【慶應義塾】運動ニューロンの制御因子としてQuaking5を発見
-運動ニューロン疾患の病態解明に期待-
これまで、運動ニューロン疾患の原因分子または病態関連分子として、様々なRNA結合蛋白質が同定されていますが、なぜ運動ニューロンが選択的に変性し、脱落するのかという根本的な疑問に関しては解明されておらず、根治的な治療法の確立には至っていません。今回、本研究チームは脊髄に存在する多くのニューロンの中で、運動ニューロンに特異的にQki5が発現し、機能していることを突き止めました。さらに、Qki5が運動ニューロン特異的な選択的スプライシング制御をしていること、ストレス応答分子機構に対して抑制的に働くことにより、運動ニューロンの保護的な役割を果たしていることを発見しました。本研究成果は、RNA制御を介した運動ニューロンの維持の新しい分子経路を明らかにしたことにより、今後の運動ニューロンの細胞機能の解明および運動ニューロン疾患の病態解明や新たな創薬を含む治療法開発につながることが期待されます。
本研究成果は、2024年9月3日に米国科学アカデミー(National Academy of Sciences[NAS])が発行する国際学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America [PNAS]」のオンライン版に掲載されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/9/4/240904-1.pdf
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