令和ママの授乳課題と「令和の子育てと授乳に必要な3つのこと」を発表|ピジョン にっこり授乳期研究会「授乳期母子状況調査」結果報告会を開催

~専門家による解説、ママによる授乳体験談・夫婦の子育て・産後ケアエピソードも~

ピジョン株式会社

ピジョン株式会社(本社:東京都中央区、社長:矢野 亮)は、授乳期におけるママの最新情報と、2014年から2024年までの10年間の比較から明らかになった実態および課題について、2025年5月15日(木)に「授乳期母子状況調査」結果報告会を開催いたしました。本報告会では、調査を協同した「ピジョン にっこり授乳期研究会」の医師や助産師が調査結果に対する見解を共有。さらに、母乳やミルクで授乳期を過ごすママと専門家によるパネルディスカッションも実施し、さまざまな視点から意見を交わし理解を深めました。

【報告会の主要トピックス】

  • 報告会では、まず「授乳期母子状況調査」の調査結果として、「妊娠期の授乳準備」「授乳実態の変化」「周囲のサポートによる影響」をテーマにして、令和のママの授乳課題を報告しました。その後、しあわせ授乳につながる「令和の子育てと授乳に必要な3つのポイント」(下図右)を、提言として発表しました。

「授乳期母子状況調査」結果報告
令和の子育てと授乳に必要な3つのポイント
  • 専門的な視点や解説を伝える機会として、当研究会の専門家4名が登壇。小児科医・助産師から妊娠中の心構えや自分たちらしい家族関係のつくり方、退院後に自分たちの子育てに伴走してくれる専門家の探し方、授乳や母乳育児について幅広くお話しいただきました。

  • パネルディスカッションにはママと専門家が登壇し、「授乳経験」「夫婦での育児」「産後ケア」などをテーマに、授乳の実体験をお話いただくとともに、専門家から専門的知見を交えご助言いただきました。リアルな声と専門的視点が重なり合う、気づきの多い時間となりました。

ママと専門家によるパネルディスカッション

【結果報告会アーカイブ動画】(2025年6月16日(月)10:00まで視聴可能)

https://youtu.be/QtckJRe0FSc


【報告会での発表内容】

■ 「授乳期母子状況調査」結果報告

川合 陶子

ピジョン株式会社 ベビーケア事業本部 事業推進部 PRグループ/「ピジョン にっこり授乳期研究会」リーダー

 「ピジョン にっこり授乳期研究会」が実施した調査(※1)では、令和ママの授乳課題として、「妊娠中の情報収集・指導不足は、産後ママにとって大きな課題であること」「母乳を中心に与えているママの割合が大幅に減っていること」「ママに良い影響を与える『周囲に頼れる環境づくり』が重要であること」がわかりました。結果を受けて当研究会としては、妊娠中から授乳に関心を持つための情報と母乳育児の情報発信、またパパはもちろん、実母や専門家など周りに頼ることの啓発が引き続き必要であると考えています。

 特に育児を始めて間もない0~5ヵ月児の母親にとって、子どもの育児について最も頭の中を占めている「授乳」(※2)がしあわせであるために、「令和の子育てと授乳に必要な3つのポイント」をまとめました。ポイントは「ご家族と妊娠中から赤ちゃんのいる生活をイメージしてみること」「退院後こそ、専門家に積極的に頼ること」「まずは、はじめてみること」の3点です。妊娠中の準備不足が課題である一方、妊婦さんの多くがこれから迎える出産を不安に思い、頭がいっぱいになりがちです。産後の生活を想像して、ワクワクしてほしいと考えています。具体的には、妊娠中に起こる体とこころの変化に目を向け、新しく自分たちらしい家族関係を築いていくことを想像すること、赤ちゃんの育つパワーを感じ、親子のふれあい・コミュニケーションである授乳を楽しみ思うことなどです。

 また、周りに頼れる環境があるママは授乳が順調に進みやすく、母親としての幸福度が高いという結果から、専門家にはぜひ頼ってほしいと思います。頼る上で重要なのは、「自分が安心できる専門家を妊娠中に見つけておくこと」と「専門家には困る前から自分の子育てに伴走してもらうこと」。自分たちの子育てに伴走してくれる専門家がいることで、より育児や授乳がうまくいきやすくなり、親の気持ちにも余裕が生まれます。

※1 調査結果リリースもあわせてご覧ください URL:https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20250515_2.pdf

※2 「子どもの育児について頭を占めるものTOP『授乳』42%」 2022年5月ピジョン調べ 育児総合調査 対象: 0~5ヵ月児のママ n=250

■ 「ピジョン にっこり授乳期研究会」専門家による講演

「ご家族と妊娠中から赤ちゃんのいる生活をイメージしてみること(体とこころ編)」

宮下 美代子先生(助産師)

