ノバルティス、さらなる利益率改善と研究開発における重要なマイルストーンを達成し、成長を継続
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2023年2月1日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
2022年通期
2022年第4四半期
自己株式購入、配当金ならびに2023年通期業績予想
2023年2月1日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2022年の業績について、次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、グローバルな規模と研究開発基盤を生かしたユニークな位置付けを持つ、真のイノベーティブ メディスン カンパニーへの転換に向けて順調に歩みを進めています。数10億米ドルの売上高が期待される6つの成長製品5の売上高は26%拡大し、今ではイノベーティブ メディスンの売上高全体の32%を占めています。Pluvictoおよびセムブリックスは上市後に優れた業績を達成しており、Leqvioの上市も引き続き前進しています。Iptacopanの2つの試験ならびにPluvictoの治療のより早い段階での使用に関する試験の主要な第III相データは、短期から中期の成長への大きな自信となるものです。その先の将来に関しても、ノバルティスは、中期的に15件の主要データの入手が見込まれる豊富なパイプラインを持っています。ノバルティスは、世界で最も信頼され、価値のある医薬品企業となるための道筋において、財務業績の改善と環境・社会・ガバナンス(ESG)基盤の強化を引き続き実現できると見込んでいます」
主要数値1
戦略アップデート
事業の集中
2022年、ノバルティスは、真のイノベーティブ メディスン カンパニーへの転換を行う新たな集中化戦略を発表しました。ノバルティスは、5つのコア疾患領域(循環器、イムノロジー、中枢神経、固形腫瘍、血液腫瘍)に焦点を定め、これらのすべての疾患領域で、疾患による負担を軽減し、大きな成長が見込まれる、上市済みならびに開発中の複数の有力な製品を有しています。ノバルティスは、構築済みの2つの技術プラットフォーム(化学、バイオ医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞療法、放射線リガンド療法、xRNA)の研究開発力および生産規模の拡大に優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長に焦点を当てています。
優先事項
サンドの完全独立の計画
サンドの完全独立の計画は、2023年下半期の完了に向け順調に進んでいます。事業独立の完了は、労使協議会や従業員代表との協議(必要に応じて)、全般的な市場の状況、税務上の決定および意見の受領、ノバルティスの取締役会による最終承認、スイス会社法に則った株主による承認など、特定の条件を満たすことを前提としています。今回の事業独立によるノバルティスの法人税への影響は中立となる見込みです。
財務業績
2022年第4四半期(10~12月)
2022年第4四半期の売上高は、販売量の10ポイントの伸びが、価格低下による3ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による4ポイントのマイナス影響により一部相殺され、127億米ドル(4%減、実質ベース 3%増)となりました。
営業利益は、主に先に発表した合理化された組織モデルの導入に伴う事業再編費の拡大(6億米ドル)が主な要因となり、19億米ドル(24%減、実質ベース 14%減)となりました。
純利益は、前年同期に計上されたロシュ 社からの収益146億米ドルの影響により15億米ドル(91%減、実質ベース 90%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いた純利益は、2%増加(実質ベース)しました。1株当たり純利益(EPS)は、0.69米ドル(91%減、実質ベース 89%減)でした。ロシュ社からの収益の影響を除いたEPSは、7%増加(実質ベース)しました。
コア営業利益は、売上高の増加ならびに先に発表した合理化された組織モデルの導入に伴う初期の費用節減効果を含む生産性向上に牽引され、40億米ドル(6%増、実質ベース 15%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.9ポイント拡大(実質ベース 3.5ポイント増)し、31.8%となりました。
コア純利益は、コア営業利益の拡大が、ロシュ社からのコア収益がなくなったことにより一部相殺されたことが主な要因となり、33億米ドル(4%増、実質ベース 14%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコア純利益は、17%の伸び(実質ベース)を示しました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.52米ドル(9%増、実質ベース 19%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、23%拡大(実質ベース)しました。
フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加と無形資産の購入が少なかったことが主な要因となり、36億米ドル(米ドルベース 17%増)となりました。
イノベーティブ メディスンの売上高は、主にエンレスト、ケシンプタ、Pluvicto、Kisqaliの好業績が続いたことに伴う販売量による11ポイントの貢献があり、104億米ドル(3%減、実質ベース 3%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、ジレニア、エクジェイド、アフィニトールを中心に5ポイントに上りました。価格によるマイナス影響は、米国におけるコセンティクスの2022年1-9月期の収益控除に伴う調整による約1ポイントを含め、3ポイントでした。さらに、第4四半期の売上高の伸びは、前年同期に委託製造分の収益がその他収益から売上高に組み替えられたこともマイナスに作用しました。委託製造分の収益の組み替えの影響を除いた売上高の成長率は、4%(実質ベース)でした。米国の売上高は42億米ドル(7%増)、その他の地域での売上高は62億米ドル(9%減、実質ベース 1%増)となりました。
