インバウンド急回復と交通空白対策が進んだ2025年、“移動”を巡る課題の現在地
「交通空白解消・集中対策期間」初年度として位置づけられた2025年~社会課題としての移動に向き合うNearMeの2025年の歩み~
株式会社NearMe(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙原幸一郎、以下:ニアミー)は、社会課題の解決を目指すソーシャルデザインカンパニーとして「シェア乗り」によって移動の質を高める取り組みを推進してきました。
2025年は、日本の移動を巡る議論が“検討”の段階を越え、実際の生活や地域で実装が進み始めた年となりました。さらに本年度からの3年間は、国土交通大臣の指示に基づく「交通空白解消・集中対策期間」と位置づけられています。
「交通空白解消・集中対策期間」の初年度にあたる2025年は、訪日客数が過去最多を更新し、都市部や観光地で移動需要が急拡大しました。その一方で、特に地方部において、公共交通の縮小や担い手不足が重なり「交通空白」が個別地域の問題ではなく、社会全体で向き合うべき構造的課題として認識されるようになったと考えています。バスや鉄道の減便、既存輸送資源の再活用、日本版ライドシェアや自動運転の実証拡大など、移動の確保に向けた多様な手法が同時に進む中、ニアミーはこうした社会の変化を見据え、既存のアセットを活かした取り組みを通じて、移動の「量」だけでなく「質」に向き合った、現実的かつ持続可能な解決策を提供してきました。

2025年 NearMeの主な取り組み
2025年は、移動を巡る制度や取り組みが、少しずつ具体化していった一年でした。日本各地での実証事業を背景に、都市部、地方、観光地といったさまざまな地域で、移動のあり方に関する動きが見られるようになっています。ニアミーも、こうした社会の動きと並走しながら、地域ごとの状況に応じた取り組みを積み重ねてきました。

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NearMeの取り組み |
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1月 |
・「MONday Airport Shuttle powered by NearMe」運行開始 ・鹿児島市にて、夜間の「シェア乗り」を開始 ・池袋を起点に「ミッドナイトSシャトル」の実証運行開始 ・トヨタ紡織と「シェア乗り車両」共同開発 ・エアポートシャトル、累計予約人数100万人突破 |
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2月 |
・静岡市にて「ミッドナイトシェア乗りタクシー」運行開始 |
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3月 |
・国土交通省の「地域交通DXの推進に向けた相乗りタクシーの活用促進のための実証調査業務」において独自AIを活用したシェア乗りサービスが採択 |
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4月 |
・国土交通省MaaS2.0の「リアルタイム相乗りタクシーマッチングシステム開発プロジェクト」において独自AIを活用したシェア乗りサービスが採択 ・愛知県西尾市にて「LINEを活用した予約システム」が採用され、本格運行を開始 |
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6月 |
・「ミッドナイトシャトル三鷹」実証運行開始 |
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7月 |
・「阿蘇くまもと空港送迎タクシー」運行開始 ・「ANAあいのり空港送迎」実証運行開始 |
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8月 |
・静岡県にて「のるら西伊豆」実証運行開始 |
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9月 |
・滋賀県栗東市にて周遊促進実証事業を開始 |
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10月 |
・東急不動産と連携し「RAKU MOVI by COMFORIA」の実証運行開始 ・長野県飯山市にて「いいやま相乗りタクシー」の実証運行開始 ・ブランドアップデートに伴う事業戦略発表会を実施 ・国土交通省「交通空白」解消プロジェクト「ミッドナイトシャトル三鷹」運行開始 ・中国最大手LCCである春秋航空、システム開発会社の阿宝株式会社と連携 ・Japan Mobility Show 2025と連携し来場者送迎サービスを提供 |
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11月 |
・国土交通省「交通空白」解消プロジェクト「ミッドナイトシャトル渋谷」運行開始 ・中部電力と連携し、オンデマンド乗り合いタクシー「中電MaaS Powered by NearMe」に参画 |
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12月 |
・四国交通と連携し独自AIを活用したタクシーを愛媛県6市町にて運行開始 ・長野県飯山市にて「いいやまライドシェア」の実証運行開始 |
<事例紹介>
・トヨタ紡織と「シェア乗り車両」共同開発(2025年1月)

