中学・高校の先生1,400人に聞いた「部活動の必要性と地域移行の現状」 全体の8割以上が「部活動は必要」と回答 部活動の地域移行は中学校と高校で進行状況に大きな差
調査レポート「カンコーホームルーム」Vol.237「部活動の必要性と地域移行の現状」https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/homeroom/vol237
菅公学生服株式会社 (本社:岡山市北区駅元町、代表取締役社長:尾崎 茂 以下:カンコー学生服)は毎月最終火曜日に結果を発信している調査レポート「カンコーホームルーム 」Vol.237にて、「部活動の必要性と地域移行の現状」の調査データを公開しました。
日本では長年、部活動は学校教育の一環として行われてきました。中学・高校における部活動は、スポーツや文化・芸術の技術を高めることだけではなく、学級や学年の垣根を越えた集団の中で、生徒の人間的な成長や社会性・協調性を育む課外活動です。では、中学・高校の部活動は現在どのような状態にあるのでしょうか?
今回は、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、部活動の必要性、部活動の地域移行の導入状況、部活動の地域移行の課題について調査しました。

◆調査結果サマリー◆
●教員の8割以上が「部活動に取り組むことは必要」と回答
●部活動の地域移行、中学校は既に約2割が導入、今後予定も含めると5割近くが進める一方、高校は約7割が予定なし
●地域移行の課題は「外部指導員の人員確保」が7割超で最多、費用や指導力・専門性も上位に
◆まとめ・見解
近年、教員の長時間労働や働き方改革、生徒数の減少による部員不足、専門的な指導者の不足といった問題が深刻化していることを背景に、「部活動の地域移行」が進んでいます。部活動の地域移行は、これまで主に学校の教員が担ってきた部活動の指導・運営を、地域のスポーツクラブや文化団体など、地域社会全体で子どもたちのスポーツ・文化活動を支える体制に移行する取り組みです。全国の中学・高校で地域移行が開始されていますが、学校が抱える課題も多くあるようです。
今回、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、部活動の必要性について調査したところ、「とても必要」と「やや必要」をあわせると、中学・高校のいずれにおいても、教員の8割以上が「生徒が部活動に取り組むことは必要である」と回答していました。
中学・高校の部活動の地域移行は、「既に導入している」(全体11.2%、中学校19.3%、高校4.1%)という状況で、中学校では約2割の学校が導入しており、「今後、導入予定がある」(全体25.4%、中学校46.4%、高校7.0%)という回答も中学校は5割近くに上ることから、中学校の部活動の地域移行は進んでいることがうかがえます。一方で、高校は「既に導入している」(4.1%)と「今後、導入予定がある」(7.0%)をあわせても約1割に留まり、今後について「導入予定はない」(69.5%)という回答が約7割を占めていることから、中学校と高校での進行状況に違いがみられます。
部活動の地域移行の課題については、「外部指導員の人員確保」(全体71.1%、中学校76.7%、高校66.3%)が最も多く、続いて「外部指導員の費用」(全体58.1%、中学校54.7%、高校61.0%)、「外部指導員の指導力・専門知識・スキル」(全体43.8%、中学校43.5%、高校44.0%)など、外部指導員に関する課題が中学・高校ともに多く、その他、「スポーツ大会やコンクールなどの運営・人員不足」「保護者への説明・理解」「スポーツクラブや民間企業との連携」などの課題もあるようです。
部活動は、生徒にとって教育的意義の大きい活動として位置づけられています。こうした部活動を持続可能なものにするための取り組みとして、学校と地域社会、行政、民間企業が連携し、これらの課題を一つずつ乗り越えていく必要があります。課題は多いものの、地域全体で子どもたちの成長を支えるこの新しい形が、今後さらに広がりを見せることが期待されています。
◆調査結果
1.部活動の必要性
●教員の8割以上が「部活動に取り組むことは必要」と回答
中学・高校の教員が考える部活動の必要性は、「とても必要」(全体38.4%、中学校35.8%、高校40.6%)と、「やや必要」(全体44.6%、中学校46.4%、高校43.0%)をあわせると、中学・高校の教員の8割以上が部活動に取り組むことは必要だと回答していました。
Q.生徒が部活動に取り組むことは、必要なことだと思われますか。(単数回答)

2.部活動の地域移行の導入状況
●部活動の地域移行、中学校は既に約2割が導入、今後予定も含めると5割近くが進める一方、高校は約7割が予定なし
中学・高校の部活動の地域移行の導入状況は、「既に導入している」(全体11.2%、中学校19.3%、高校4.1%)という結果で、中学校は約2割が導入していると回答していました。「今後、導入予定がある」(全体25.4%、中学校46.4%、高校7.0%)という回答は、中学校は5割近くあり、中学校の移行計画は進んでいることがうかがえます。
一方で、高校は「導入予定はない」(69.5%)という回答が約7割を占め、中学・高校での部活動の地域移行の導入状況に違いがありました。
Q.あなたの勤務する学校では、「部活動の地域移行」は導入されていますか。(単数回答)

3.部活動の地域移行の課題
●地域移行の課題は「外部指導員の人員確保」が7割超で最多、費用や指導力・専門性も上位に
部活動の地域移行の課題については、「外部指導員の人員確保」(全体71.1%、中学校76.7%、高校66.3%)が最も多く、次に「外部指導員の費用」(全体58.1%、中学校54.7%、高校61.0%)、「外部指導員の指導力・専門知識・スキル」(全体43.8%、中学校43.5%、高校44.0%)など、外部指導員に関する課題が多くあげられました。
また、外部指導員に関すること以外でも、「スポーツ大会やコンクールなどの運営・人員不足」「保護者への説明・理解」「スポーツクラブや民間企業との連携」などの課題がみられました。
Q.. 「部活動の地域移行」の課題はどのようなことだと思いますか。(複数回答)

◆調査概要
・調査主体:菅公学生服株式会社
・調査対象:全国の中学・高校の教員 1,400人
・サンプルサイズ:

|
中学校 |
高校 |
計 |
|---|---|---|
|
653 |
747 |
1,400 |
・調査方法:インターネットリサーチ
・実施時期:2025年7月
・調査委託先:株式会社ネオマーケティング
※結果公開URL: https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/homeroom/vol237
【カンコーホームルーム】
菅公学生服株式会社が、生徒を取り巻く環境や生徒の意識・ライフスタイルについて多角的に調査・分析し、毎月最終火曜日に、結果を発信している調査レポート。
テーマは、「中高生が着たい制服・体操服」、「部活動で身につく力」、「学校教育とSDGs」など多岐にわたる。調査結果は、当社の事業エビデンスとしてだけでなく、広く一般に公開することで論文や教材、新聞・テレビ番組で引用転載されるなど、多方面でも活用されている。
発行日:毎月1回最終火曜日更新
公開方法:WEB https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/homeroom
調査テーマの募集、ご意見・ご要望受付:https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/demand
引用・転載のお申込み: https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/quotatio
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