金沢21世紀美術館「lab.5 ROUTINE RECORDS」展から生まれ、Kan Sano氏が手がけた楽曲「Pマママ」がデジタルリリース。
ヘラルボニーがプロデュースした映像作品もOfficial Music Videoとして同時公開
同展で展示され、楽曲の音源を生み出したルーティナー(「繰り返し行動(=ルーティン)」を持つ知的障害のある人々のこと)の日常を映した映像作品も、Official Music VideoとしてKan Sano氏のYouTubeチャンネルにて同時公開されます。
URL:[https://KanSano.lnk.to/Pmamama]
(MVもYouTubeで同時公開)
「ROUTINE RECORDS」は、特別支援学校や福祉施設に通う知的障害のある人が習慣的に繰り返す、日常の行動(ルーティン)から生まれる音を丁寧に紡ぎ、音楽として届ける試みです。2022年10月1日〜2023年3月21日の約半年間にわたり、金沢21世紀美術館の〈lab.〉(laboratoryの略)シリーズの第5弾「lab.5 ROUTINE RECORDS」展として開催されました。
「lab.5 ROUTINE RECORDS」
2022年10月1日-2023年3月21日
金沢21世紀美術館デザインギャラリー展示風景
撮影:中川暁文
■曲のインスピレーションは謎の言葉「Pマママ」
本曲「Pマママ」は、プロジェクトの一環としてヘラルボニーからオファーを受けた音楽プロデューサー/キーボーディストの Kan Sano氏が、プロジェクトチームと共に金沢市内の福祉施設や特別支援学校を訪問し、日本各地から集めた13人のルーティン音をもとに創作した楽曲です。
曲のタイトルは、訪問した施設の壁に飾られていた、本曲のルーティン音にも起用されている高野圭悟さんが短冊に書いた謎の言葉「まっすぐみぎの生まれてきたんだよ P マママ」 からインスピレーションを受けて楽曲を制作したことから名付けられています。
本曲を通じて、知的障害のある人の日常音が音楽として昇華され、より多くの人へルーティナーの「異彩」が届くことで、知的障害への前向きな認知や理解へ繋がることを期待しています。
■楽曲・MVスタッフリスト
Artist:Kan Sano (origami PRODUCTIONS)
ROUTINE RECORDS Produced by ヘラルボニー
Director / Camera:yansuKIM (YOIN inc.)
Creative Director:木本梨絵 (HARKEN)
Cast (ROUTINER):
上土橋 勇樹、酒井 美穂子、山際 正己(やまなみ工房)、勝山 雄一朗、 吉田 裕志、南 保孝(アトリエやっほぅ!!)、木谷 光宏、高野 圭悟、 高橋 俊史(地域支援センターポレポレ) 、木挽 叶大、白石 雫、 橋谷 律希(金沢大学附属特別支援学校)、井口 直人(さふらん生活園)
SPECIAL THANKS:金沢21世紀美術館
レーベル:origami PRODUCTIONS
形態:ストリーミング&ダウンロード
■Kan Sano氏コメント
「Pマママ」を制作するにあたり、地元金沢のいくつかの施設を見学させていただいたのですが、どの場所にも魅力的な声や音がたくさん溢れていて創作意欲を掻き立てられました。
僕は他者にあまり興味を持たない性格ですが、他者の声にはとても興味があります。
たとえば、自分が苦手な人、嫌いな人でも、その人の歌声や鼻歌、囁き声を聴くと、妙に親しみを覚えたり、愛しく思えてしまうのです。俗っぽく言ってしまえば「声フェチ」のようなものかもしれませんが、これは僕が音楽にずっと感じている神秘性にも関わる話で、とても重要なことです。
この「Pマママ」には音楽の持つ何か神秘的な力が驚くほどの密度の濃さで詰まっています。
僕ひとりでこんな音楽は到底作れません。たくさんの愛しい歌声、話し声、生活音がこの曲を生み出しました。何故こんなにも愛しいのか。本当に不思議です。
愛しい声は、人種も年齢も性別も障害も関係なく、ただただ愛しい。このプロジェクトで実際に体験し、気付いたことです。「Pマママ」は自分がつくったのに自分がつくった気がしない、不思議な曲になりました。
10代の頃音楽活動を始めた地元金沢のアートの中心地である金沢21世紀美術館でこの曲を発表できたことにも意味を感じずにはいられません。素晴らしい気づきを与えてくださりありがとうございました。
■Kan Sano プロフィール
キーボーディスト/トラックメーカー/プロデューサー。
バークリー音楽大学ピアノ専攻ジャズ作曲科卒業。
ビートミュージックシーンを牽引する存在である一方、ジャズとクラシックを融合したような独自のスタイルでピアノ一本の即興演奏もおこなう。バンドセットのライブではトランペット、ベース、ドラムも演奏し、会場を熱狂させる。
また、リリースした楽曲「On My Way Home」「DT pt.2」「Sit At The Piano」それぞれの再生回数が1,000万回を突破。日本人音楽家としての存在を確立する中、イギリスの名門レーベル、デッカ・レコードから日本人として初リリース。またTom Mischが「Kan Sanoのファンだ」と公言し、自らの日本・韓国公演のオープニングアクトに指名するなど国内外で活躍。さらに、プロデューサー、キーボーディスト、リミキサーとして、Chara、UA、平井堅、絢香、m-floなど多数のアーティストのライブやレコーディングへも参加、CM音楽や劇伴も数多く担当している。
■ROUTINE RECORDSとは
知的障害のある人が過ごす日常で繰り返される「音」に着目し、社会へ届ける実験的な音楽レーベルです。彼らの行動習慣にまつわるさまざまな音を聴取/音源化し、鑑賞者がそれらを用いて自ら音楽を生み出す体験や、プロによるオリジナル曲の作曲を通して、普段触れることの少ない知的障害のある人とわたしたちの垣根なき日常を繋ぎます。
その第一弾として、現代アートの発信地である金沢 21 世紀美術館の実験的なシリーズ展「lab.5 ROUTINE RECORDS」として、2022年10月から2023年3月までの約半年間にわたって展示されました。音を通して彼らの異彩を世界に放ち、人々の福祉、知的障害へのパーセプション(認知)に前向きな変化を起こすこと。そして私たち自身も、そのための次のステップへ進むことを目指しています。
【株式会社ヘラルボニー概要】
ヘラルボニーは「異彩を、 放て。」をミッションに掲げる、福祉実験カンパニーです。
国内外の主に知的な障害のある作家と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営や、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開しています。これらの社会実装を通じて「障害」のイメージ変容と、福祉を起点とした新たな文化の創造を目指します。社名である「ヘラルボニー」は、知的障害のある両代表の兄・松⽥翔太が7歳の頃⾃由帳に記した謎の⾔葉です。「⼀⾒意味がないと思われるものを世の中に新しい価値として創出したい」という意味を込めています。
会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38
代表者:代表取締役社長 松田 崇弥、代表取締役副社長 松田 文登
コーポレートサイト:https://www.heralbony.jp
ブランドサイト:https://store.heralbony.jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像