『シェア乗り車両』は、複数組が1台の車両をシェアして移動する新たな交通手段”シェア乗り”において、プライバシーを確保しつつ快適な移動空間の提供が可能となる車両です。車内の後部座席エリアはシート配置を前後にずらしてプライベート空間を確保。さらに、トヨタ紡織が開発した「MOOX-RIDE」を搭載し、移動中に施設や観光スポットなどの情報を個別に提供します。
・エアポートシャトル、累計予約人数100万人突破(2025年1月)

NearMeが提供する空港送迎型の『エアポートシャトル』は、空港と都市部をドアツードアで結ぶ“シェア乗り”サービスとして、今年1月に累計予約人数100万人を突破しました。みなさまに“シェア乗り”サービスをご利用いただいた結果、NearMeの平均乗車人数は通常のタクシー(1.3人※1)に対して2.6人※2と約2倍に向上し、月次では最大3.2人※2を記録するなど、移動における「もったいない」の解消と効率的な車両活用を実現しています。
※1「全国ハイヤー・タクシー連合会」 調べ、 TAXI Today in Japan,Taxi of Tokyo
※2ニアミー調べ
・長野県飯山市にて「いいやま相乗りタクシー」の実証運行開始(2025年10月)

飯山市およびJR東日本と連携し、日本版MaaS推進・支援事業の一環として実施される「いいやま相乗りタクシー」の実証実験に参画。マイナンバーカード情報等に基づく特定利用者への割引や、飯山市民から 観光のお客さままで、あらゆる利用者が相乗りによる割引料金でお得にご利用いただける環境を整備し、移動の利便性向上と公共交通の輸送効率最大化を通じた、持続可能な地域交通の実現に取り組んでいます。
・ブランドアップデートに伴う事業戦略発表会を実施(2025年10月)

2030年に向けた移動課題の解決に向け、国土交通省や自治体、企業と連携した『NearMe事業戦略発表会』を開催しました。地域・観光分野における“移動の足不足”をテーマに、官民連携の取り組み事例とともに、ブランドメッセージを「予約でおトク、ラクちん。配車サービス NearMe | ニアミー」へと刷新。地域の移動課題を解決するITモビリティパートナーとしての役割を強化し、独自AIを活用してユーザーを事前にバンドルすることで車両の効率運用と輸送量の最大化を図る、プラットフォームとしての独自の立ち位置を目指していく方針を示しました。
・国土交通省「交通空白」解消プロジェクト「ミッドナイトシャトル渋谷」運行開始(2025年11月)

