ServiceNow Japan、2026年度版 企業のAI活用成熟度に関する調査報告書の日本語版を公開
AI活用成熟度は前年より16ポイント上昇、エージェンティックAIを導入する組織は約60%と急増したものの、完全な自律型ワークフローを構築できているのは、わずか9%
ServiceNow Japan合同会社(本社: 東京都千代田区、社長執行役員: 鈴木 正敏 以下、ServiceNow Japan)は本日、今回で3回目となる「Enterprise AI Maturity Index 2026(2026年度版 企業のAI成熟度指数)」の日本語版を公開しました。本調査は、世界19か国12業界の経営層、シニアディレクター、ディレクターを含む4,500人(日本: 300人)と従業員2,000人(日本: 100人)を対象に実施されました。米調査会社ThoughtLabとのパートナーシップにより、ServiceNowが調査・分析を行いました。本調査は、報告書としてまとめられており、AI活用の成熟度を7つの指標で評価した結果、AI投資が急増する一方で、組織の実行基盤が追いついていない実態が明らかになりました。
AI成熟度スコアは上昇したものの、AI投資と実際のビジネス変革の間には依然として隔たり
今回の調査では、企業のAI成熟度スコア(100点満点)が前年の35ポイントから51ポイントへと16ポイント上昇しました。7つの指標のうち、「ビジョンとリーダーシップ」「管理と文化」「データモダナイズ」「AIガバナンス」「AIによる価値の推進」の5つの指標においては、昨年に比べて一定の進展が見られましたが、「人材とスキル」「AIを活用したワークフロー」の2つの指標においては、依然として課題があることが示されました。
「人材とスキル」においては、前年比で最も大きな進展が見られたものの、人間とAIの協働を促すために個別最適化された継続的なAI研修や長期的な人事計画を策定できている組織は、ほとんどありません。また、「AIを活用したワークフロー」の成熟度は最低の40にとどまっており、多くの組織がAIを既存の断片化したインフラに載せ、これまでの業務を自動化するにとどまっていることを示しています。
AIへの投資額は前年比110%増も、実行基盤の整備に課題
AIへの投資額は、わずか1年で110%増加しました。2027年までに、AIへの支出はさらに81%増加すると予測され、組織のIT予算の20.4%を占めることになります。この急激な増加を後押ししているのは、新しいAIソリューションの登場、基盤となるITインフラ刷新の必要性、そして利益、成長、競争力といった成果を出すことへのプレッシャーです。この傾向はあらゆる業界に共通しています。例えば、行政機関のAI支出は前年比140%増加し、調査対象となった業界で最も高い伸びを示しました。これは、最もプロセスに縛られがちな組織でさえも、危機感を持って動いていることを示しています。また、製造業では、数十年にわたるレガシーインフラの上に築かれた業務をモダナイズせざるを得ないプレッシャーによって、支出が126%増加しました。投資が進む一方で、断片化したレガシーシステムを統合プラットフォームに置き換えた組織はわずか16%にとどまっています。残りの組織は、連携の取れていないシステムの上にAIを重ねており、エンドツーエンドの成果を得ることがまだ難しい状況にあります。
エージェンティックAIは普及しているが、自律的な業務は実現していない
昨年の調査では、経営幹部の71%がエージェンティックAIについてよく知らないと回答し、エージェンティックAIのユースケースを試験運用または本番運用している組織は、わずか3分の1でした。今回の調査では、エージェンティックAIを導入している組織の割合は59%へと急増し、さらに30%が試験運用段階にあると回答しており、エージェンティックAIは、わずか1年で大きく普及しました。一方で、完全な自律型ワークフローを構築できていると回答した組織は、わずか9%でした。ほとんどの組織は、エージェンティックAIを、エンドツーエンドのパフォーマンスを最大化し、試行から本番環境へと規模を拡大させるための一貫した運用レイヤーとしてではなく、孤立したアシスタントの集まりとして使用しているのが現状です。
国・地域ごとの課題: 日本はリーダーシップの遅さと意思決定の遅延が課題
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日本: コンセンサス重視の意思決定がAI進展の大きな障壁となっています。合意形成が完了するころにはAIの進化はすでに先へ進んでおり、変化への追随を困難にしています。さらに、日本の従業員の約6割が「自社の経営陣はAI時代の課題に追いついていない」と考えており、リーダーシップ面での課題も浮き彫りになっています。
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米国: AI戦略に対するリーダーシップのコミットメントの欠如が、明らかなギャップとなっています。実際に57%の従業員が、経営陣は急速に変化する市場トレンドについていけていないと考えています。
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英国: AIによる雇用喪失懸念が根強く、前進を急ぐ必要性と従業員を置き去りにしない必要性との間で緊張が生じています。
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フランス: 顧客のAI利用への抵抗が課題となっています。例えば、米国では63%の経営幹部が「顧客はAIを活用した体験に満足している」と回答しているのに対し、フランスではわずか42%にとどまっています。
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ドイツ: 厳格な規制環境と原告に有利な裁判所の傾向から、法的責任や知的財産のリスクが、より大きくのしかかっています。
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オーストラリア: AIが生成したアウトプットへの信頼と責任の所在が、リーダーにとって決定的な摩擦を生む要因となっています。AIが生成するものに確信が持てなければ、進展は始まる前に頓挫してしまいます。
