時に揮発性生成物の発生ガス分析法(EGA-MS)(注3)による化学的定量分析を行うことで、長期間かかった耐候性試験が、1日の試験期間となり、試験前後での化学的構造の定量評価により、紫外線による劣化度合いが簡易的に評価できるようになりました。
お客様は、材料選定段階で紫外線耐性の結果を短期間で取得でき、また、完成品では従来の規格試験と合わせてワンストップで行うことで、より耐候性の高い製品開発が可能になります。
OEGは今後も、さらに試験技術の向上や設備の充実を図り、あらゆる環境試験・評価に対応範囲拡大をめざし、お客様の製品の開発・製造・販売を支援していきます。
販売計画
標準価格:24万円/検体
販売目標:年間1000万円
サービス提供開始時期:2018年8月17日
用語解説
注1:耐候性試験
自然環境に起因する劣化への耐性を短時間に評価するために、太陽光に近似した人工光源(サンシャインカーボン、キセノンアークランプの二種類の光源)の照射を行い、断続した水の噴射を行う試験。太陽光・温度・湿度・降雨などの屋内外の条件を人工的に再現し、劣化を促進させ、下記の国内外の規格があり、いち早く製品・材料の寿命を予測することを目的としている。
JIS K 7350(プラスチック-実験室光源による暴露試験方法)
JIS D 0205(自動車部品の耐候性試験方法)
JIS B 7753(サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機)
JIS B 7754(キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機)
注2:簡易耐候性試験システム
紫外線照射装置(注4)を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置(Py/TD-GC/MS)(注5)に接続した耐候性試験機のこと。
注3:発生ガス分析法(EGA-MS:Evolved gas analysis mass spectrometory)
試料を昇温加熱することによって発生するガスを質量分析法で検出する方法。
注4:紫外線照射装置
UVランプ(キセノン)などを使用し、紫外線を照射する装置のこと。
注5:熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置(Py/TD-GC/MS)
試料を一定の温度で加熱したときに発生するガスについて、成分の特定と量を分析する装置のこと。
リリース関連リンク
「耐候性試験」紹介サイト
http://www.oeg.co.jp/Rel/weather.html
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