サンドの売上高は、23億米ドル(8%減、実質ベース 0%増)となりました。販売量による5ポイントの貢献があったものの、価格によるマイナス影響も5ポイントに上りました。欧州の売上高は13億米ドル(7%減、実質ベース 3%増)、米国の売上高は429百万米ドル(10%減)、その他の地域の売上高は612百万米ドル(8%減、実質ベース 1%増)でした。売上高は、前年同期のバイオ医薬品の委託製造分の組み替えによるマイナス影響を受けました。このマイナス影響を除いたサンドの売上高の成長率は、1%(実質ベース)でした。バイオ医薬品の全世界での売上高は、欧州、カナダ、中南米での成長があり、517百万米ドル(7%減、実質ベース 3%増)に拡大しました。
2022年通期
2022年通期の売上高は、販売量の11ポイントの伸びが、価格低下による4ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による3ポイントのマイナス影響により一部相殺され、505億米ドル(2%減、実質ベース 4%増)となりました。
営業利益は、主に先に発表した合理化された事業モデル導入に伴う事業再編費の拡大(12億米ドル)、減損費用の増加(10億米ドル)、売却益の減少(6億米ドル)が主な要因となり、92億米ドル(21%減、実質ベース 13%減)となりました。
純利益は、前年に計上されたロシュ社からの収益による影響を受け、70億米ドル(71%減、実質ベース 67%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いた純利益は、9%の低下(実質ベース)を示しました。1株当たり純利益(EPS)は、3.19米ドル(70%減、実質ベース 66%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いたEPSは、7%減少(実質ベース)しました。
コア営業利益は、売上高の増加によるプラス要因が、研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、167億米ドル(0%、実質ベース 8%増)となりました。コア売上高営業利益率は、0.9ポイント上昇(実質ベース 1.3ポイント増)し、33.0%となりました。
コア純利益は、コア営業利益の増加がロシュ社からのコア収益がなくなったことにより一部相殺され、134億米ドル(5%減、実質ベース 3%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコア純利益は、11%の伸び(実質ベース)を示しました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、6.12米ドル(3%減、実質ベース 6%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、14%拡大(実質ベース)しました。
フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の減少と売却益の減少が、有形固定資産の購入費の減少により一部相殺されたことが主な要因となり、119億米ドル(米ドルベース 10%減)となりました。
イノベーティブ メディスンの売上高は、販売量が12ポイント拡大し、413億米ドル(2%減、実質ベース 4%増)となりました。売上高の伸びは、主にエンレスト、ケシンプタ、Kisqali、Pluvicto、コセンティクスの継続した好業績に牽引されました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、ジレニア、アフィニトール、グリベックを中心に4ポイントに上りました。価格によるマイナス影響は、4ポイントでした。米国の売上高は159億米ドル(6%増)、その他の地域での売上高は254億米ドル(6%減、実質ベース 3%増)となりました。
サンドの売上高は、92億米ドル(4%減、実質ベース 4%増)となりました。販売量による貢献は10ポイントあり、価格によるマイナス影響は6ポイントでした。欧州の売上高は49億米ドル(7%減、実質ベース 4%増)、米国の売上高は18億米ドル(4%減)、その他の地域の売上高は26億米ドル(2%増、実質ベース 9%増)でした。バイオ医薬品の全世界での売上高は、21億米ドル(1%減、実質ベース 9%増)に増加しました。
2022年第4四半期の成長の主な原動力
第4四半期の業績は、以下を含む成長の主な原動力への継続的なフォーカスに下支えされました(第4四半期の売上高の伸びに対する実質ベースでの貢献順):
2022年 イノベーティブ メディスン 売上高上位20製品
研究開発関連のアップデート ― 第4半期の主な進捗
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことは、今後も引き続き優先されます。
2022年通期、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、2021年12月に発表した最大で150億米ドルの自己株式購入の一環としての1億1,530万株(99億米ドル)、ならびに社員持ち株制度による希釈化影響を軽減するための1,090万株(9億米ドル)を含め、合計1億2,620万株の自己株式を108億米ドルで買い戻しました。さらに、140万株(1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2022年通期に、社員持ち株制度関連のオプション権行使ならびに株式受け渡しにより、1,230万株(株式価値9億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2021年12月31日時点と比べて1億1,530万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が100億米ドル減少するとともに、現金支出(純額)は106億米ドルとなりました。