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インド: 他の多くの国よりも、レガシーインフラが大きな障壁となっています。これは、多くの重要なサービスが、後になって低コストのシステム構成でデジタル化され、それが現在は国家的なプラットフォームと強固に結びついているためです。
ペースセッターに学ぶ5つの戦略
「ペースセッター」と呼ぶエリートグループは、他のグループを上回るパフォーマンスを示しています。ペースセッターは、調査対象となった組織の21%を占めており、成熟度スコアが60以上、平均スコアは74に達しています。その他の組織の平均である45や世界平均の51を大きく上回っています。彼らを定義づけるのは予算や業界ではなく、AIを組織の中にどう位置づけるかという根本的な決定です。大半の組織が既存の構造の中にAIを導入しているのに対し、ペースセッターはAIを中心に据えた「AIファースト」の組織を構築しています。これら2つのアプローチの差は、その後に続くAIの導入ごとに複雑に膨らんでいます。
1. ビジョンを定め、組織全体に浸透させる
ペースセッターの57%が、効率化の枠を超えた共通のAI戦略ビジョンを策定しています(その他の組織では21%)。ペースセッターは、AI戦略をトップから一方的に押し付けることはせず、それを組織全体へと浸透させています。ビジョンは広く共有され、具体的な導入計画によって裏付けられ、定義された成果へと結びつけられています。ペースセッターにとって戦略とは、全員で共有する進むべき方向性なのです。しかし、戦略だけでは十分ではありません。それを定着させるのは文化です。ペースセッターは、AIを実戦配備する前に「AIマインドセット」を築き上げます。あらゆる階層でAIに対する責任を定義し、実験的な試みを奨励し、従業員が業務のあり方を再設計できる環境を整えています。
2. データを管理し、AIを解放する
ペースセッターの64%が、デジタル技術を活用してデータを統合・最適化しています(その他の組織では14%)。洗練されたAIエージェントであっても、それを支えるデータが断片化し、サイロ化し、あるいは時代遅れであれば、組織全体で推論し、行動し、確実に実行することは不可能です。クリーンで連携されたリアルタイムのデータは、AIを大規模に役立たせるための必須条件です。ペースセッターは、データモダナイズを単なるITプロジェクトではなく、戦略的な前提条件として捉えています。彼らはレガシーシステムを統合プラットフォームへと刷新し、データの所有権と管理に関する明確なポリシーを確立し、データの移行・作成・管理の方法を向上させるためにAIを活用しています。その結果、組織内のAIが単にデータにアクセスできるだけでなく、行動が必要な瞬間に、文脈に沿った適切なデータを確保できる環境を実現しています。
3. 自動化の先にあるオーケストレーション(統合管理)へ
ペースセッターの58%が、部門横断のワークフロー統合を実現しています(その他の組織では5%)。大半の組織は、一度に一つの課題、一つのツール、一つの部門ずつ進めるという、従来型のテクノロジー投資と同じ方法で自動化を進めています。その結果、個々のタスクは高速化しますが、企業全体は分断されたままになります。ペースセッターは部門を越えてAIを組み込み、連携させ、定型業務が自律的に機能するまで推し進め、孤立したツールの集まりとしてではなく、企業全体のAIエージェント、データ、そして意思決定を調整する統治された運用レイヤーとして機能します。これが自動化の先を行くオーケストレーションです。日常的な調整、割り振りの設定、および実行はAIが処理し、人間の判断力、創造性、そして意思決定がその中心へと移行し、AIと人間が大規模に協働する企業が実現します。
4. AI戦略に見合った人材体制を構築する
ペースセッターの57%が変更管理プログラムを実施しています(その他の組織では7%)。ペースセッターは、一時的な取り組みとしてではなく長期的な視点で考え、AIファーストの組織になるために必要な役割やスキルを明確にした人事計画を立てています。また、新しいアイデアを実験するための専門チームを立ち上げ、時代遅れの働き方を排除するための変更管理プログラムを実施し、AIエージェントと人間を一体となって管理するための新しい構造を構築しています。一人ひとりに合わせたトレーニング、外部とのパートナーシップ、そして体系的なスキル評価を通じて、従業員が次のステージへ進む準備を整えています。
5. ガバナンスを競争優位性として活用する
ペースセッターの54%が「AIソリューション開発にはセキュリティファーストのアプローチが必要」と回答しています。ペースセッターは、AIガバナンスをコンプライアンスの負担ではなく、競争優位性として捉えています。規制の継続的なモニタリング、継続的なリスク評価、そして企業全体でコンプライアンスと責任の所在を追跡するシステムなど、状況に応じて進化するプロセスを構築しています。AIエージェントがより大きな意思決定を担うようになるにつれ、ペースセッターは部門横断的な監視体制を確立し、基準を定義してリスクが生じた際に関与できるようにしています。この結果、すべての自律的な決定は企業のルールに基づき、エンドツーエンドで監査可能で、組織のポリシーに合致することになります。AIにおいて最も迅速に行動している組織とは、人間の判断がどこから始まるのかを、事前に正確に定義している組織と言えます。
以上
ServiceNowについて
ServiceNow(NYSE: NOW)は、ビジネス変革を支える“AIコントロールタワー”です。ServiceNow AI Platformは、あらゆるクラウド、モデル、データソースと連携し、企業全体の業務フローを統合的に管理・自動化します。レガシーシステム、部門ごとのツール、クラウドアプリケーション、AIエージェントを一つにつなぎ、ビジネスのあらゆる領域で「インテリジェンス」と「実行」を結び付ける統合基盤を提供します。年間1,000億件以上のワークフローがプラットフォーム上で稼働しており、ServiceNowは分断されたオペレーションを連動した自律型ワークフローへと進化させ、確かな成果につなげています。ServiceNowがどのようにAIを人々の働き方に活かしているかについては、www.servicenow.com をご覧ください。
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