三菱総合研究所、「令和7年度 広域自治体における資源循環システム構築の実証事業」を開始

大都市圏・地方都市・中小地域それぞれに応じた資源循環システムの構築を目指して

株式会社三菱総合研究所

株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下MRI)は、経済産業省「令和7年度資源自律経済確立産官学連携加速化事業費(広域自治体における資源循環システムの構築に向けた実証事業)」の委託先として採択されました。地域特性に応じた資源循環システムを構築するため、大都市圏・地方都市・中小地域それぞれで再生プラスチックを中心とした再生材の大規模供給体制の確立に向けた課題を分析・検証するための実証事業を開始します。

1. 背景

近年、世界的な資源制約や環境問題に対応するため、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が加速しています。日本でも資源自律経済の実現を目指した取り組みが進められていますが、再生材の利用拡大や地域循環システムの構築は途上にあり、自治体間の更なる連携や、分別・回収・再資源化の高度化・スキーム構築が課題となっています。経済産業省は、広域的な循環システムの構築と、再生材の安定供給に向けた各種施策を進めており、MRIが上記事業の委託先に採択されました。

※令和7年度資源自律経済確立産官学連携加速化事業費(広域自治体における資源循環システムの構築に向けた実証事業)に係る委託先の採択結果について(経済産業省)

https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/saitaku/2025/s250729001.html

2. 本実証事業の概要

本実証事業は、再生プラスチックをはじめとする再生材の供給量を一層拡大するべく、再生材の回収から再資源化までのスキームを、大都市圏、地方都市、中小地域といった地域特性に応じて構築し、各地域の関係事業者とともに実証を行うことで、資源循環システムの構築を目指すものです。

図1 本実証事業の対象地域(予定)

三菱総合研究所作成

(1)大都市圏(首都圏およびその周辺等を想定)

  • 特徴:人口密度が高く、家庭・オフィス・店舗・工場等から大量に廃棄される

  • 課題:域内で特定素材(プラスチック製容器包装等)の廃棄物を大量に回収できるが、全量を受け入れ可能な大規模選別施設の新設は困難。既存または計画中のリサイクル施設ごとに回収ルートを構築することにより、効率的な回収・再資源化が可能となる

  • 実証内容:

  ― オレフィン樹脂やPET樹脂等を対象に、ケミカルリサイクル・マテリアルリサイクルを実証

  ― 首都圏全体での循環型サプライチェーンのモデル構築

図2 大都市圏での高度なリサイクルチェーンのあり方

三菱総合研究所作成

(2)地方都市(岡山県内自治体、茨城県内複数自治体を想定)

  • 特徴:家庭からの廃棄が中心であるため、大量ではないが一定量の回収が可能

  • 課題:域内で特定素材(プラスチック製容器包装等)の廃棄物を一定量以上回収でき、一つの選別施設への集約が可能であるため、選別施設での選別を高度化することでリサイクル効率の向上が望める

  • 実証内容:

  ― 家庭排出の廃プラスチックを集約し、大規模選別施設での高度選別を実施

  ― 高品質再生材の製造と効率的な循環モデルの検証

図3 地方都市での高度なリサイクルチェーンのあり方

三菱総合研究所作成

(3)中小地域(鹿児島県薩摩川内市等を想定)

  • 特徴:家庭からの廃棄が中心のため回収量は少ないが、地域コミュニティが強く、住民による分別排出等の参画意識醸成が比較的容易

  • ポイント:住民によるきめ細やかな分別排出により、リサイクル可能な資源を排出段階で分別してもらうことで、選別工程をできる限り省力化しリサイクルすることが可能。また、近隣の複数自治体で同様の分別排出を促すことで、広域回収を実現し回収効率の向上が望める

  • 実証内容:

  ― 住民参加による分別排出を基盤とした広域回収システムを実証

  ― 地域コミュニティを活かした協働型循環モデルを構築

図4 中小地域での高度なリサイクルチェーンのあり方

三菱総合研究所作成

MRIは、動静脈含むサプライチェーン全体をデザインし、各地域での取り組みの立ち上げを主導していきます。

本実証事業を通じて、地域特性に応じた効率的で高付加価値なリサイクルモデルを確立するとともに、再生材の品質やコスト構造を分析し、課題整理と必要な施策の検討を実施します。また、供給量拡大に向けた具体的な指針を策定します。

本実証事業の成果が全国へと展開されることで、資源循環モデルが普及し、再生プラスチックをはじめとした再生材の供給量の拡大が期待されます。

3. 今後の見通し

本実証事業は2026年2月まで実施し、成果報告書として取りまとめます。2026年度以降、実証事業の結果を基に循環型ビジネスモデルの社会実装と全国展開を目指す予定です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社三菱総合研究所

〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号

【内容に関するお問い合わせ】

  エネルギー・サステナビリティ事業部門 GX本部 サーキュラーエコノミーグループ 新井

  メール:meti-plastic@ml.mri.co.jp

【報道機関からのお問い合わせ】

  広報部 

  メール:media@mri.co.jp

すべての画像


会社概要

株式会社三菱総合研究所

25フォロワー

RSS
URL
https://www.mri.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区永田町2-10-3
電話番号
03-5157-2111
代表者名
籔田 健二
上場
東証プライム
資本金
63億3624万円
設立
1970年05月