ケールジュースの長期摂取が子どもの健康維持や成長を助ける
なお、本研究の成果は、5月11日~13日に開催された第72回日本栄養・食糧学会(於:岡山県)で発表しました。
<研究結果>
ベトナム、ハノイ市内の小学校に通う健康な小学校2年生~4年生の男女602人を対象に試験を実施しました。試験方法は、ミネラル農法※2で栽培した日本国産ケール(写真)生葉120g分を1杯分としたジュースを毎日飲むグループ(以下、ケール群)と、ケールのジュースを飲まないグループ(以下、コントロール群)に分かれ、ケール群には約8カ月間ジュースを飲み続けてもらい、その後コントロール群と比較しました。比較内容は、身長と体重、握力、視力、上気道感染症(=風邪症候群 以下、風邪と表記)の発症状況です。
その結果、ケール群はコントロール群と比較して、身長が伸びた結果が得られ(図1)、体重や握力も増加していました。また、裸眼視力が1.0未満の子どもの割合は、コントロール群よりケール群が少ないという結果でした(図2)。さらに、調査期間中に風邪を発症した子どもの割合も、コントロール群が75%に対して、ケール群が41%と発症率が低くなっていました(図3)。風邪の罹病日数※3もケール群の方が短いことが確認され、ケールのジュースを長期間飲むことによって、風邪にかかりにくく、回復も早いことが分かりました。
これらの結果から、ケールのジュースを習慣的に摂取することが、子どもの身体の発育に良い影響を与え、健康維持および成長を助けることが分かりました。
<研究背景・目的>
昨今、発育の重要な時期である幼少期から児童期において、食生活における栄養素の偏り、肥満ややせすぎの増加などが問題となり、生涯にわたる健康への影響が懸念されています。また、特に東アジアでは近視の急増も問題となっています。
青汁の原料としても知られるケールは、他の野菜と比較してビタミン類やミネラル、抗酸化成分などの栄養素が豊富に含まれており、その健康効果についてはこれまでも数多く報告されています。当社でもケールの機能性において、骨量減少抑制の可能性、膝関節痛の緩和、スギ花粉アレルギー症状とアトピー性皮膚炎の緩和などを報告してきました。このように、ケールは多岐にわたる機能が期待されることから、幼少期や児童期の身体の発育や健康にもつながると考えました。
そこで本研究では、小学生にケールのジュースを毎日飲用してもらい、体格や握力、視力、風邪の発症状況に及ぼす影響を調べました。
<今後の研究>
当社では、これまでにケールが持つ豊富な栄養素や高い機能性を確認し、ケールにこだわった青汁製品や関連製品の開発を行ってまいりました。ケールを絞った青汁は、大人から子どもまで日常の食生活に気軽に取り入れていただける健康食品として知られています。今回の研究は、それらの製品に対して「野菜嫌いの子どもも、嫌がらずに飲んでいます」、「健康のために子どもと一緒に毎日飲んでいます」といった、お子様の栄養バランスに気を配り、その一助としてケールの青汁を飲用していただいているお客様の声がヒントになっています。今後もケールの機能性研究を追求し、お客様の健康にお役立ていただけるような製品開発を進めてまいります。
【用語解説】
※1国立栄養研究所:ベトナム保健省(Ministy of Health)の管轄下にあり、栄養学、食品の安全性と衛生管理、ベトナム国民の臨床栄養の分野における研究などをリードする機関
※2ミネラル農法:毎年の土壌分析をもとに過剰な成分を抑え、足りない成分を補う土壌からこだわった栽培方法
※3罹病日数:病気のかかりはじめから症状がなくなるまでの日数
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