みやした助産院 院長/NPO法人WooMoo 理事長

 多くの母親から、「産後の授乳はもっとスムーズに出来ると思っていた。と言う声があがってきます。実は、妊娠中から乳房が大きくなったり、夜中に目が覚めたりする現象が「授乳の準備」であるので産後赤ちゃんに授乳するイメージをして楽しみにしていてくださいね。

 また、妊娠中から規則正しい健康的な生活を心がけることが、「産む力」をつけていき、産後の「育てる力」となり、母乳分泌にも繋がります。母乳育児は「栄養面でなく、母乳を与えながら育児そのものが楽しくなること」ですので、母親と生まれてくる子どもが共に体もこころも元気であることが大切です。ぜひ、ワクワクしながら妊娠期を過ごし、授乳・子育てを満喫してください。

「ご家族と妊娠中から赤ちゃんのいる生活をイメージしてみること(ご家族編)」

堀内 勁先生(小児科医)

聖マリアンナ医科大学 小児科学教室 名誉教授/日本周産期精神保健研究会 顧問

 赤ちゃんの存在は、夫婦2人だけだった家族の関係に大きな変化を与えます。妊娠中から、2人で産後の生活をイメージする時間をつくりましょう。子育てという共通の時間を過ごすママ、パパはそれまでそれぞれの「物語」を歩んできました。妊娠、出産を経て、子育てという共通の時間を過ごす準備として、お互いが育ってきた背景などを話し合うことが育児のはじまりです。また、ママは妊娠、出産のなかで体が変化していきます。パパはその変化を身近で感じることが、親になるために必要なプロセスだと考えています。

 胎児は、外部からの声かけやふれあいを感知していることが医学的にも明らかになっています。妊娠中はママだけでなく、パパも積極的に赤ちゃんとのふれあいを楽しんでいただき、子育てでは、ママ・パパお互いの得意を活かし、尊重して助け合いながら取り組んでほしいです。

「退院後こそ、専門家に積極的に頼ること」

市川 香織先生(助産師)

東京情報大学 看護学部看護学科 教授/一般社団法人 産前産後ケア推進協会 代表理事

 退院後に頼ることができる専門家は、助産師や保健師、医師、心理士などがあります。例えば、助産師は体の痛みやおっぱいトラブル、育児全般の悩みを打ち明けることでケアや助言をしてくれます。保健師は育児中の相談相手であり、地域の情報を把握しています。体やこころに悩みがあれば、医師や公認心理師を頼ってみてください。もし、相談先が分からない場合は保健センターなど自治体の窓口に連絡してみてください。悩みが生じてから相談先を探すのは、余裕がなく大変に感じることもありますので、妊娠中から探しておくことをおすすめします。

 専門家以外には、産後家事ヘルパーや産後ドゥーラ、ママ友、祖父母など生活面や育児における頼り先があります。子育てでは、悩みを抱えて孤立してしまう前に、専門家や周囲の方々に積極的に頼ったり、自治体の窓口を訪れ相談したりしていくことが大切です。

「まずは、はじめてみること」

加部 一彦先生(小児科医)

埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター 新生児部門 小児科特任教授

 授乳は、赤ちゃんとの大切なふれあい・コミュニケーションの時間です。慣れるまでに少し時間はかかりますが、繰り返しながら赤ちゃんの様子を見て、授乳の姿勢を変えたり、乳首のくわえさせ方を変えたりしてみましょう。赤ちゃんも飲み方を工夫して、慣れてくるとよりよく飲める姿勢や吸い方を見つけるようになります。

 母乳は人間を成長させるパワーを持っています。最近は粉ミルクも改良されてきましたが、母乳に含まれる免疫物質やヒトミルクオリゴ糖は、赤ちゃんの腸内環境を整えるための大切な働きをしています。なかでも産後数日間に出る初乳は特に重要です。

 母乳もミルクも、どの授乳においても、「単なる食事の時間」と考えることなく、「特別なふれあい・コミュニケーションの時間」と考え、ワクワクしながら取り組んでほしいと思います。

■ママと専門家によるパネルディスカッションの概要

 パネルディスカッションには、現在の授乳方法が母乳のみ、混合授乳、ミルクのみに切り替え予定のママ3名と小児科医・助産師の専門家4名が3つのテーマに分かれ登壇しました。

 混合授乳をしているママは「母乳はがんばって吸っている姿が純粋にかわいく、ミルクでは飲んでいる量が客観的に見え、栄養が摂れているとわかることがうれしい」と振り返りつつ、「乳房が張って辛かった時期もあり、子どもが吸えているのか、量は足りているのかと不安に思う時期もありました」と体験談を語ると、堀内先生は「育児や授乳のスタイルは十人十色であると、ママの体験談を聞き改めて実感しました。ご登壇されたママ皆さんが、それぞれの状況に柔軟に対応されており素晴らしい限りです。育児や授乳は、思い通りにいかないことの連続。試行錯誤の中で子どもがママ・パパへ多くの学びを与えてくれます。また、子どもと向き合うことで、ママ・パパの中にある様々な側面が引き出されるきっかけになります」と話されました。

