【イベント案内】ユニセフ・南スーダン現地報告会 『世界一新しい国を襲う危機』 5/21(水)10:00-11:15
武力衝突により自宅から避難している女の子© UNICEF/NYHQ2014-0336/Kate Holt
ユニセフ・南スーダン事務所 山科真澄・子どもの保護専門官による現地報告会を開催
いたします。昨年12月に武力衝突が発生して以降、不安定な情勢が続き、国内外へ避難
した人はこれまでに120万人を上ります。雨季を迎えた現地は衛生状況が悪化。また、
重度の急性栄養不良に陥る子どもたちも急増しており、このままでは最大5万人の子どもが
死亡する危険性が指摘されています。
当日は現地の最新情勢や子どもたちが置かれている状況と課題、特に暴力や搾取、虐待に
ついて報告いただく予定です。つきましては、本報告会へのご出席ならびに開催のご案内
にご協力をいただきたく、お願い申し上げます。
* * *
2011年7月に独立した世界で一番新しい国南スーダン。国際社会の協力を得ながら国づくり
を進めてきたものの、2013年12月に武力衝突が発生し、激化。1月下旬に停戦合意が
成されたものの、情勢は緊迫し続け、ここ1週間でも新たに3万6,000人が避難しています。
首都ジュバをはじめ各地の国連施設へ保護を求め、避難する人は増え続けています。
一方で、避難ができず、支援も受けられないままの住民も大勢います。
現地はすでに雨季に入り、地面はぬかるみ、陸路でのアクセスは困難を増し、衛生環境も
悪化しています。ビニールシートで作ったテントなどで避難生活を送る子どもたちは、
衛生環境の悪化で下痢やマラリアなどの感染症にかかりやすい環境に置かれている一方、
重度栄養不良に陥る子どもも増加の一途をたどっています。多くの人はすでに“飢餓食糧”
と呼ばれる球根や草を食べざるを得ず、このままでは370万人が食糧不足に陥ると
みられています。また戦闘行為に直接的・間接的に関与させられる子どもは、少なくとも
9,000人以上と推計されています。
ユニセフ・子どもの保護担当官の山科真澄さん©UNICEF South Sudan/2014
山科氏自身もまた、戦闘に巻き込まれたひとりです。2月末に上ナイル州のマラカルで、
国連施設内外で戦闘が発生し、命の危険と隣り合わせの緊迫した中で支援を続けました。
「私が、ユニセフで子どもの保護専門官の仕事に就いたときには、まさか子どもの遺体を
埋葬する日が来るとは、思ってもいませんでした」-それでも子どもたちのための支援を
決意した山科氏。当日は、現地の状況に加え、家族とはぐれた子どもたちの保護や子ども
の心のケアなどを行う「子どもにやさしい空間」など子どもの保護分野の活動を中心に
報告する予定です。
* * *
ご多忙と存じますが、本報告会にご参加・ご取材いただきたく、ご案内申し上げます。
●南スーダン現地報告会 『世界一新しい国を襲う危機』●
日時: 2014年5月21日(水)10時00分~11時15分(開場:9時30分)
場所: ユニセフハウス1階ホール
(〒108-8607 東京都港区高輪4-6-12 JR品川駅または都営浅草線高輪台駅より徒歩7分)
登壇者:ユニセフ・南スーダン事務所 子どもの保護専門官
山科真澄(やましな ますみ)氏
◆お問い合わせ先:日本ユニセフ協会 広報室行◆
TEL:03-5789-2016 FAX:03-5789-2036 jcuinfo@unicef.or.jp
■ご芳名:
■貴社名: ■ご所属部署名等:
■TEL: ■FAX:
■携帯電話: ■E-mail:
■撮影 □ あり (スチール/ムービー) □ なし
※ 準備の都合上、ご参加をご検討いただけるみなさまにおかれましては、5月21日(水)
午前9時までにお申込をいただけますようお願い申し上げます。空席があれば、当日の
ご参加も可能です。
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■参考情報
<数字で見る概況…ユニセフ・南スーダン事務所 情勢レポート5/6付より>
・昨年12月15日以降、自宅を離れ避難生活を送っている人 95万9,000人
・上記のうち、18歳未満の子ども 51万2,823人
・上記のうち、周辺国へ避難した人(含・子ども) 29万3,200人
内訳:ウガンダ9万8,300人、エチオピア9万7,200人、スーダン6万3,400人、
ケニア3万4,300人
・国内で支援を必要としている人のうち、支援を受けている人の割合
16%(10人のうち約2人)
・2014年上半期に必要な人道支援額 7,510万米ドル
(約76億6,020万円、1米ドル=102円で換算)
<現地の様子とユニセフの取り組み>
ユニセフ・南スーダン事務所 情勢レポート5/6付より
・上ナイル州で緊迫した状況が続き、4月23日に同州最北部のRenk Countyで激しい
戦闘が発生
・未確認ではあるが、およそ3~4万人が自宅を離れ、Renk Countyの南にあるMelutに
向かっているとの情報
・ベンティウやボルでは緊張が続き、国連施設内への避難者は増加の一途、ユニセフ
は給水支援を強化
・治安が悪く陸路での支援は難しいため、空路で物資の輸送を行っているが、機体や
空港が不十分、大雨などで十分に行えず
・国連機関合同による取り組みで、保健や食糧、栄養、子どもの保護など複数の支援
をまとめて実施できる拠点づくりが進む
・今年1月以降、栄養不良と診察された子どもは34万4,557人
・雨季は作付け期だが、戦闘悪化や避難で作付けができない場合、重度の急性栄養不良
になる子どもが急増する恐れ
・これまでに、子どもの保護サービスを受けた子どもは2万5,855人の子ども
・子どもが安心して過ごせ、遊ぶことができる「子どもにやさしい空間」を設置し、
心のケアを実施
・戦闘激化に伴い、保護のニーズは高まる一方
・ボルとベンティウでは戦闘激化で、新たに63名の子どもが家族とはぐれた状態で、
状況を確認中、領地ではぐれている子どもはのべ184人(9名が里親のもとへ、5名は
家族のもとへ)
・国連施設内と避難所、施設外に避難している子どもたちを確認したところ、新たに
135名が家族とはぐれていることを確認、計3,501人が家族とはぐれていることに
(これまでに268人が国内で家族と再会し、350人が家族や親族と電話で連絡がつき、
650人が里親のもとへ)
・これまでに、学齢期の子ども1万6,718人が緊急下の教育プログラムに参加
・臨時学習スペースや屋外へのテントの設置などを進めている
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