2022年12月31日現在の純負債額は、2021年12月31日時点の9億米ドルから72億米ドルに増加しました。純負債額の増加の主な要因は、75億米ドルの年間配当金の支払いと106億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)が、2022年通期のフリーキャッシュフロー119億米ドルによって一部相殺されたことです。
2022年第4四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ投資家サービスがA1、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。
2023年通期業績予想
外国為替の影響
2023年1月下旬の為替レートが2023年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2023年通期での為替の影響は、売上高に対し0からプラス1ポイント、コア営業利益に対しマイナス1ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は140カ国以上におよびます。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.com
以上
- 売上高は4%増(実質ベース1、米ドルベース 2%減)、コア営業利益は8%増(実質ベース、米ドルベース 0%)
- イノベーティブ メディスン(IM)の売上高は4%増(実質ベース、米ドルベース 2%減)となり、コア営業利益は8%増(実質ベース、米ドルベース 0%)、IMのコア売上高営業利益率は36.9%(1.3ポイント増)を達成
- o サンドの売上高は4%増(実質ベース、米ドルベース 4%減)となり、コア売上高営業利益率は1%減(実質ベース、米ドルベース 8%減
- 営業利益は13%減(実質ベース、米ドルベース 21%減)となり、主に事業再編関連費および減損費用の増加の影響を受ける。純利益は67%減(実質ベース、米ドルベース 71%減)、ロシュ社からの収益の影響を除くと9%減(実質ベース)2。フリーキャッシュフローは、119億米ドル(米ドルベース 10%減)
- コアEPSは6%増(実質ベース、米ドルベース 3%減)の6.12米ドル;ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、14%増(実質ベース)
2022年第4四半期
- 売上高は3%増(実質ベース、米ドルベース 4%減)、コア営業利益は15%増(実質ベース、米ドルベース 6%増)となり、主に売上高の増加と生産性向上が寄与
- イノベーティブ メディスン(IM)の売上高は3%増(実質ベース、米ドルベース 3%減):エンレスト(実質ベース 44%増)、ケシンプタ(実質ベース 157%増)、Pluvicto(179百万米ドル)、Kisqali(実質ベース 33%増)などの成長製品が牽引
- サンドの売上高は前年同期比横ばい(実質ベース 0%、米ドルベース 8%減)となり、バイオ医薬品が引き続き伸長
- 2022年第4四半期のイノベーションにおける主なマイルストーン:
- Pluvictoの第Ⅲ相PSMAfore試験において、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者に対する肯定的な結果が得られる;欧州委員会(EC)が進行性PSMA陽性mCRPC適応を承認
- Iptacopanの第Ⅲ相APPLY-PNH試験において、難治性発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)患者に対する抗C5抗体薬と比較したiptacopanの優越性が立証される
- Iptacopanの第Ⅲ相APPOINT-PNH試験が、補体阻害薬による治療を受けたことがないPNH患者における主要評価項目を達成
自己株式購入、配当金ならびに2023年通期業績予想
- 発表済みの最大で150億米ドルの自己株式購入を継続;49億米ドル分が未実施3
- 2022年の年間配当金は、3.2%増の1株当たり3.20スイスドルを提案
- 2023年通期業績予想4 ― グループの売上高は一桁台前半から半ばの成長率、コア営業利益は一桁台半ばの成長率を予想。IMの売上高は一桁台前半から半ばの成長率、コア営業利益は一桁台半ばから後半の成長率を予想
2023年2月1日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2022年の業績について、次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、グローバルな規模と研究開発基盤を生かしたユニークな位置付けを持つ、真のイノベーティブ メディスン カンパニーへの転換に向けて順調に歩みを進めています。数10億米ドルの売上高が期待される6つの成長製品5の売上高は26%拡大し、今ではイノベーティブ メディスンの売上高全体の32%を占めています。Pluvictoおよびセムブリックスは上市後に優れた業績を達成しており、Leqvioの上市も引き続き前進しています。Iptacopanの2つの試験ならびにPluvictoの治療のより早い段階での使用に関する試験の主要な第III相データは、短期から中期の成長への大きな自信となるものです。その先の将来に関しても、ノバルティスは、中期的に15件の主要データの入手が見込まれる豊富なパイプラインを持っています。ノバルティスは、世界で最も信頼され、価値のある医薬品企業となるための道筋において、財務業績の改善と環境・社会・ガバナンス(ESG)基盤の強化を引き続き実現できると見込んでいます」
主要数値1
戦略アップデート
事業の集中
2022年、ノバルティスは、真のイノベーティブ メディスン カンパニーへの転換を行う新たな集中化戦略を発表しました。ノバルティスは、5つのコア疾患領域(循環器、イムノロジー、中枢神経、固形腫瘍、血液腫瘍)に焦点を定め、これらのすべての疾患領域で、疾患による負担を軽減し、大きな成長が見込まれる、上市済みならびに開発中の複数の有力な製品を有しています。ノバルティスは、構築済みの2つの技術プラットフォーム(化学、バイオ医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞療法、放射線リガンド療法、xRNA)の研究開発力および生産規模の拡大に優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長に焦点を当てています。