国土交通省と連携し、「交通空白」解消に向けたパイロット・プロジェクトとして、独自AIによるリアルタイム相乗りマッチングシステムを活用した『ミッドナイトシャトル渋谷』を開始。終電後の移動手段が限られる深夜時間帯において、相乗りによる効率的なタクシー活用を実現し、都心部からの安心・スムーズな帰宅という新たな移動体験を提供しています。なお、JR三鷹駅を起点とした『ミッドナイトシャトル三鷹』は10月31日より運行を開始しています。
■国土交通省が示した「交通空白」解消におけるNearMeの役割
2025年、国土交通省は「交通空白」対策を、実証段階から社会実装フェーズへと前進させました。そこで重視されたのは、新たな制度や乗り物を増やすことではなく、既存の交通手段を地域や時間帯に応じて組み合わせ、持続的に機能させていくための考え方と仕組みづくりです。
ニアミーは、この政策の方向性と高い親和性を持つ事業者として、複数の国土交通省プロジェクトに参画してきました。独自AIを活用したリアルタイム相乗りマッチングにより、限られた車両・人材を効率的に活用する仕組みは、「交通空白」を埋める実装モデルの一つとして検証が進められています。
■夜間・時間帯別に顕在化する"都市の交通空白"
交通空白は地方だけでなく都市部の夜間でも共通の社会課題として認識されるようになりました。終電後に移動できない、深夜帯にタクシーがつかまらないといった状況は、経済活動や安全性にも影響を及ぼすことが明らかになっています。
この課題に対して、ニアミーは時間帯別・地域別に複数のミッドナイトシャトル施策を展開しました。
1月には、終電後の移動を念頭に置いた池袋を起点にした「ミッドナイトSシャトル」の実証運行を開始し、池袋駅南口発着エリアで深夜移動の選択肢を提供しました。 6月には、「ミッドナイトシャトル三鷹」の実証運行が三鷹駅を起点に進み、住宅地を含む広域エリアへと夜間移動手段の選択肢を広げました。
さらに10月~11月には、国土交通省の交通空白解消プロジェクトと連携し、リアルタイム相乗りマッチングシステムを活用した「ミッドナイトシャトル渋谷」「ミッドナイトシャトル三鷹」がそれぞれ開始され、予約直前でも複数利用者を効率的に1台へマッチングするシステムへと進化しています。この展開によって、首都圏の夜間移動需要の多様なニーズに合わせた実装が進みました。
これら一連の取り組みは、「深夜でも安心して移動できる選択肢をつくる」という観点から、地域住民や夜間利用者にとって具体的な価値を提供しました。
■インバウンド急回復が浮き彫りにした"移動体験"の重要性
2025年、インバウンド需要は想定を上回るペースで回復しました。今年1~11月の訪日外国人客数(推計値)は3,906万5,600人※となり、前年同期比で約17%増加。過去最多を記録した2024年の年間数3,687万148人を、11カ月で更新する結果となりました。訪日客の急増は、空港や主要観光都市への人流を急増させ、二次交通やラストワンマイルでの移動体験への要求を高めました。ニアミーは、空港送迎サービス「エアポートシャトル」を通じて、乗り換え不要・シームレスな移動体験を提供し、訪日客の旅行体験価値向上に寄与しています。2025年3月には累計利用者数が100万人を突破し、多様化するインバウンド需要に対応する移動インフラとしての役割を担っています。
さらに、中国最大手LCCである春秋航空およびシステム開発会社の阿宝株式会社との連携を通じて、航空と地上移動を一体で捉えた取り組みも進めています。移動の利便性向上にとどまらず、地域交通事業者と連携しながら、持続可能なインバウンド受け入れのあり方を模索しています。

※日本政府観光局「訪日外客数(2025 年 11 月推計値) 」
■自動運転時代に向けたNearMeの取り組み
自動運転技術はレベル4の社会実装を見据え、各地で実証や制度整備が進み、移動の担い手不足や交通空白への解決策として注目が高まっています。一方で、自動運転は車両技術だけで完結するものではなく、地域や時間帯に応じてどのように人を乗せ、効率的に運用するかという視点が不可欠です。
ニアミーはこれまで、既存のタクシー車両を活用した「シェア乗り(ライドプーリング)」により、限られた輸送資源を最大限に活かす仕組みを構築してきました。需要予測やリアルタイムマッチング、独自のAIを活用したルーティングといったニアミーの知見は、将来、自動運転車両が導入された際にも、稼働率向上や社会受容性を高める基盤になると考えています。
今後は、自動運転技術を有する事業者や自治体などとの戦略的パートナーシップを通じて、シェアを前提としたサービス設計や運行モデルの検討を進め、現行の交通サービスの延長線上で実装可能な自動運転活用のあり方を模索していきます。

2025年の取り組みと展望
ニアミーは、『暮らしの「もったいない」をなくし、「次のあたりまえ」をつくる。』というミッションのもと、2025年も移動の“量”だけでなく“質”に向き合った取り組みを進めてきました。エアポートシャトルを軸に、夜間や観光、地方といった多様な移動課題に対し、地域や時間帯の特性に応じたサービスを各地で展開してきました。
こうした取り組みを重ねる中で、2025年10月にはブランドメッセージを刷新し、ニアミーが配車にとどまらず、地域の移動課題に向き合うITモビリティパートナーとしての役割を強化しています。独自AIを活用し、同じ方向に向かう利用者をマッチングして配車する仕組みによって、限られた車両や人材を効率的に活用し、移動の供給力を高めてきました。
2026年以降は、空港送迎や夜間交通といった個別の取り組みを点で終わらせるのではなく、地域全体の移動を線として捉え、既存の交通手段をつなぎながら、持続的に機能する移動の仕組みづくりに関わる役割を強めていきます。社会の変化と歩調を合わせながら、現場で実装可能な解決策を積み重ね、誰もが安心して移動できる環境づくりに取り組んでいきます。
※「シェア乗り」とは?
「シェア乗り」は、同じ方向に移動する複数の利用者が一台の車両を共有する仕組みです。独自のAIマッチング技術により、無理のない最適な組み合わせで、移動効率を高めます。既存の交通手段と組み合わせることで、ドライバー不足や車両制約がある環境でも持続的なサービス提供を可能にします。

