本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』の著者、フェルディナント・フォン・シーラッハが贈る傑作短編集『午後』が11月20日刊行
死や罪悪感に翻弄される純粋で奇妙な人々を描いた全26話
デビュー作『犯罪』が本国・ドイツでクライスト賞を受賞、日本では本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を獲得するなど大ヒットを記録し、その後も数々の傑作を世に送り出しているフェルディナント・フォン・シーラッハの最新作『午後』が11月20日に刊行されました。

『午後』は元弁護士で作家の「私」が世界各国で出会う様々な過去を抱える人々の物語を描いた短編集です。
かつて弁護した依頼人が語った、当時明かさなかった事故死の事情、
イタリア滞在中に隣人女性から打ち明けられた、あまりにも衝撃的な身の上話、
日本で出会ったアメリカ人女性が語る、長年パートナーに隠していた秘密と、突然判明する驚きの事実……など、
それぞれの人が遭遇する、それまでの日常が変わる“出来事”を静かに、端正な筆致で描いています。どの物語も読者の心に確かな余韻を残す、滋味深い作品になっています。
物語の間に挟まれるエピソードも魅力です。トーマス・マンやフィッツジェラルド、ダンサーのイサドラ・ダンカンといった著名人や市井の人々の出来事から生み出された短い言葉も非常に印象的です。

刑事事件弁護士だった著者はこれまで、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた『犯罪』『罪悪』などの短編集や、ドイツで爆発的なセンセーションを巻き起こした本格的な法廷小説『コリーニ事件』、さらに『テロ』『神』といった戯曲など、他にも数々の傑作、ヒット作を生み出しています。

シーラッハ待望の最新作『午後』にぜひご注目ください。
■書誌情報

午後
フェルディナント・フォン・シーラッハ
酒寄進一 訳
判型:四六判上製
ページ数:166ページ
発売日:2025年11月20日
ISBN:978-4-488-01154-3
Cコード:C0097
価格:2,090円(税込)
装画:タダジュン
装幀:山田英春
内容紹介:
台北、東京、マラケシュ、ウィーン、チューリヒ、パリ……。弁護士で作家の「私」は講演会や朗読会で世界各国を訪れ、さまざまな過去を抱える人々と出会う。16年前に弁護したかつての依頼人がマラケシュで語った、当時明かさなかった事故死の事情。イタリアの古い館に滞在中、怪我をした隣人の女性から聞いた衝撃的な身の上話。ベルリンで亡くなった知人の遺言執行者に指名されて知った、彼の唯一の遺産相続人との愛憎半ばする関係──。死や罪悪感に翻弄される純粋で奇妙な人々の物語と、ところどころに挿入された歴史上のエピソードによる全26章は、ページを閉じたあとに、深く鮮烈な余韻を残す。
クライスト賞受賞、日本で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた『犯罪』の著者が贈る新たな傑作短編集!
■著者プロフィール
フェルディナント・フォン・シーラッハ
1964年ドイツ、ミュンヘン生まれ。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。デビュー作である『犯罪』(2009)が本国でクライスト賞、日本で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞した。その他の著書に『罪悪』(2010)、『コリーニ事件』(2011)、『カールの降誕祭(クリスマス)』(2012)、『禁忌』(2013)、『テロ』(2015)、『刑罰』(2018)、『珈琲と煙草』(2019)、『神』(2020)、『午後』(2022)などがある。
■訳者プロフィール
酒寄進一
(サカヨリシンイチ )
ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書として、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に選ばれたシーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞を受賞したコルドン〈ベルリン三部作〉、ノイハウス〈刑事オリヴァー&ピア・シリーズ〉、カシュニッツ『その昔、N市では──カシュニッツ短編傑作選』、ホフマン『牡猫ムルの人生観』、ラーベ『17の鍵』、ヘッセ『デーミアン』『シッダールタ』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』などがある。
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