優先事項
- 成長を加速:付加価値の高い医薬品(新規化合物)供給への注力を新たにするとともに、すべてのコア疾患領域での豊富なパイプラインを背景とした優れた上市活動にフォーカス株主への還元:オペレーショナルエクセレンスの実践と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の維持、ならびに堅固な現金収入と資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
- 株主への還元:オペレーショナルエクセレンスの実践と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の維持、ならびに堅固な現金収入と資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
- 基盤の強化:社員の持つ力の活用、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続
サンドの完全独立の計画
サンドの完全独立の計画は、2023年下半期の完了に向け順調に進んでいます。事業独立の完了は、労使協議会や従業員代表との協議(必要に応じて)、全般的な市場の状況、税務上の決定および意見の受領、ノバルティスの取締役会による最終承認、スイス会社法に則った株主による承認など、特定の条件を満たすことを前提としています。今回の事業独立によるノバルティスの法人税への影響は中立となる見込みです。
財務業績
2022年第4四半期(10~12月)
2022年第4四半期の売上高は、販売量の10ポイントの伸びが、価格低下による3ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による4ポイントのマイナス影響により一部相殺され、127億米ドル(4%減、実質ベース 3%増)となりました。
営業利益は、主に先に発表した合理化された組織モデルの導入に伴う事業再編費の拡大(6億米ドル)が主な要因となり、19億米ドル(24%減、実質ベース 14%減)となりました。
純利益は、前年同期に計上されたロシュ 社からの収益146億米ドルの影響により15億米ドル(91%減、実質ベース 90%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いた純利益は、2%増加(実質ベース)しました。1株当たり純利益(EPS)は、0.69米ドル(91%減、実質ベース 89%減)でした。ロシュ社からの収益の影響を除いたEPSは、7%増加(実質ベース)しました。
コア営業利益は、売上高の増加ならびに先に発表した合理化された組織モデルの導入に伴う初期の費用節減効果を含む生産性向上に牽引され、40億米ドル(6%増、実質ベース 15%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.9ポイント拡大(実質ベース 3.5ポイント増)し、31.8%となりました。
コア純利益は、コア営業利益の拡大が、ロシュ社からのコア収益がなくなったことにより一部相殺されたことが主な要因となり、33億米ドル(4%増、実質ベース 14%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコア純利益は、17%の伸び(実質ベース)を示しました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.52米ドル(9%増、実質ベース 19%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、23%拡大(実質ベース)しました。
フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加と無形資産の購入が少なかったことが主な要因となり、36億米ドル(米ドルベース 17%増)となりました。
イノベーティブ メディスンの売上高は、主にエンレスト、ケシンプタ、Pluvicto、Kisqaliの好業績が続いたことに伴う販売量による11ポイントの貢献があり、104億米ドル(3%減、実質ベース 3%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、ジレニア、エクジェイド、アフィニトールを中心に5ポイントに上りました。価格によるマイナス影響は、米国におけるコセンティクスの2022年1-9月期の収益控除に伴う調整による約1ポイントを含め、3ポイントでした。さらに、第4四半期の売上高の伸びは、前年同期に委託製造分の収益がその他収益から売上高に組み替えられたこともマイナスに作用しました。委託製造分の収益の組み替えの影響を除いた売上高の成長率は、4%(実質ベース)でした。米国の売上高は42億米ドル(7%増)、その他の地域での売上高は62億米ドル(9%減、実質ベース 1%増)となりました。
サンドの売上高は、23億米ドル(8%減、実質ベース 0%増)となりました。販売量による5ポイントの貢献があったものの、価格によるマイナス影響も5ポイントに上りました。欧州の売上高は13億米ドル(7%減、実質ベース 3%増)、米国の売上高は429百万米ドル(10%減)、その他の地域の売上高は612百万米ドル(8%減、実質ベース 1%増)でした。売上高は、前年同期のバイオ医薬品の委託製造分の組み替えによるマイナス影響を受けました。このマイナス影響を除いたサンドの売上高の成長率は、1%(実質ベース)でした。バイオ医薬品の全世界での売上高は、欧州、カナダ、中南米での成長があり、517百万米ドル(7%減、実質ベース 3%増)に拡大しました。
2022年通期
2022年通期の売上高は、販売量の11ポイントの伸びが、価格低下による4ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による3ポイントのマイナス影響により一部相殺され、505億米ドル(2%減、実質ベース 4%増)となりました。
