スペースデータとACSL、デジタルツインで開発したドローン制御機能を実機へ連携
境町ドローンラボ・ドローンフィールドをデジタルツイン化。仮想空間での飛行・認識検証を経て、実機「SOTEN」への連携を実施。

株式会社スペースデータ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽、以下「スペースデータ」)は、株式会社ACSL(本社:東京都江戸川区、代表取締役Co-CEO:早川研介・寺山昇志、東証グロース:6232、以下「ACSL」)と進める、防衛・防災・社会インフラ分野における無人システム運用の高度化に向けた共同検討の一環として、茨城県猿島郡境町の「境町ドローンラボ・ドローンフィールド」を再現したデジタルツイン環境を構築し、仮想環境で開発・検証したドローンの制御・認識機能を、ACSLの国産産業用ドローン「SOTEN(蒼天)」へ接続する検証を実施しました。
今回の取り組みでは、スペースデータの統合技術基盤「PROVIDENCE(プロヴィデンス)」のデジタルツイン・フィジカルAI技術と、ACSLの国産産業用ドローンおよび運用知見を組み合わせ、仮想環境での飛行・認識・制御の検証から実機評価までをつなぐ検証プロセスを構築しました。両社は、危険・高コスト・再現困難な条件を実機投入前に検証し、現場運用の安全性、効率性、再現性を高める仕組みの社会実装を目指します。
■デジタルツイン上の検証から実機接続へ
両社はこれまで、ACSLの自律制御ドローンによる実環境でのデータ取得能力と、スペースデータのデジタルツインおよびフィジカルAI技術を連携させ、防衛・防災・社会インフラ分野での無人システム運用を高度化する共同検討を進めてきました。
現在は、施設の仮想環境構築に加え、実機ドローンで用いられる操作系とシミュレーション環境の接続、カメラ映像の取得、画像認識、探索・接近・ホバリングなどの一連の機能検証へ進展しています。
1. ドローン取得データを活用したデジタルツイン環境の構築
スペースデータのPROVIDENCE・CGチームは、「境町ドローンラボ・ドローンフィールド」の研究開発・人材育成棟、屋内実験棟、屋外ドローンフィールド、緩衝ネット飛行場、駐車場などを対象に、実在施設の配置や外観、飛行・認識検証に必要な周辺環境を3DCGで再現するデジタルツイン環境を構築しています。
外観を再現するだけの3DCGではなく、ドローンの飛行経路、カメラ視野、対象物の認識、環境条件による差異を検証できる「運用のための仮想環境」として構築しています。検証対象には飛行場、離着陸地点、施設建物、人物モデル、色マーカーなどを含み、現地と仮想空間で可能な限り同じ条件を設定できる構成を目指しています。

2. デジタルツイン上で、飛行・画像認識・自律動作を検証
スペースデータのPROVIDENCE・ロボティクスチームは、NVIDIA Isaac Sim上にSOTEN(蒼天)を想定した機体モデルを構築し、実機運用で用いる操作系と接続しました。これにより、地上局ソフトウェアから送る離陸、地点指定飛行、旋回、着陸などの指令を、デジタルツイン上の機体に反映できる環境を整備しました。さらに、ドローン搭載カメラの映像を取得し、画像処理結果を運用画面へ返す経路も構築しています。
現在は、色マーカーを探索して推定位置へ接近し、その上空でホバリングする機能や、人物を探索して安全距離を保ちながら監視位置でホバリングする機能を開発しています。仮想環境では天候、時間帯、照明、背景、対象物の位置などを制御できるため、現地だけでは繰り返しにくい条件を安全に検証し、実機試験で確認すべき論点を事前に絞り込めます。

3. 仮想環境で開発した制御機能を実機SOTENへ接続
実機接続では、SOTENへの指令送信、カメラ映像の取得、ジンバル制御を確認しました。さらに、シミュレーション環境で開発した色マーカー探索機能を実機へ接続し、自動離陸、実機映像を用いた対象検出、ホバリング判定までの自動制御と、手動着陸を組み合わせた一連の動作を確認しました。検証過程では、映像遅延、カメラ画角、ジンバル角度の規約、通信状態など、シミュレーションと実機の差異に起因する課題を抽出し、改善を重ねています。
境町ドローンラボ・ドローンフィールドでは、実機とシミュレーションに同一または同等の探索条件を設定し、飛行軌跡、対象物の検出、最終位置、映像、通信・制御ログなどを比較する計画です。色マーカー探索と人物探索を複数回実施し、日照、風、GPS品質などの環境条件も記録することで、実運用に影響する差異を定量的に把握します。