「NearMe」について
「NearMe」は、独自のAIを活用した最適なルーティングで、出発地から目的地までの移動をドアツードアで結ぶタクシーのシェアサービスです。その中でも、空港とその周辺の都市部を結ぶ空港送迎型の『エアポートシャトル』は、2019年8月のサービス開始から、 多くの方にご利用いただき、累計予約人数125万人※1を達成しました。現在は、全国16の空港※2(羽田空港、成田空港、伊丹空港、関西空港、新千歳空港、中部国際空港、福岡空港、那覇空港、旭川空港、帯広空港、青森空港、仙台空港、静岡空港、南紀白浜空港、徳島空港、北九州空港)と、空港周辺の都市部でご利用いただくことができます。対象エリアであれば、出発地となるご自宅から空港、そして空港から最終目的地まで一気通貫でつながるため、公共交通機関の乗り換えがなくなるなど、ストレスフリーな移動体験を提供することができます。また、貸切送迎サービスや、東京都と千葉県全域のゴルフ場と東京都23区内を結ぶゴルフシャトルなど、シチュエーションに応じて様々な移動のニーズに対応するための各種サービスを展開しています。
その他、これまでは公共交通機関のみだとアクセスに課題が残るスポーツ観戦や、観光二次交通の課題解消、高齢者の移動支援サービスのAIデマンドシステムなど、地域が独自に抱える移動課題の解消を目指した様々な実証事業を自治体などと連携して行っています。
※1 2025年9月時点。
※2 旭川空港、帯広空港、仙台空港、静岡空港は貸切送迎サービスのみ。
■日本版ライドシェア/公共ライドシェアに関するお問合せフォーム
https://forms.gle/86crBvCKjcKqaLze9
■アプリ「NearMe」について


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アプリ名 |
NearMe|ニアミー【シェア乗りアプリ】 |
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ダウンロードURL |
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利用可能サービス |
エアポートシャトル ゴルフシャトル タクシー |
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対応決済 |
Visa / Mastercard / JCB / American Express / Diners Club |

会社概要

会社名 :株式会社NearMe
所在地 :東京都中央区日本橋富沢町9-4 THE E.A.S.T.日本橋富沢町
代表者 :代表取締役 髙原幸一郎
設立 :2017年7月18日
URL :https://nearme.jp/
移動の「もったいない」を解決し、1人でも多くの人が、自由に移動でき、住みたい街に住み続けられる社会を実現することをミッションに掲げ、まずは、リアルタイムの位置情報を活用して地域活性化に貢献するマッチングプラットフォームになるべく、シェアリングエコノミーのMaaS領域から事業活動をスタート。
2019年8月より空港送迎型のエアポートシャトルを運営し、独自AIを発展させ、ルーティングの最適化技術を確立。この技術を活用し、不特定多数ではなく少人数かつ誰が乗車したか追跡できる方法で活用していただける街中でのシェア乗りサービスなどを展開しています。また、国土交通省が2025年度より取り組む「地域交通DXの推進に向けた相乗りタクシーの活用促進のための実証調査業務」や、「地域交通DX:MaaS2.0」における「リアルタイム相乗りタクシーマッチングシステム開発プロジェクト」において、シェア乗りサービスがそれぞれ採択されました。なお、ニアミーはデロイト トーマツ グループが発表したテクノロジー企業成長率ランキング「Technology Fast 50 2024 Japan」で333.8%の収益(売上高)成長を記録して17位で2年連続の受賞。
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