営業利益は、主に先に発表した合理化された事業モデル導入に伴う事業再編費の拡大(12億米ドル)、減損費用の増加(10億米ドル)、売却益の減少(6億米ドル)が主な要因となり、92億米ドル(21%減、実質ベース 13%減)となりました。
純利益は、前年に計上されたロシュ社からの収益による影響を受け、70億米ドル(71%減、実質ベース 67%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いた純利益は、9%の低下(実質ベース)を示しました。1株当たり純利益(EPS)は、3.19米ドル(70%減、実質ベース 66%減)となりました。ロシュ社からの収益の影響を除いたEPSは、7%減少(実質ベース)しました。
コア営業利益は、売上高の増加によるプラス要因が、研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、167億米ドル(0%、実質ベース 8%増)となりました。コア売上高営業利益率は、0.9ポイント上昇(実質ベース 1.3ポイント増)し、33.0%となりました。
コア純利益は、コア営業利益の増加がロシュ社からのコア収益がなくなったことにより一部相殺され、134億米ドル(5%減、実質ベース 3%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコア純利益は、11%の伸び(実質ベース)を示しました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、6.12米ドル(3%減、実質ベース 6%増)となりました。ロシュ社からのコア収益の影響を除いたコアEPSは、14%拡大(実質ベース)しました。
フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の減少と売却益の減少が、有形固定資産の購入費の減少により一部相殺されたことが主な要因となり、119億米ドル(米ドルベース 10%減)となりました。
イノベーティブ メディスンの売上高は、販売量が12ポイント拡大し、413億米ドル(2%減、実質ベース 4%増)となりました。売上高の伸びは、主にエンレスト、ケシンプタ、Kisqali、Pluvicto、コセンティクスの継続した好業績に牽引されました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、ジレニア、アフィニトール、グリベックを中心に4ポイントに上りました。価格によるマイナス影響は、4ポイントでした。米国の売上高は159億米ドル(6%増)、その他の地域での売上高は254億米ドル(6%減、実質ベース 3%増)となりました。
サンドの売上高は、92億米ドル(4%減、実質ベース 4%増)となりました。販売量による貢献は10ポイントあり、価格によるマイナス影響は6ポイントでした。欧州の売上高は49億米ドル(7%減、実質ベース 4%増)、米国の売上高は18億米ドル(4%減)、その他の地域の売上高は26億米ドル(2%増、実質ベース 9%増)でした。バイオ医薬品の全世界での売上高は、21億米ドル(1%減、実質ベース 9%増)に増加しました。
2022年第4四半期の成長の主な原動力
第4四半期の業績は、以下を含む成長の主な原動力への継続的なフォーカスに下支えされました(第4四半期の売上高の伸びに対する実質ベースでの貢献順):
2022年 イノベーティブ メディスン 売上高上位20製品
研究開発関連のアップデート ― 第4半期の主な進捗
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことは、今後も引き続き優先されます。
2022年通期、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、2021年12月に発表した最大で150億米ドルの自己株式購入の一環としての1億1,530万株(99億米ドル)、ならびに社員持ち株制度による希釈化影響を軽減するための1,090万株(9億米ドル)を含め、合計1億2,620万株の自己株式を108億米ドルで買い戻しました。さらに、140万株(1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2022年通期に、社員持ち株制度関連のオプション権行使ならびに株式受け渡しにより、1,230万株(株式価値9億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2021年12月31日時点と比べて1億1,530万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が100億米ドル減少するとともに、現金支出(純額)は106億米ドルとなりました。
2022年12月31日現在の純負債額は、2021年12月31日時点の9億米ドルから72億米ドルに増加しました。純負債額の増加の主な要因は、75億米ドルの年間配当金の支払いと106億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)が、2022年通期のフリーキャッシュフロー119億米ドルによって一部相殺されたことです。
2022年第4四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ投資家サービスがA1、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。
2023年通期業績予想
外国為替の影響
2023年1月下旬の為替レートが2023年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2023年通期での為替の影響は、売上高に対し0からプラス1ポイント、コア営業利益に対しマイナス1ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は140カ国以上におよびます。詳細はホームページをご覧ください。
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