公益財団法人日本自然保護協会、ソニー株式会社とネイチャーポジティブ実現に向けたパートナーシップ協定を締結

NACS-J

公益財団法人日本自然保護協会(以下、NACS-J)とソニー株式会社(以下、ソニー)は、ネイチャーポジティブ実現に向けた取り組み推進を目指し、2030年までのパートナーシップ協定(以下、本協定)を締結しました。

本協定では、これまで両者が連携してきた取り組みを、ネイチャーポジティブの理念のもとで再整理し、「ランドスケープアプローチ*1」に基づき、より効果的かつ波及性の高い取り組みに発展させていくことを目的としています。

*1:ランドスケープアプローチとは、「ランドスケープ」(市町村単位など一定の地域や空間)を一つのまとまりとして捉え、生物多様性の保全・再生に取り組む考え方です。

【背景】

生物多様性の損失は、今後10年間で最も急速に悪化するリスクの一つとして指摘されています。しかし、生物多様性は地域ごとに大きく異なり、保全上の課題や優先すべき取り組みも地域によって異なります。そのため、生物多様性の損失を止め、回復に転じさせていく「ネイチャーポジティブ」の実現には、それぞれの地域の特性を踏まえた取り組みが求められています。

ネイチャーポジティブの実現には、地域の多様な課題に対応するために多様な主体が連携し、それぞれの強みを生かしながら取り組むことが重要です。協働を通じて、地域に根ざした持続的な生物多様性の保全・再生の推進が期待されています。

NACS-Jおよびソニーは、「気づくことが、守ることに、つながる」をキーワードに、10年以上にわたり「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト*2」に取り組んできました。本プロジェクトでは、生物多様性の主流化を目的として、ユニークなテーマや五感を取り入れた自然観察会や、自然の感動体験を共有する「わぉ!な生きものフォトコンテスト」などを実施しています。これまでに、自然観察会は113回、フォトコンテストは11回を開催し、延べ32,000人以上の方々にご参加いただきました。

加えて、ソニーは、事業活動と自然資本との関係(依存と影響、リスクと機会)を踏まえ、各事業所における地域の生態系に即した生物多様性の保全・再生活動を推進しています。本協定は、専門的知見を有するNACS-Jとの連携により、こうした取り組みをさらに発展させ、地域社会と連動したネイチャーポジティブの実現に向けた取組みを加速させるものです。

写真:わぉわぉ!生物多様性プロジェクトにおける自然観察会の様子(2025年7月)

*2:「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」とは、生物多様性を守るには多くの人が自然を好きになることが大切。その想いから、NACS-Jとソニーが2015年に協働して立ち上げたプロジェクトです。自然観察会や保全活動などの自然に触れる「体験」と、フォトコンテストやFacebookによる発見や感動の「共有」。この2つの側面から、多くの方に自然のおもしろさや大切さを伝えています。https://www.sony.com/ja/SonyInfo/csr/eco/spotlight/waowao/

【協定の概要、今後の展開】

今後は、これまでの自然体験を届ける活動を継続しつつ、「守ること」をより重視した取り組みを進めていきます。特に、企業活動と自然との関係性を整理し、自然関連情報開示(TNFD)も視野に入れながら、以下の取り組みを推進します。

  • 地域における生物多様性の保全・再生活動

  • 「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」による自然体験プログラムなどの啓発活動

  • 生物多様性・自然資本およびネイチャーポジティブに関する情報共有および意見交換

  • 自然資本に関する情報開示

本協定を通じて、NACS-Jとソニーは地域のネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みのモデルケースの創出を目指します。また、自然体験機会の提供を通じた社会的価値の創出や、啓発活動のさらなる展開を図ります。

【重要地域の特定】

NACS-Jとソニーは、協定に基づく活動のひとつとして、ソニーと関わりの深い地域である「稲沢市」と「佐久市」において、市町村を基盤としたネイチャーポジティブの取り組みを開始しました。その第一歩として、両地域における生物多様性の保全上重要な地域(以下、重要地域)の特定を行いました。地域の自然に詳しい方々へのヒアリングを通じて、稲沢市では21か所、佐久市では49か所の重要地域を特定しました。

今後は、特定した重要地域を基に、両地域における基礎自治体や地元団体等と連携し、地域のネイチャーポジティブの実現に向けた保全・再生計画の策定と実践を進めていきます。

図:稲沢市の主な生物多様性保全上の重要地域(おおよその位置)
写真:佐久市での視察の様子と重要地域の検討の様子 

ソニー株式会社 執行役員 広報・渉外・サステナビリティ担当 今田 真実

本パートナーシップは、両者が長年にわたり取り組んできた活動を踏まえ、新たな段階へと発展させる重要な一歩であると受け止めています。これまで、ソニーが主体的に推進してきた取り組みを通じて得られた知見や経験を生かしつつ、日本自然保護協会とともに地域や自治体の皆様との対話と連携を重ねることで、それぞれの地域の特性や自然の価値を大切にした持続的な取り組みへとつなげていきたいと考えています。今後も、多様なステークホルダーとの協働を通じ、ネイチャーポジティブの実現に取り組んでまいります。

公益財団法人日本自然保護協会 理事長 土屋 俊幸

私たちはソニーの皆さまと、10年間にわたり、自然体験を届けるプログラムを通じて、次世代の豊かな自然観を育むための歩みを共にしてきました。私たちの活動の原点である「五感を使った自然観察」を多くの方々に届け、自然を大切に想う心を育んでこられたことを、大変感慨深く、また誇らしく感じております。この度、その10年の成果をさらに発展させ、新たに「ランドスケープ」を意識したネイチャーポジティブの取り組みへと踏み出すことになりました。この取り組みは、当会が2030年までの中核事業として掲げる「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」という戦略的枠組みを具現化する、極めて重要な挑戦となります。これまでの教育支援で培った強固な信頼関係を礎に、自然と人が共生する未来を目指し、取り組んで参ります。

ご参考

公益財団法人 日本自然保護協会

自然保護と生物多様性保全を目的に、1951年に創立された日本で最も歴史のある自然保護団体のひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、今でも日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんから高齢者までが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、活かす活動を続けています。

 http://www.nacsj.or.jp/

ソニー株式会社

ソニー株式会社は、ソニーグループ株式会社の100%子会社であり、エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)事業を担います。「テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する」ことをミッションとし、世界中の人に感動を届けることをめざしています。

 http://www.sony.co.jp/

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会社概要

URL
http://www.nacsj.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
電話番号
03-3553-4101
代表者名
土屋 俊幸
上場
未上場
資本金
-
設立
1951年10月