 「夫婦の育児体験談」というテーマでは、ママの1人は、パパと育児分担をするためのリストとシフト表を妊娠中に作成したものの、産後はシフト表通りではなかったことをお話くださいました。「夫が協力的で、シフトのようにきっちり分担しなくても助け合えました。リストには『私の気持ち』として不安に思っていることと、『夫にしてほしいこと』を書いていたので、それを事前に伝えられたのは良かったと思います」と振り返りました。

 育児休暇に関する法改正などパパの育児参加を後押しする社会的な機運の高まりも踏まえ、加部先生は「妊婦健診にパパが同席したり、パパが赤ちゃんを乳児検診に連れてきたりするケースが増えました」とし、「以前に比べると、はるかに協力的で、育児に積極的なパパが増えてきていると実感します」と現状を説明しました。

 市川先生は、話題になることの多い「夜間授乳」について触れ、「例えば、ママとパパで分担を決めて、パパが夜間授乳を担当する場合でも、産後で睡眠が浅いママが目を覚ましてしまうことがあります。そうした時には、パパが授乳の準備をしている間にママが少しおっぱいを吸わせておき、その後、パパがミルクを与えるなど協力しながらやってほしいです」と、柔軟な「夜間授乳の乗り越え方」の一例を紹介しました。

 最後に、「私の産後ケア体験談」をテーマに宮下先生と、みやした助産院で産後ケアを受けたママが登壇。母乳ケアや赤ちゃんのお世話、夫婦間の悩み、気持ちが沈みそうなときなどに相談し、パパ外来も活用したと振り返り、「宮下先生やスタッフの皆さんが優しく受け入れてくれ、甘え方や頼り方を知りました。自分にとって専門家は『子育ての伴走者』と感じています」と話すと、宮下先生は「産後ケアなどでママの気持ちがほぐれると、次第に身体もほぐれていきます。育児の中で『困った』と感じた時に、それを言葉にすることは成長の一歩です。一人で抱え込まず、専門家や仲間、信頼できる相手に相談することを大切にしてほしいです」と締めくくりました。

■参考

・しあわせ授乳につながる「令和の子育てと授乳に必要な3つのポイント」

しあわせ授乳につながる「令和の子育てと授乳に必要な3つのポイント」
1つ目のポイント「ご家族と妊娠中から赤ちゃんのいる生活をイメージしてみること」
2つ目のポイント「退院後こそ、専門家に頼ること」
3つ目のポイント「まずは、はじめてみること」

・ピジョン にっこり授乳期研究会

 育児用品メーカーのピジョン株式会社と、産婦人科医、小児科医、助産師、公認心理師などの専門家による、親子の授乳期におけるさまざまな課題へのソリューションを考えるプロジェクト。

 当社がモノづくりで蓄積してきた研究や調査をベースに、専門家と共に授乳期への理解を深め、議論を行いながら、ご家族に「にっこり」を届けることをゴールに、2015年に発足しました。

URL:https://www.smile-lactation.com/jp/

・ピジョン株式会社

 ピジョンの存在意義である「赤ちゃんをいつも真に見つけ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」に基づき、企業として、商品やサービスをお届けするだけではなく、育児を支える社会の一員としてどうあるべきか。その姿勢を、専門家の方々とのプロジェクトを通じて、少しずつ形にしていきたいと考えています。

もしも母乳が出なくても

ママのその時の気持ちを専門家に相談し、周囲のサポートを得ながら、ミルクを足していけるといいでしょう。もしも母乳が出なくても、不安になる必要はありません。


ピジョン株式会社

ピジョン株式会社

ピジョンは、育児用品をはじめ、マタニティ用品・介護用品・保育サービスなどを手掛けるブランドです。
60年以上に亘る研究に基づき、製品やサービスを提供することによって、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にしたいと考えています。
ピジョンは、赤ちゃんが生まれながらに持つ素晴らしい力を育み、すべての赤ちゃんがありのままに輝ける世界の創造を目指していきます。

赤ちゃんにやさしい未来に向けた世界中に広がる私たちの取り組みを下記でご紹介しています。
https://www.pigeon.co.jp/vision-of-a-baby-friendly-future/

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会社概要

ピジョン株式会社

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URL
https://www.pigeon.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区日本橋久松町4-4
電話番号
03-3661-4188
代表者名
矢野 亮
上場
東証1部
資本金
51億9959万円
設立
1957年08月