■企業・自治体の実環境を対象とした共同検証へ展開
本取り組みで構築した検証プロセスは、特定の施設や機体に限定するものではありません。企業・自治体・関係省庁などが持つ現場、機体、センサー、運用課題に合わせて、防衛・防災・社会インフラ維持をはじめとする多様なテーマの検証環境を設計する共創型のアプローチです。
例えば、以下のようなテーマで段階的な検証が可能です。
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防衛・安全保障:重要施設や警戒区域の状況把握、警戒監視、通信・測位が制限される環境を想定した飛行経路・運用方法を事前検証
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社会インフラ点検:送電線、橋梁、プラント、屋根などの巡回経路と認識条件を事前検証
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防災・災害対応:被災想定区域での人物探索、進入経路、通信断や視界不良を想定した運用検討
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工場・物流:敷地内巡回、在庫・設備確認、複数機運用の安全性と効率性を比較
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建設・施設管理:工事進捗の撮影計画、死角、飛行禁止領域、点検頻度を仮想環境で設計
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AI・センサー開発:照明、天候、距離、角度、背景を変えた認識性能評価と学習データ生成
導入検討では、①対象現場と業務課題の整理、②既存データ・現地計測によるデジタルツイン構築、③シミュレーションでの運用・AI検証、④実機試験、⑤差異分析と運用改善、という流れを基本とします。これにより、実機試験だけに依存せず、検証回数の拡大、危険条件の事前確認、関係者間での運用イメージ共有を可能にします。
■自社の施設・機体・業務でも試せるか相談したい企業・自治体を募集
スペースデータ・PROVIDENCEチームでは、ドローンやロボットの導入前検証、実環境を再現したデジタルツインの構築、画像認識AIの性能評価などについて、対象業務の整理からPoC設計、仮想環境構築、実機評価まで共同検証の相談を受け付けています。
お問い合わせ:https://providence.spacedata.jp/apply
■今後の展望
両社は、境町ドローンラボ・ドローンフィールドで取得する実機データと、デジタルツイン上のシミュレーション結果を比較し、機体モデル、カメラ・センサーモデル、通信、環境条件、認識・制御アプリケーションの精度向上につなげます。今後は、防衛・防災・社会インフラをはじめ、実機試験の安全性やコスト、再現性が課題となる領域への展開を視野に、企業・自治体との共同検証を推進してまいります。
株式会社ACSLについて
ACSLは、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ」をミッションに、国産の産業用ドローンを開発・量産するメーカーです。独自の自律制御技術と高い信頼性を備えた機体を提供し、空撮・点検・物流・防災など多様な領域で社会インフラの維持管理や安全・安心に貢献しています。
株式会社スペースデータについて
株式会社スペースデータは、「宇宙を誰もが活用できる社会へ」という思いのもと、宇宙とデジタル技術の融合によって新たな産業や社会基盤を創造するテクノロジースタートアップです。地球・宇宙環境を精密に再現するデジタルツイン技術を活用して、宇宙から都市開発、防災、安全保障まで、次の未来を支えるデジタルプラットフォームの構築を目指しています。
PROVIDENCE(統合技術プラットフォーム)

PROVIDENCEは、現実世界の課題をデジタル空間で理解・検証し、より良い意思決定と自動化につなげる統合技術プラットフォームです。
現場では、地理空間情報、BIM・CAD、センサー、映像、設備情報など、多様なデータが個別に管理されています。PROVIDENCEはそれらを3D空間へ統合し、物理シミュレーション、AI、ロボティクスを組み合わせることで、「条件が変わると何が起きるか」「どの対応が有効か」「実機導入前に何を検証すべきか」を可視化します。
主な対象領域は、防災・レジリエンス、建設・都市、プラント・ロボティクスです。たとえば、豪雨条件や避難経路を変えた浸水シミュレーション、BIM・都市データを統合した設計・施工・維持管理の検討、ドローンやロボットの点検ルート・安全性・制御方法の事前検証などを想定しています。
提供の起点は完成品の一律販売ではありません。まず顧客の課題、対象現場、保有データ、判断したい内容を整理し、代表デモやワークショップを通じて活用仮説を作ります。その後、自社データを用いた小規模検証、PoC、本番導入へ段階的に進めます。
HP:https://providence.spacedata.jp/
X:https://x.com/Providence_pr
LinkedIn:https://www.linkedin.com/showcase/spacedata-providence/
採用情報:https://providence.spacedata.jp/careers
■ 本件に関するお問い合わせ
https://providence.spacedata.jp/apply
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