2024年お年玉調査 ポストコロナで人流戻るも財布の紐緩まず
予算総額は前年比106%で増加、1人に渡す額は減少 渡す側「現金(手渡し)」9割 もらう側「スマホのキャッシュレス」4人に1人希望
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、全国の15歳から79歳の男女(5,000人)を対象に実施した「お年玉」に関する調査結果を公開します。
[ポイント]
・来年のお年玉を渡す予定の人は全体の46.8%。渡す人の予算総額は平均25,099円で前年比106%
・相場(1人に渡す金額)は、昨年に比べ減少。小学生未満「1,000円以下」、中学生「3,000円超~5,000円」など
・渡す方法は「現金(手渡し)」が9割と大多数、「スマホのキャッシュレス決済」は1%未満で昨年と大きな変化なし
・もらう側は「スマホのキャッシュレス決済」を4人に1人が希望
はじめに、来年のお年玉を渡す予定があるかをたずねました。「予定あり」は46.8%(前年比+1.4pt)、「予定はない」は41.8%(同-5.0pt)、「わからない」は11.4%(同+3.6pt)でした(図表1)。
また、「予定あり」回答者に予算総額をきいた結果が図表2です。平均は25,099円と昨年から1,442円の増加(前年比106%)となりました。
図表1 図表2
インテージで実施した各種調査からも、物価高や円安影響はありつつもイベントの活気が一定回復しつつあることが分かっています。年末年始の帰省等に伴う親族・知り合いに会う機会の増加と連動して、お年玉をあげる予定が増え(あげない予定が減り)、予算引き上げにつながったと考えられます。ただし当社調査結果でのハロウィン予算が昨年比1.4倍、年末年始予算が同1.3倍といった顕著な増加と比較すると、お年玉にかける予算の伸び率は小さい状況です。
それでは、1人に渡す金額はどうでしょうか。渡す相手別に確認しました。それぞれの学齢で最も多かったのは、小学生未満「~1,000円」(44.9%)、小学1-3年生「1,000円超~3,000円」(50.3%)、小学4-6年生「1,000円超~3,000円」(40.9%)、中学生「3,000円超~5,000円」(49.1%)、高校生「5,000円超~10,000円」(48.8%)、大学生・専門学校生・短大生「5,000円超~10,000円」(67.7%)(図表3)。
図表3
さらに1人に渡す金額を昨年と比較すると、どの学齢においても減少していました。例えば小学生未満では、昨年23.8%だった「~1,000円」が44.9%と倍増しトップに。また、昨年は「5,000円超~10,000円」が45.6%と最も多かった中学生では、「3,000円超~5,000円」(49.1%)が相場へと変動しました(図表4)。
図表4
なお、別途確認した設問で、お年玉を渡す人数は「小学生未満」~「大学生」のすべてにおいて昨年より増加していることが分かっています。年始の人に会う機会と連動してお年玉の総額予算は増えるものの、大盤振る舞いはできず1人あたりの金額を減らすことでやりくりする、といった様子が見てとれます。
続いて、お年玉を渡す方法、若年層がもらいたい方法を確認してみましょう。
まず図表5は相手別の渡す方法です。自分の子ども、孫、親戚の子どものそれぞれトップは「現金(手渡し)」。いずれも9割前後が回答と圧倒的多数でした。次いで、自分の子ども相手では「振り込み」(3.7%)、孫相手では「現金書留」(5.0%)、親戚の子ども相手では「現金書留」(2.9%)となりました。なお「スマホのキャッシュレス決済」については、いずれの相手に対しても1%未満と奮わず、昨年からも大幅な伸長はありませんでした。
図表5
お年玉の渡し方に「スマホのキャッシュレス決済」を選択しない理由としては、「現金の方がもらったという実感がわく」(41.0%)がトップでした。5位の「現金を渡した時の子ども・孫の表情・笑顔が見たい」(20.1%)は昨年から3ptアップ。祖父母世代がリアルで孫に会う機会が昨年からさらに増え、相手の喜ぶ顔を楽しみにしている様子がうかがえます(図表6)。
図表6
最後に、お年玉をもらう側(20歳以下)に、もらい方として「スマホのキャッシュレス決済」の希望を確認しました。結果、「スマホのキャッシュレス決済でもらいたい」という人は27.4%で、理由のトップは「普段スマホのキャッシュレス決済を使っていて便利」(66.7%)でした。4人に1人が希望している結果は、昨年とほぼ同水準です。お年玉という特別感に加えて人流の流れが戻りつつある中でも、利便性・タイムパフォーマンスを重視する世代には、あげる側ほどの現金へのこだわりはないようです(図表7)。
図表7
生活者研究センター センター長 田中 宏昌 コメント
官製賃上げにより名目賃金はわずかの上昇を見せるものの実質賃金は回復せずに、収入増の実感は持てないのが現状です。コロナ明けによりクリスマスや帰省などへの消費意欲は回復に向かっていますが、一方でメリハリを効かせた消費傾向(賢堅消費、使いどころを見極めた賢く堅実な消費)がより強くなっています。「渡す人が増えることで予算は増えるが、一人当たり額をセーブして、支出増を抑えめに」という動きも賢堅消費の表れかもしれません。
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使用したデータ
【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=5000 ※国勢調査にもとづき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収
調査実施時期: 2023年11月24日(金)~11月27日(月)
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【株式会社インテージ】
株式会社インテージは1960年に創業。世界9か国に拠点を持ちマーケティングリサーチ/インサイト事業でアジアNo.1*のインテージグループを牽引し、国内外の企業・団体のマーケティング活動をトータルサポートしています。
「生活者理解の深化」と「データ活用の高度化」により顧客ビジネスの未来創造を支え、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」という事業ビジョンの実現を目指しています。
*「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2023」に基づく(グループ連結売上高ベース)
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■株式会社インテージ 広報担当:下河原/依田/森
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